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ついに米ゴルフ界から東京五輪辞退者。今後が心配される

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
DJは「出ない」と決め、他選手への影響が心配される(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

とうとう、辞退者が出た。「屈指の飛ばし屋」として知られる米国のダスティン・ジョンソンは現在、東京五輪の米国代表候補の3番手に付けており、出場資格獲得はほぼ間違いないのだが、ジョンソンは東京五輪には出場しない意志を明らかにした。ジョンソンのマネージャーが米ゴルフウィーク誌にEメールで答え、同誌が報じたのだが、ジョンソンは米国で出場資格を満たしている中で出場しないことを宣言した最初の選手となった。

欠場を決めた理由は過密日程だとされている。東京五輪は米ツアーのスケジュール上は全英オープン(7月16日~19日)とフェデックス・カップのプレーオフ・シリーズ(8月13日~30日)の間に位置しており、そのすべてをこなすことは難しいと考えるジョンソンは「全英オープンとプレーオフ・シリーズに集中したい」という理由で東京五輪には出ないことを決意したという。

ジョンソンとは親友でもあるブルックス・ケプカは、東京五輪に出ないと明言してはいないものの、メジャー4大会こそが自分のプライオリティであり、「僕は五輪を目指しながら大人になったわけじゃない。子供のころ、ゴルフは五輪には無かった。僕が目指すものの選択肢に五輪は無かったんだ」と語り、興味がないことを示唆しているため、今後、ケプカもジョンソンに続いて欠場を宣言するのではないかと米メディアは予想している。

想起されるのは4年前のリオ大会のときのこと。当時、現地で蔓延していたジカ熱の感染が懸念されたため、大会前から1人、また1人と辞退者が増え、連鎖的にどんどん拡大していった。今回、ジョンソンが掲げた欠場理由は日程的なことのみではあるが、連鎖反応の発端となる可能性は残念ながら大きいと言わざるを得ない。

米国代表枠は4名。ジョンソンが抜けることで、ケプカ、ジャスティン・トーマス、パトリック・カントレー、ウエブ・シンプソンが現在の候補となり、その後ろにパトリック・リード、そしてタイガー・ウッズが続いているが、今後の動向から目が離せない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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