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心を元気にしてくれる!?ウッズ回復を祈る米ツアー選手たちの「ちょっとした」取り組み

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

今週開催されている世界選手権シリーズのワークデー選手権の最終日に、何か面白いことが起こりそうだ。

交通事故で右脚に重傷を負ったタイガー・ウッズの回復に祈りを込めて、出場選手たちが「何か」をしようとしている。

たとえば、北アイルランド出身のローリー・マキロイは、ウッズの最終日の定番の装いである「サンデー・レッドシャツ&ブラックパンツ」姿で登場するつもりだという。

そして、米国のパトリック・リードも「もちろん僕もそうする!」と名乗りを上げている。

かつてウッズに憧れて育ったリードは、ジュニア時代も大学時代も、ずっとウッズの真似をしてレッドシャツ&ブラックパンツで試合を戦っていた。プロ入り後も最終日はその出で立ちだったのだが、2018年マスターズの際、「サンデー・レッドシャツはウッズのみに!」と両者の共通のウエア契約先であるナイキから"お願い"された模様で、あのときからリードは最終日に赤いシャツを着なくなり、あのマスターズではピンクのシャツで勝利した。

そんな経緯もあるのだが、リードは、そもそも赤いシャツが好きだったわけだし、今でも最終日以外では赤いシャツを着ても構わないわけだから、赤いシャツはたくさん持っている。

しかし、「赤いシャツと黒いパンツ」という上下のコーディネートを誰もが突然、用意できるとは限らない。で、その用意ができない選手は、明日の最終日に何か別のことをして、ウッズの回復を祈る気持ちを表現しようとしている様子なのだ。

それが「何」になるかは、まだわからないのだが、たとえば、ブリヂストンと契約しているブライソン・デシャンボーやジェイソン・デイ、マット・クーチャーは、「TIGER」と印字されているボールを同社からもらって、明日の最終日は、その「タイガー・ボール」でプレーするという。

男子ツアーのみならず、女子ツアーからも、同じような声が聞こえてきている。今週、50歳にして13年ぶりに米LPGAの大会、ゲインブリッジLPGAに出場しているかつての女王アニカ・ソレンスタムもレッド&ブラックを着る予定だそうだ。

そうなると、ソレンスタムに続いて、他の女子選手たちも「何か」をする、、、、かもしれない。

ウッズの報にゴルフ界全体の気持ちやムードが沈んでいる中、こういうユニークでポジティブな「ちょっとした」取り組みが、人々の心を、たとえほんの少しであっても元気にしてくれる。

明日の最終日、何が起こるのだろう――そう思えば、ちょっとだけワクワクしてきて楽しくなる。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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