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リブゴルフがPGAツアーを提訴した法廷闘争。今度はPGAツアーがリブゴルフを逆提訴、さらなる泥沼へ!

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 グレッグ・ノーマン率いるリブゴルフがPGAツアーを反トラスト法(独占禁止法)違反として提訴したゴルフ界の法廷闘争は、今度はPGAツアーがリブゴルフを逆提訴したことで、さらなる泥沼に陥ろうとしている。米スポーツイラストレイテッド誌が、いちはやく報じた。

 9月28日(米国時間)はPGAツアーが北カリフォルニアの連邦裁判所へ規定の書類を提出すべき期限だった。

 PGAツアーは必要書類を提出すると同時に、「リブゴルフ選手たちによって、PGAツアーは多大なる利益を逸失し、名誉を棄損され、ブランドイメージを傷つけられた」として、リブゴルフを反訴する書類も提出した。

 そもそもPGAツアーを提訴した原告組は、PGAツアーからリブゴルフへ移籍した直後にPGAツアーから資格停止処分を科され、それを不服とした11名の選手だった。

 そのうちの3名(テーラー・グーチ、ハドソン・スワフォード、マット・ジョーンズ)は、PGAツアーのプレーオフ・シリーズ第1戦への出場を求め、資格停止を取り消す仮処分申請。しかし、8月8日の審問でフリーマン判事は彼らの申請を全面的に却下した。これにより、リブゴルフに移籍した選手たちがPGAツアーの大会に出場する道は、裁判が結審するまでは完全に絶たれた。

 その後、リブゴルフ側の原告組からは、1人抜け、また1人抜け、さらに2人が抜けて、11名から7名へ減少。目減りした分を補うかのように、ようやくリブゴルフそのものが原告組に加わった。

 ところが、9月27日(米国時間)には、フィル・ミケルソンとさらに3名が訴えを取り下げ、現在の原告組は「3名+リブゴルフ」になった。

 原告組から抜けたミケルソンは「リブゴルフも加わったことだし、必ずしも僕が裁判に居合わせる必要はなくなった」と語り、やはり原告組から降りたイアン・ポールターも「あとはリブゴルフにお任せする」と言ったが、彼ら4名が抜けた本当の理由は定かではない。

 そんな動きがあった翌日の9月28日、今度はPGAツアーがアクションを見せ、リブゴルフとリブゴルフの選手たちを逆提訴した。ちなみに、ここで言う「リブゴルフの選手たち」には、前日に原告組から抜けた4名を含む7名の名前が記されている。

 法廷闘争の途上で、被告側が原告側を反訴することは珍しいことではないそうだが、リブゴルフがPGAツアーを提訴し、PGAツアーがリブゴルフを逆提訴したダブルの訴訟は、いずれも2024年1月に北カリフォルニアの連邦裁判所でバトルを繰り広げることになる。しかし、それまでにも、双方から、まだまだ動きが出そうな予感がする。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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