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タイガー・ウッズ、事故後、初めて明かした胸の内

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

今年2月の交通事故で右足に重傷を負って以来、初めてタイガー・ウッズが胸の内を明かした。米ゴルフダイジェスト誌のインタビューに答えたウッズは、「フルタイムでツアーに出ることは、もう決してない。でも年に数試合、選んで出場し、戦うことはできる。不幸な現実だけど、それが僕の現実だ」と語った。

ウッズは2017年に4度目の腰の手術を受けた後、長いリハビリ生活を経て、ようやくツアーに復帰。2018年の最終戦、ツアー選手権で5年ぶりの復活優勝を果たし、翌2019年4月のマスターズを制して完全復活。メジャー15勝目を挙げた。

同年10月には日本で開催されたZOZOチャンピオンシップで勝利を挙げ、米ツアー通算82勝目を達成して、サム・スニードの記録に並んだ。

その後は、さらなる記録更新が期待されていたが、2021年2月にロサンゼルス郊外で交通事故を起こし、現在もリハビリ生活を送っている。

そんな中、ウッズは今月22日に自身のスイング動画を交通事故後としては初めてツイッターで公開。

わずか1スイング、2~3秒の動画だったが、スムーズなスイングには「前進している」というメッセージも添えられ、復活への期待が膨らんだ矢先、今回のインタビューが報じられた。

「グレートな人生を送るために、必ずしも世界のベストプレーヤーを相手に戦う必要はない」

そう前置きした上でウッズは、4度目の腰の手術後の歩みを振り返りながら、こう語った。

「4度目の腰の手術後、僕はマウント・エベレストを登った。もう一度、登れるだけの肉体が僕に残されているとは思えない。でも、それはそれでいい。ゴルフをすることはできる。(右)足が大丈夫になれば、また試合に出ることはできる」

しかし、かつてのように年間を通じてのツアー参戦は、もはやできないと断言した。

「現実として、再びフルタイムでツアーに出ることは、もう決してない。でも、試合を選んで出ることはできる。かつてのベン・ホーガンがそうだったように、年に数試合、選んで出て戦うことはできる。それは、不幸な現実だけど、それが僕の現実。そう理解して、受け入れる」

フルタイムではなくても、ウッズの復活はきっとある。ウッズが戦う姿を再び見ることができる。それは、大きな朗報である。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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