子育てに必要な住環境って何だろう!?
子育てに必要な周辺環境は生活施設の充実と子供の便宜性
賃貸にしても購入にしても、長年お付き合いすることになる住宅を選ぶ際には、住宅のある場所周辺の環境にも気を配らねばならない。住宅自身が立派でも、周辺に何もない、陸の孤島的状態だとしたら、日々を暮す場所としては不都合極まりないものとなる。住宅選択には地域社会・周囲環境まで見定めねばならない。特に子供が生まれ、育てる予定、あるいはすでに子供がいる世帯では、子育てに重点をおいて考慮する必要がある。
セルコホームでは2013年12月に高校生以下の子供がいる世帯を対象とした「子供の成長と住宅選びに係わる調査」の結果を発表しているが、その内容によると、子育てのためには外せない住環境についてもっとも多くの人が同意を示したのは「近隣の生活施設(病院・ショッピング施設・図書館など)が豊富」だった。
身体の不調や不意のケガの可能性を考えると、近所に病院があった方が都合は良い。コンビニがあれば大体生活必需品の調達は足りるが、スーパーや商店街があれば、生活は一層潤いを得ることになる。図書館や公園、劇場、公民館などの公共施設は子供の情緒教育に貢献する。これらはすべて自分自身の住宅では内包できないため、周囲に整備されるのが好まれる。
次いで多い意見は「安全な通学路」。子供が日々行き来する通学路が大通りに面していたり、防犯上問題がある場所を横切るのでは、保護者としても不安。さらに「保育所・幼稚園の近隣整備」「子供の遊び場が豊富」など、子供に焦点を当てた項目が上位に並ぶ。
案外盲点なのが「良好なご近所関係」。近隣世帯を自分で寄り集めることは出来ず、カタログにもその内情は載っていない。ご近所の動向は実際に住んでみるまで分からない。多分に「当たるも八卦」的なところがあるものの、一度その住環境を選ぶと長年付き合わされることになるため、子供のためにも良好な関係を望みたくなる。
「子供のために」強い女性の要望
回答者の性別で区分すると、女性の回答率がいずれの項目でも高い。
子育て世帯では子供と共に居る時間は、男性よりも女性の方が長い。その分、子供に関わる要望が強くなると考えれば、至極当然の話といえる。
日常生活の中で接触頻度が高い項目、例えば「生活施設の充実」「良好なご近所関係」、子供の養育に深くかかわる「安全な通学路」「保育所・幼稚園の近隣整備」「育児支援が充実した自治体」では、男女差が大きなものとなっている。子育ての最前線にいる女性は、何が必要で、何が不足しているかに敏感、そして強い願望を抱くのだろう。
特に「育児支援が充実した自治体」の値は非常に大きな男女差となっている。また女性に限れば「職場へのアクセスが容易」「親・義親の近く」よりも高い値を示している。見方を変えれば、それだけ自治体からの育児支援が強く求められていると見ることもできよう。
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