ニュースの課金読者が世界的に急増、ただし日本を除く コロナで伸びたのはテレビとソーシャルだった

ニュースの課金ユーザーの割合(Digital News Report2020)

世界のニュース業界の動向について知るための基礎資料の一つ、英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所が毎年発行する「デジタルニュース・リポート」2020年版が公開されました。ニュースに課金するユーザーが急増している世界的な傾向が明らかに。ただし、日本の状況は異なります。

リポートでは、40カ国・地域を調査。それによると、課金型のニュースサービスを利用している人の割合は、ノルウェーで昨年より8ポイント増加して42%に。アメリカでも4ポイント増加して20%に達するなど、世界的に増加ペースが上がっています。

ニュースの課金ユーザーの割合(Digital News Report2020)
ニュースの課金ユーザーの割合(Digital News Report2020)

「本当に優れたジャーナリズムだけ」

ただし、一部の大手メディアに課金ユーザーが集中しており、ニュースメディアに公平に富が分配されているわけではないといいます。リポートの共同エディターのラスマス・ニールセン所長はこう解説しています。

「プレミアム感がはっきりとしているニュースメディアは、質の高いニュースのオンライン配信に関して、ユーザーにお金を払うように説得できているということがデータからはっきりわかります」

「一方、ほとんどの人はオンラインニュースにお金を払いません。無料で読めるコンテンツが豊富にあることを考えると、何がお金を払うことに繋がるかははっきりしない。ただ、本当に優れたジャーナリズムだけが、人々にお金を払うように説得することができるのでしょう」

調査期間は主に2020年1~2月にかけてでしたが、一部の追加調査は新型コロナウイルスが蔓延した4月にも実施されており、それによると、特にテレビとソーシャルメディアでのニュース消費が顕著に増えていました。

英米など追加調査した6カ国では、テレビで5ポイント、ソーシャルメディアでも5ポイント増加。一方で紙メディアは2ポイント下がっていました。

コロナ蔓延後のニュース消費の変化(同)
コロナ蔓延後のニュース消費の変化(同)

日本のニュース課金が低調な理由

日本で、ニュースに課金しているユーザーは昨年より1ポイント増の8%でした。調査40カ国・地域の中で、イギリスやクロアチアの7%とほぼ並んで最下位グループに位置しています。アジアでは香港29%、韓国10%など7カ国・地域の中で最下位でした。

理由として考えられるのは、無料でニュースが読めるニュースアグリゲーションサービスが強力なことです。オンラインでよく読むニュースのブランド1位はヤフーニュースでダントツの58%、2位のNHKニュースは11%に止まりました。

日本でも、日本経済新聞が2月に有料会員数が70万人を突破。新興のNewsPicksもサービス開始から5年で有料会員10万人を超えるなど、課金型で成長するニュースサービスが生まれていますが、ごく一部です。

訂正:当初、日経新聞の有料会員数を20万人としていましたが、70万人の誤りです。訂正しました(6月17日)