シニアの一番人気なSNSはFacebook
最近では若年層や中堅層ばかりでなく、高齢層の間でも少しずつ浸透しつつあるSNS(ここではソーシャルメディア全般に加え、LINEのような半ばクローズドなチャットシステムも含む)。それでは彼ら・彼女らの中で一番使われているのはどのサービスなのだろうか。
次のグラフはソニー生命保険が2013年9月に発表した、50代から70代を対象にした、ソーシャルメディアの利用状況。調査対象母集団は携帯電話(一般携帯電話・スマートフォン双方)を用いたインターネット経由で回答しているため、携帯電話でインターネットが使える層に限定した結果となるが、どのサービスがもっとも使われているかを知る分には問題は無い。
最多回答項目はFacebook。シニア全体比では不明だが、「インターネットをそれなりに使いこなせる層」内では1/4強がFacebookを利用していることになる。操作はやや複雑なものの、マルチメディア性に優れていること、そして何よりも実名登録主義で、自分の身近な知り合いや昔の友達などを探しやすく、リアルな世界の交友関係と絡ませやすいのが好かれる原因と考えられる。名前を検索してプロフィール写真で確認し、十年来連絡が取れなかった旧友と再会するきっかけを得る……という話も十分ありえる。
第二位はツイッター。回答率はFacebookの半分程度の14.2%。利用ハードルは低く、お気軽度は高い。具体的に何をすべきか分からなくても、有名どころのアカウントをフォローして、単純に次々と流れるツイート(書込み)群を見ているだけでも、世の中の喧噪さを味わえて楽しいのかもしれない。
次いで多いのはLINE。厳密にはSNSとは言い難く、半閉鎖的なチャットシステムだが、意外に利用率は高い。これは回答者個人が自律的に使い始めるよりは、配偶者や子供、孫が利用しており、それらの人達と気軽に連絡を取り合うためのツールとして(それこそ電話代わりに)利用し始めたものと考えれば道理は通る。
対面、電話、さらには手紙でも気恥ずかしいさを覚えるなどで連絡を取りにくくても、LINEならば同じ目線で意思疎通ができる……というパターンで利用している人も多いはず。実際「面白会話」的なやり取りが親子間、さらには祖父母と孫との間で交わされるようすが、インターネット上の画像投稿サイトの写真で良く見かけられる。
ちなみにシニア層のインターネット利用率は多様な調査結果が出ているが、例えばシニア層がグイグイ伸びる…年齢階層別インターネット利用率をグラフ化してみる(2012年分反映版)では50代で85.4%、60代で70%前後、70代で50%近く。この値を基に、概算で今調査対象母集団と同じ世代のインターネット利用率が6割だとすれば、この世代の7人に1人がFacebook、11人に1人がツイッターをしていることになる(インターネットを利用しない人は、当然ソーシャルメディアも使わない、というより使えない)。
若年層と比べればまだまだ低いが、今後さらに各種端末が普及し、普段から日常的にソーシャルメディアを利用してる世代が歳を経るに連れて、シニア・ソーシャルメディア使いの比率も漸次増加していくに違いない。
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