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サンデー・レッドシャツ姿で球を打ったタイガー・ウッズ、次なるアクションは?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

“タイガー・ウッズの大会”、ヒーロー・ワールドチャレンジ最終日。会場となったバハマのアルバニーGCの練習場には、この日もウッズが球を打つ姿が見られた。

今年2月の交通事故で右足に重傷を負い、その再起や復活が案じられていたウッズだが、大会ホストとしてやってきた今大会会場で、火曜日には会見に臨み、水曜日には3番ウッドをフルスイングで打つ姿を披露。世界中のファンを驚かせ、喜ばせた。

金曜日にはウエッジ、土曜日にはドライバーをフルスイングで打ち、「飛ばないけど、ドライバーが打てる。ゴルフバッグの中のどのクラブも打てる」と、ウッズ自身が着実な前進の喜びを噛み締めていた。

そして最終日。練習場に現れたウッズは、カモフラージュ柄のサンデー・レッドシャツに身を包み、さまざまなクラブで球を打った。ネクスト・ステップへ向けた調整を行なっている様子だった。

米メディアによれば、ウッズの練習をすぐそばで眺めていたギャラリーの幼い子どもは、初めて間近で見るウッズが「すごく背が高い」と目を丸くしながら驚いていたそうだ。

なるほど。交通事故後のウッズがリハビリのために戦線離脱して姿を見せなかった9か月の間にも、世界のあちらこちらで子どもたちが成長し、ジュニアゴルファーも日々、腕を上げている。未来ある子どもたちのためにも、ゴルフ界の永遠の王者であるウッズの存在はとても重要で、瀕死の状態からの復活を目指し、コツコツ努力するウッズの姿やそのプロセスは、子どもたちの目に触れてこそ、彼らの刺激になり、手本になり、意義があるのだと私は思う。

だからこそ、12月18日と19日にフロリダ州オーランドで開催される「親子の大会」、PNCチャンピオンシップにウッズが長男チャーリーくんと出場することが大いに期待される。大会側は、20組の出場枠のうちの1枠をウッズ父子のためにリザーブしており、あとはウッズの「出る」の一言を待つばかりだ。

昨年のPNCチャンピオンシップでは、ウッズとチャーリーくんがそっくりのスイング、そっくりの仕草で2日間36ホールを仲良く戦い、7位に入賞。11歳だったチャーリーくんが父親をリードしている感さえ見て取れた。

あれから1年。チャーリーくんは12歳になり、ゴルフの腕前も上がっているだろうから、回復途上のウッズをいたわりながら、昨年以上にリードしていくことは、きっと可能であろう。乗用カートでのプレーも許されること、「お楽しみ的な大会ならプレーできる」とウッズ自身が語っていることを考え合わせると、ウッズ父子が今年もPNCチャンピオンシップに出場する可能性は、どんどん高まって感じられている。

米メディアは、ウッズが出場するかどうかを数日以内に発表するだろうと見ている。次なるアクションに要注目。乞うご期待だ。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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