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「タイガー・ウッズ始動」は朗報、全5週間の準備でZOZOチャンピオンシップに間に合う!? 

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
8月のBMW選手権終了後に左膝の手術を受けたタイガー・ウッズが復帰に向けて始動!(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 「タイガー・ウッズ、始動!」――ここ数日、そんなヘッドラインが米メディアのあちらこちらで踊っている。

 ウッズは何を始動したのか?それは、今年8月に5度目の膝の手術を受けて以来、ゴルフクラブを握っていなかったウッズが「練習を再開した」という意味である。

 それでは、何に向けての始動なのか?それは、日本で開催されるZOZOチャンピオンシップと、それに先立って行われるスキンズマッチ「ザ・チャレンジ」に向けて、ウッズが動き始めたという意味だ。

【すでに9ホール回った】

 ウッズは米ツアーの昨季の自身の全日程が終了した直後の8月に、左膝の軟骨の損傷部分を治療するための関節鏡視下手術を受けた。

 手術を担当した医師は、ウッズが左足を引きずるようにしながらプレーオフを含めた5日間を戦い抜いて勝利したあの2008年全米オープン直後に彼の左膝手術を行なったドクター・クーリーだ。

 ドクターいわく、「タイガーの完全治癒を目指し、今回の治療(手術)を行なったが、これ以上の問題は何もない」と、今後に関して太鼓判を押していた。ウッズ自身も「あと2、3週間のうちに練習を再開できると思っている。10月に日本に行ってプレーするのが楽しみだ」と語っていた。

 だが、その後、ウッズが練習を再開したという話は一向に出てこず、手術後の回復がおもわしくないのではないか、当初の予定より回復が遅れているのではないか等々、ウッズの足を心配する声が上がり、10月の来日を危ぶむ声も聞かれ始めていた。

 しかし、それは杞憂だったようで、ウッズは9月下旬にアマチュアゴルファー対象のゴルフ大会、第1回「ネクサスカップ」を開催すると、その2日後の27日には人気TVショー「グッド・モーニング・アメリカ」でインタビューに応えるなど、元気いっぱいの活動ぶりをアピールした。

 そのTVインタビューの中で、医師から許可が出て、すでに練習を再開していることを明かした。

「先週、ドクターから『もう練習していいよ』と言われ、すぐに9ホールを回った。(そのときは膝は)痛かったけど、徐々に良くなって、今は筋肉も体重も戻ってきている」

【準備期間は5週間】

 ウッズが13年ぶりに日本にやってきて、まず挑むのは、10月21日に開催されるスキンズマッチ、「ザ・チャレンジ:ジャパン・スキンズ」だ。

 ウッズ、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイ、松山英樹の4選手が高額賞金を賭けて1ホール1ホールを競い合うスキンズマッチは、米メディアの間では、かつて米国で20年以上行なわれていた「スキンズゲームの復活版、変形版」と言われており、それが今後、毎年の大会として定着していくかどうかが注目されている。

 そのスキンズマッチが終わると、24日からの4日間はZOZOチャンピオンシップに出場。日本の大勢のファンの前で熱いプレーを披露することが期待されている。

 初開催となる今年のウッズの出場や活躍が、大会の先行きに大きな影響をもたらすことは言うまでもなく、だからこそ「ウッズの始動」は朗報なのだ。

 ZOZOチャンピオンシップ後には、ヒーロー・ワールド・チャレンジ、そしてウッズが米国キャプテンを務めるプレジデンツカップも控えており、米国のゴルフファンにとっては、それらも含めて「ウッズの始動」は朗報である。

 練習再開から、ほぼ5週間後に日本でクラブを振ることになるウッズ。その5週間が、十分な準備期間になってくれることを期待したい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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