8割を超えるコンビニコーヒーのリピート率
コンビニコーヒーの体験率は4割足らず
一部コンビニでは以前から導入されていたが、この数年の間に、大手コンビニで相次いでドリップコーヒー(淹れたてコーヒー)の展開が進んでいる。レジ横に専門のマシンが置かれ、お客の求めに応じてその場でコーヒーを淹れてカップなどに注ぐ仕組みで、缶コーヒーやチルドコーヒー、ジュースなどのようなタンク式のマシンによる提供と比べて、風味の高い出来立てを味わうことができる。コンビニにもよるが、単価が缶コーヒーなどと比べて安いこともあわせ、人気を集めている。
次以降のグラフはライフメディアのリサーチバンクが2013年9月に発表したコーヒーに関する調査結果のもので、コーヒーを月一以上で飲む人(=コーヒー飲用者。調査対象母集団の86.5%)のうち4割近くが「コンビニコーヒーを飲んだ経験がある」と回答している。行動範囲に「淹れたてコーヒー」を提供するコンビニが無い人、コンビニそのものを使わない人がいる人を合わせて考えても、かなりの利用率といえる。
存在を知っていてもまだ飲んだことが無い人は5割以上。実物を見たが飲む気にならない人以外に、知ってはいるが見かけたことが無い人、見たことがあり興味を持つも購入機会を逸したまま現在に至る人も多分にいる。本格的な展開はこの一、二年のことなので、「ある」との回答が増えるのはこれからだと考えられる。
コンビニコーヒーのリピート率は8割強
コーヒーを飲む人のうち、まだ1/3強にしか飲まれていない「コンビニコーヒー」だが、リピート率は高い。実際に飲んだ人のうち85.7%の人は「今後も飲みたい」と答えている。否定派は3%にも満たず、コーヒー好きは「コンビニコーヒー」に及第点を与えていることが分かる。
また、飲んだ経験がある人もリピート率も女性の方が高い。これは日常生活の上で女性のコンビニ利用率が高いことに加え、「コンビニコーヒー」そのものが女性に好かれている可能性を示している。実際、実体験の限りでは、大手コンビニのイートインコーナーでコーヒーをたしなんでいる人には女性が多い。カフェなどと比べるとお手軽感が強く、価格も安いのに加え、シンプルなデザインを採用するなど、オシャレ感を演出したゆえの結果だろうか。
コンビニが急速に「淹れたてコーヒー」を進めている背景には、これまでコンビニの売上を担い、集客効果も多分に期待できた「たばこ」「雑誌」の2商品の先行きが怪しくなり、売り上げが加速度的に落ちている実態が背景にある。数年前から瞬く間に浸透した「コンビニブランドのスイーツ」も代替品として開発展開された商品群の一つだが、「多くの客層に受け入れられ」「来店動機になりやすく」「リピート率が高い」の条件を揃えた「淹れたてコーヒー」は、コンビニ側の希望に沿う形で成果をあげつつある。一部コンビニではこのコーヒーに合わせ、専用のスイーツブランドを立ち上げているほど。
今後さらに「コンビニコーヒー」が浸透するに連れ、コンビニ自身は当然だが、関連する周辺業界、例えばファストフード業界にも小さからぬ動きが出てくるに違いない。
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