来週開催されるゴルフのメジャー大会、全米プロゴルフ選手権(5月19日~22日)のディフェンディング・チャンピオン、フィル・ミケルソンが5月13日(米国時間)、出場を辞退した。

 メジャー覇者が翌年大会に出場しなかった過去の例は、1960年マスターズに出場しなかったアート・ウォール、2000年全米オープンに出場できなかったペイン・スチュワート(事故死)、2008年全米プロに出場できなかったタイガー・ウッズ(膝の故障)、2015年全英オープンに出場できなかったローリー・マキロイ(足の骨折)の4例しかなく、ミケルソンは5例目となった。

 ミケルソンは昨年大会を50歳にして制し、メジャー大会史上最年長優勝を達成。今年の大会には連覇がかかっていたが、今年2月に自身の発言が大騒動へ発展してからは戦線から離れ、姿をひそめている。最後にPGAツアーの大会に出場したのは、今年1月のファーマーズ・インシュアランス・オープンだった。

 そんな状況下でも、前年覇者およびPGAオブ・アメリカの生涯メンバーの資格で大会にエントリーし、先日発表された出場者リストには、タイガー・ウッズらとともにミケルソンの名前が載っていた。

 しかし、ミケルソンのエージェントは「必ずしも出場するという意味ではなく、すべての選択肢を準備しているだけ」という声明を出しており、実際に出場するかどうかは、ミケルソン本人がぎりぎりで決断するとしていた。

 その間、ミケルソンと数回話し合いをしたというPGAオブ・アメリカのCEO、セス・ウォウ氏は「フィルが出場すれば、会場はサーカスのようになる。メディアも取材に殺到し、嵐のような取材攻勢になる。それにフィルが耐えられるかどうかがカギになる。フィル自身もゴルフ界も、彼が戦線復帰する適切なタイミングを待っている状況だ」と米メディアに明かしていたが、最終的にミケルソン自身が、今回はそのタイミングではないと判断したと考えられる。

 ミケルソンは昨年11月に米国人ゴルフライターからインタビューを受けた際、PGAツアーやそのライバル的存在として創始されようとしているグレッグ・ノーマン率いる新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」、双方に対する侮蔑的な言葉を口にしており、その発言が今年2月、そのゴルフライターによって突然公表され、問題視されて、瞬く間にほぼすべてのスポンサー契約を失った。

 ノーマン率いるリブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズに対しては、ミケルソンは米欧ツアーの選手たちの中では最も積極的に傾倒し、他選手たちを新ツアー側へ勧誘もしていた。

 すでにリブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズの初戦にもエントリーしており、英メディアの報道によれば、同シリーズの年間8試合すべてに出場する契約も交わして、破格の前払い金も受け取っているという。

 しかし、それさえも「すべての選択肢を準備した」と考えることもできなくはなく、今後、ミケルソンがどの大会で戦線復帰するのかは、まったくわからない。

 PGAオブ・アメリカはミケルソンの出場辞退を受け、声明を発表。

「PGAオブ・アメリカはミケルソンの出場を歓迎したいと考えていた。ミケルソンと妻エイミーの幸せとフィルのゴルフへの復帰を祈っている」としている。