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Vol.08 歴史を塗り替えたラグビーNTTドコモ 改革の本丸は「チーム文化の醸成」にあり

福富信也東京電機大学理工学部/(株)ヒューマナジー代表取締役
写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ

今シーズン、NTTドコモレッドハリケーンズのチームアドバイザーをしております、福富信也です。

このコラムでは、チームワークの強化・チーム力の最大化、いわゆるチームビルディングという立場でレッドハリケーンズをサポートする私が、”チームがどのような課題に直面しているのか” “チーム内にどのようなリスクが潜んでいるのか”、そのうえで ”どのような改善策を処方したのか(するつもりか)” をわかりやすくご紹介しています。一般的には、技術・戦術・フィジカル的な要素がチーム強化につながる ”重要なファクター” だと認識されていますが、このコラムでは ”チームワーク” という側面からアプローチしていきます。

今シーズン始動時、チームは明確なシーズン目標として「TOP LEAGUE トップ8入り」を掲げていました。そして、レッドハリケーンズは、4月25日(日)のプレーオフトーナメント2回戦の Honda HEAT 戦に勝利し、見事その目標を達成しました。序盤から試合のペースを握れず、自陣インゴール付近での苦しい展開が続きましたが、そんな状況でも相手に流れを渡さなかった点が今シーズンのレッドハリケーンズらしさでした。前半26分のマカゾレ・マピンピ選手、前半39分のローレンス・エラスマス選手、後半17分のTJ・ペレナラ選手によるトライ、そして3本のコンバージョンキックを川向瑛選手がきっちりと決めて、21-13で勝利しました。

悲願達成です。サポーターの皆さん、本当におめでとうございます!

本当に強いチームは、流れが悪くても、耐え方を知っています。試合内容が悪くても、勝ち方を熟知しています。常勝チームになるためには、チームとして蓄積された経験値が欠かせません。今シーズン、たくさんの苦しい経験を積んでいることはチームにとって大きな強みと言えるでしょう。

選手・スタッフは、負けたら終わりという見えない不安やプレッシャーのある大一番で、チーム史上最高となるベスト8以上を確定させてくれました。レッドハリケーンズの歴史に新たな1ページを刻んだことは間違いありません。長く苦しんだ過去からの脱却のため、課題に目を背けず、下沖GMをはじめとしたフロントスタッフ、選手、コーチングスタッフ、メディカルスタッフなど、すべての関係者が情熱をもって本気で改革に取り組んだからこそ成し得たことです。「PLAY TO INSPIRE」「素敵な体験を届けること」を365日24時間意識してやり抜いたチームを、サポーターの皆さんにも誇りに思ってもらいたいです。ただし、1つの目標は達成したとは言え、まだまだ私たちは挑戦の途中です。

チーム史上最高位を確定させ、未知の領域への挑戦権を手にしたレッドハリケーンズ。ここから先はもう、失うものは何もありません。むしろ、得るものしかない戦いが待っています。今後の対戦相手は強豪揃いです。相手は、常勝が義務付けられているチームゆえのプレッシャーがあることでしょう。だからこそ、私たちはプレッシャーから解放され、無心で、楽しく、のびのびと、いま試合をしていることに幸せを感じながら戦うことが大切です。そういう心構えで試合に臨めば、間違いなく相手の脅威となることでしょう。

今後の試合はすべてが強豪との対戦となりますが、1試合でも多くこの最高の仲間と戦いたいという一心で毎日を過ごしています。皆さんの熱い声援が必要です。ぜひ、5月8日(土)トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦も応援よろしくお願いします。

## アドバイザー就任以来、私がこだわり続けたこと

写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ
写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ

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勝利を約束できるチームは世の中に1つも存在しません。

勝敗とは不思議なもので、気の緩みがあっても勝ててしまう試合もあれば、文句なしの内容だったとしても負けてしまう試合もあります。試合の勝敗は、自分たちではコントロールできない領域のできごとなのです。

だからこそ私たちは、『自分たち次第でコントロールできるコト』に全エネルギーを注ぎ込むことが必要なのです。

では、そのコントロールできることとは一体何なのか……

食事・睡眠・体のケアを怠らないこと、ミスを引きずらないこと、工夫をすること、仲間と丁寧なコミュニケーションを図ること、わからないことを曖昧にしないこと、日常から「ま、いっか」を排除すること…。つまり、勝利を追求する ”姿勢” において一切妥協しないこと、ここまでが私たちにコントロール可能なことなのです。

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上記の内容はミーティングの場で、私が繰り返しチームに伝えたことです。良く知られた言葉で表現するならば、「人事を尽くして天命を待つ」ということです。私がレッドハリケーンズのチームアドバイザーに就任したのが昨年12月。この半年弱の期間で、レッドハリケーンズの選手・チーム関係者にメッセージとして伝えたことは一貫しています。取り組む姿勢が重要であり、結果(勝敗)というのはその副産物に過ぎないということでした。チーム文化を醸成するためには、くどいと感じるほど一貫することが大切だと考えたからです。

「一貫する」に関連した余談ですが、レッドハリケーンズのチームアドバイザーに就任して以来、私は密かに貫いていることがあります。それは、チームに対して「勝つ」「勝利」という言葉を使ったことがないということです。これは私の個人的なこだわりにすぎませんが、この言葉を使わずしてチーム史上最高位の確定に至ったのはささやかな誇りです。

「この試合は絶対に勝て!」とか「勝つこと以外は考えるな!」などという指導者もいます。その必勝の信念がチームを強くするのだと思いますが、スタッフ全員がそうやって選手を煽ってしまってはよくないので、私のスタンスとしては「勝とうと思って勝てるチームは存在しない」「気負いすぎるとチームのバランスを欠く」「勝っておごらない、負けて落ち込まない」という価値観を貫き通し、勝ちたいという強い気持ちを「取り組む姿勢」に変換してほしいと伝えるようにしています。もちろん、私が勝利を軽視しているわけではなく、誰よりも勝利にこだわりたいからこそ、日々の取り組みにフォーカスしているのです。

ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチも、私との会話の中で「役割と責任を果たすことがとても重要」「全力を尽くした上での結果については受け入れる」というニュアンスを口にしていて、私と同じく、取り組む姿勢を重視するヘッドコーチだという印象を受けました。

## チームアドバイザーとしての私の使命

写真提供:高野大寿
写真提供:高野大寿

私はチームに関わり始めた当初から、永続的な「チーム文化」、言い換えれば「良き伝統」「チーム風土」を根付かせることが最終的な使命だと自覚して取り組んできました。スポット的ではなく、チームアドバイザーとしてシーズンを通じた関わりを求められたということは、「チーム文化」の醸成を期待されているのだと自覚していました。「チーム文化」という言葉は、コラムVol.1、Vol.2でもお伝えした「チーム理念」「チームスローガン」という言葉と同様、抽象度が高く理解が難しい上に、一朝一夕で作られるものでもありません。

そこでまず、「文化」という言葉の辞書的な意味を確認したいと思います。

文化(ぶんか)/ カルチャー

人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチャー。

民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものを意味する。

参照)

goo辞書|出典:デジタル大辞泉(小学館)※一部抜粋

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%96%87%E5%8C%96/

私の言う「文化」という言葉の意味については、辞書的な解釈と同義です。レッドハリケーンズというチームにおいて、世代を超えて伝承していく「価値観」「風土」「マインド」という言葉に置き換えることもできるかと思います。TJ・ペレナラという世界的名手の加入によって、一切妥協を許さない練習態度、レフェリーさえも味方につけてしまうコミュニケーション術、勝負どころを見抜き試合展開をコントロールする力、どんな状況でも試合を楽しみ笑顔を絶やさない姿など、様々な部分で影響を受け、チーム文化が芽生え始めているところです。

そのなかで、今シーズンの最重要テーマでもある「凡事徹底」は、まさにチーム文化の根幹を成す考え方です。ところが、過去7回の連載の中でまだ皆さんにお伝えしていない重要なことがありました。

凡事徹底の実現のためには、実はもう1つ欠かせない要素があるのです。それは「心の安全」という考え方です。まずは、このコラムでも初めて登場する「心の安全」というキーワードについて、少しご説明したいと思います。

繰り返しになりますが、「心の安全」とは、スポーツチーム、ビジネス問わず、チームがパフォーマンスを発揮していくうえで絶対に欠かせない重要な概念です。

「これを言ったら、人間関係にヒビが入ってしまうのでは……」

「馬鹿にされるかも……」

「陰口言われるかな……」

「評価を下げられたらどうしよう……」

「余計な言質を取られたら嫌だな……」

という心配のないチーム状態のことを指します。

例えば、「目標達成のために必要な提案をしたら、反逆行為という評価を下された」というようなできごとは、「心の安全」が担保されていない状態と言えます。もしチーム内でそのようなことが起これば、「口は禍の元」とばかりに皆が黙り込みます。皆が黙り込んだチームは一見静かで平和そうですが、それは「偽りの平和」に過ぎません。メンバーの心の中は疑問・迷い・不信感が拭えないままで、言いたいことが鬱積してストレスがたまり、人間関係やパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。

真のチームは、目的・目標達成のためにお互いの思っていることをきちんと発信し合うことができます。人それぞれ経験してきたことが違いますし、その人の置かれている立場によって、見え方は異なるはずです。同じ練習をしても、得るもの、感じ方は人それぞれです。

私たちは、幼少期から集団優先という価値観で育ってきました。なので、波風立たせないこと、つまりは自分の考えを押し殺すことこそがチームワーク行動だと信じてきました。そして皆と同じ考えでいることがチームへの忠誠心だと考えられてきました。

しかし、一方で「十人十色」とか「千差万別」ということわざがあるとおり、「人は皆違う」という当たり前の事実も存在します。感じ方が皆違うのに、意見さえも言えないジレンマでモヤモヤしていては、パフォーマンスは上がるはずもありません。

そこで、ここからは「違いを武器にする」「お互いの意見を出し合う」「納得解を導き出す」という考え方をお伝えしていきます。

## 議論のコツは、勝ち負けではなく“納得解”

写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ
写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ

ここで、皆さんにもぜひ考えていただきたいことがあります。

会社であなたはとあるプロジェクトのミーティングに参加しているとしましょう。

そこで、A氏が皆に対して自分の考えを発言しました。

すると、B氏がA氏とは異なる考えを提案しました。それを受けてA氏は・・・

①激高し、自分の正当性を強く主張するとともに、B氏の意見へのダメ出しを始めました。

②議論を避けるように自分の意見を引っ込め、B氏の意見に賛同しました。

これは架空の話ですが、このシチュエーションで、自分とは異なる意見を言われたA氏はどんな気持ちだったでしょうか。また、ミーティングに参加していたあなたは、この2人のやり取りを一体どのように感じたでしょうか。

①の場合、A氏としては、

「否定された」「プライドを傷つけられた」「人前で恥をかかされた」「個人攻撃された」など、様々なネガティブ感情が湧き出てきたのかもしれません。

そして、皆さんがミーティング参加者だったら、「あの2人はしばらく気まずい関係になりそうだな」「これから、あの2人がギクシャクしないといいな」という不安な気持ちになるかもしれません。

②の場合は、議論して気まずくなることを避け、偽りの平和(=表面的な平和)を優先したと考えられます。一見、平和に進みますが、A氏としてはB氏の意見に心から賛同しているわけではないので、プロジェクトへの情熱は湧かないことでしょう。

成長路線のチームの場合、誰かが自分と異なる意見を言ったとしても「否定された」という被害妄想を抱きません。十人十色、千差万別という言葉のとおり、「みんな違って当然」というマインドなのです。そして、意見の食い違いを人間関係にまで引きずりません。「皆違う」という極めて当たり前なことを理解しているからこそ、深く理解し合うために(表面的ではなく)腹を割ったコミュニケーションを取ろうとします。相手の主張を表面的に捉えず、「あなたは、なぜそう感じたのか」という背景に関心をもちます。そして、相手を深く理解したうえで、両者納得の第3案=「納得解」を見つけ出そうとすることが真のコミュニケーションなのです。

私たちは、議論の中で勝ち負けを意識してしまいます。反対意見が出てきたら、「絶対に負けまい」と攻撃的になる人がいる一方で、黙り込むことでその場を収めようとする人もいます。

しかし考えてみてください。仮に、正論を振りかざして議論に勝ったとしても、仲間が嫌な感情を抱いたとしたら、身内に敵を増やしただけになってしまいます。議論に勝とうとすることは人間関係を捨てることを意味します。ましてや、議論をしている相手はチームメイトです。身内で不毛な消耗戦をしていては、対戦相手に勝てるはずもありません。議論に勝とうとするのではなく、相手を理解し、どちらの意見も取り入れた、両者納得の第3案=「納得解」を導き出すことが重要なのです。これは単なる妥協とは大きく異なります。納得解とは、両者の意見が化学反応を起こして、よりクリエイティブで納得度の高い解のことを指します。

そのようにして、全員の意見が大切にされていて、安心して議論できるチーム状態を私は「心の安全」と呼んでいるのです。

コラムVol.5で「紅白戦のハーフタイムは、相手チームに対してアドバイスを送る時間」という話をお伝えしましたが、まさにそれは選手同士がフラットな関係で「心の安全」が担保されているからこそできることなのです。今回のコラム冒頭に、凡事徹底の実現のためには、「心の安全」は必要な要素、と書きました。

なぜなら、凡事徹底とは「誰でも知っているような極めて当たり前のことだからこそ、指摘し合うのが難しい」という特徴があります。凡事を指摘されると、「そんなこと、いちいち言われなくても分かってるよ!」「お前だってできていないだろ!」という感情論になりがちで、その衝突を避けるため、手っ取り早く「偽りの平和」へと進んでしまう危険性があるのです。

凡事徹底の実現には、誰でも知っている当たり前なことでさえも、妥協をせずに指摘し合える関係性=心の安全が必要なのです。

「心の安全」が担保されていないチームは、発言することをリスクだと捉えます。白い目で見られたり、責任を負わされたり、陰口を言われたりするくらいなら黙っていた方が身のためだと思い、誰も本音を言わなくなるのです。それを世間一般では「風通しの悪い組織」と呼んでいます。これは企業も同じことだと思います。

## 偽りの平和と真の平和

写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ
写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ

私はスポーツチームや企業のチームビルディング指導を行う際、「偽りの平和」と「真の平和」という言葉をよく使います。

先述のとおり、「偽りの平和」というのは、意見の衝突や食い違いを恐れて黙り込む状態のことです。表面的には問題がなさそうに見えますが、各自が身を守るために黙っているだけの状態です。変な言質を取られまいと、仲間にさえ警戒心をもつこともあります。思うことがあっても言わないという選択は、その場をしのぐには有効ですが、根本的な問題解決につながらないだけでなく、時間の経過とともに事態を深刻化させていきます。最終的にはこんがらがった糸玉のように問題が複雑化し、チームは空中分解していきます。お互いのリスペクトを大前提としつつ、本音で「厳しい対話」に向き合うチームこそ成長を加速させていくのです。

スポーツでは、連勝している時はとても良い雰囲気ですが、連敗すると黙り込んで雰囲気が悪くなってしまうチームがとても多い気がします。勇気をふり絞って問題点を切り出すことで、「誰かを個人攻撃したと思われてしまうのではないか」「自分のことを棚に上げていると思われないか」など、他者の目が気になるのでしょう。本音を言い合うことは「コントロール可能なコト」の1つです。

「チームメイトの発言を悪意として受け取らない」

チームにそんな約束を取り付け、「心の安全」を担保することは私の重要な仕事です。その場しのぎの「偽りの平和」を繰り返すと、その代償は計り知れないものとなるでしょう。

一方の「真の平和」とは、人は「皆違う」という極めて当たり前のことを全員が理解し、意見の食い違いを否定しません。小さな意見衝突は日常の風景として存在し、それが表面化しています。チームのいたるところで議論が行われている状態です。意見の食い違った両者が、両者納得の第3案=納得解を生み出すため、精力的にコミュニケーションを図ります。練習中のちょっとしたモヤモヤ、疑問、迷い、違和感を率直に投げかけ、皆で議論し、納得解を導き出すことの繰り返しが、華麗で感動的な連係プレーを生み出すのです。

## 同じピッチにいても見えている景色は異なる

筆者提供
筆者提供

ラグビーにおいて、正解は1つとは限りません。1人1人が見たもの、感じたこと、すべてが大切にされてこそ、正しく全体像が把握できます。「偽りの平和」で黙り込んでいては、重要な情報が欠損した状態でプレーしていることになります。それでは納得解を導き出すことはできません。

私の専門であるサッカーを例にご説明します。

上の図は、サッカーのピッチを表し、試合中の1シーンを切り取っています。黒チームの選手が、青チームを相手に試合をしています。

現在、黒チームのD選手がボールを保持しています(赤の点線)。D選手は、目の前にいる相手とボールの両方に釘付けのため、おのずと視野は狭くなります。

D選手をサポートするE選手も、近くに相手が密集しているため、D選手ほどではないにせよ、視野はあまり広くありません。しかし、D選手とは異なる視野を確保できています。

F選手やG選手はそれぞれ独自の視野を確保できていて、周囲に相手がいないため遠くまで見通せています。

ポジションによる視野の違いを生かし、仲間の見えていない情報をサポートすることは、技術やフィジカルに関係ないため、「心の安全」が担保されていれば誰でもできることです。

機能しているチームでは、立場や状況の異なる人たちが、それぞれの見たもの、感じたことをオープンにし合うことで補完関係を成立させています。視野が広いことは優れた選手の条件ですが、360度を常に把握することは不可能なのです。

今回はサッカーを例にご説明しましたが、もちろんラグビーでも同様です。同じ1つのシーンを切り取っても、チャンスと感じる選手もいれば、ピンチを予測する選手もいることでしょう。置かれている立場、心境、視野、視座、視点が異なれば、すべてが大切な情報になるのです。より正確に全体像を把握しなければ、納得解には辿り着けません。だからこそ、皆が口を開くこと(=コミュニケーションを図ること)が大切なのです。

ベンチから感じた控え選手の意見を軽視するようでは、強いチームは構築できないのです。すべてのチームメイトをリスペクトし、「心の安全」を担保することでチームが活性化していくことでしょう。

## 最高のパフォーマンスのためには「心の安全」が不可欠!

写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ
写真提供:NTTドコモレッドハリケーンズ

今回のコラムは以上となります。

シーズンも最終盤に差し掛かり、ノックアウト形式のプレーオフトーナメントでベスト8が出揃いました。次の対戦相手であるトヨタ自動車は、リーグ戦レッドカンファレンスを6勝1敗、サントリーサンゴリアスに次ぐ2位という強豪です。

勝敗はもちろん大切ですが、私の使命は、レッドハリケーンズが永続的に発展するための「チーム文化」を構築することです。チームの根幹である「心の安全」と「凡事徹底」という価値観を、世代を超えて伝承していけるよう、まだまだ頑張ります。

きっと、5月8日(土)のトヨタ自動車戦も80分間手に汗握る闘いとなるはずです。

熱い声援をどうぞ宜しくお願いいたします。

東京電機大学理工学部/(株)ヒューマナジー代表取締役

横浜F・マリノスコーチを経て、現在は東京電機大学理工学部の教員。 Jリーグ監督に必要なS級ライセンス講習会の講師を務める。2016-17年北海道コンサドーレ札幌(J2優勝、J1昇格)、2018-19年ヴィッセル神戸(天皇杯優勝)、2020-21年ラグビーNTTdocomo(リーグワン参入)、2022-23藤枝MYFC(J2初昇格)、2024年からはFC東京のアドバイザーに就任。 スポーツチームのみならず、大企業から中小企業まで研修実績多数。その他、講演・メディア出演・雑誌連載など。著書→脱トップダウン思考(2019)、チームワークの強化書(2022)など。(株)ヒューマナジー代表取締役。

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