サブスク時代の新世代バンドHi Cheers!が生み出す、メンバー全員が歌い作り奏でる最旬ポップス

Hi Cheers! / photo by A-Sketch

音楽ストリーミング時代の次世代バンド、Hi Cheers!(ハイチーズ)が生み出す楽曲を日々リピートしている。9月18日にリリースされた1st EP『ソーダ水はたいへん気持ちのよいものでした。』は、80’sセンス溢れるシティポップ、歌謡ポップかつ渋谷系テイストを感じさせる爽快さが絶妙だ。

本作を聴いているとふと、80年代末に結成された初期フリッパーズ・ギターを思い出した。20年数年前、小山田圭吾(Cornelius)と小沢健二が在籍したバンドだ。当初は5人組で、1989年メジャー1作目としてアルバム『three cheers for our side~海へ行くつもりじゃなかった』をリリースした。洋楽を中心に、耳に残るポップセンスを自分たちなりに翻訳&編集して届けてくれた要素など、Hi Cheers!にも近いものを感じたのだ。

そして、時代的な変化なのかHi Cheers!はより真っ直ぐに”海へ向かってたどり着いた”感じのするストレートなサウンドを届けてくれた。すでにティーンエイジャーのファンからの人気も高い。自分たちなりのフィルターを通じて2020年という複雑な時代を、ポップを羅針盤に闊歩するかのように、だ。

バンドコンセプトは“Show me your smile”。明るく楽しく時には悲しく切ないことすら軽快に鳴らし、リスナーを笑顔に、元気に、応援するという想いが込められている。アーティスト写真でメンバーがカメラを抱えていたのは、そんな考えのあらわれのようだ。

Chie、高村風太、上野正明、月川玲 / photo by A-Sketch
Chie、高村風太、上野正明、月川玲 / photo by A-Sketch

そう、カメラは僕らリスナー側に向いている。今後、たくさんの思い出をHi Cheers!は音楽によって記録してくれることだろう。

Hi Cheers!のメンバー4人は、もともとそれぞれがシンガーソングライターの経歴を持つ。ゆえに、他バンドではみられないコーラスワークが特徴的だ。そんな意味では、Little Glee Monsterだってある種ベンチマークとなるのかもしれない。楽曲クオリティで言えばOfficial髭男dism以降という、より練られたJ-POPセンスを持ち合わせている。メンバーそれぞれが曲を作り、歌い、楽器を担当するというまさにハイスペックな新世代バンドなのだ。

先行配信曲は動画とともにYouTubeにてアップされ、EP『ソーダ水はたいへん気持ちのよいものでした。』全曲が、Spotify、Apple Music、LINE MUSIC、AWAなど、サブスクこと各種ストリーミング&ダウンロードサービスで配信されている。

メンバーによる全曲解説コメントを読みながら聴くと、Hi Cheers!が解き放つポップセンスの楽しさ、そしてメンバーのキャッチーな、そしていい意味でマニアックな音楽愛に溢れるキャラクターが伝わることだろう。

メンバーによる全曲解説:1st EP『ソーダ水はたいへん気持ちのよいものでした。』Hi Cheers!

1曲目. ABCがわからない(Vo. 高村風太)

「このご時世ごちゃごちゃしてるじゃないですか? 歌詞ではそんな気持ちを爆発させた感じです。音楽的には、ラテンというかトリニダード・トバゴ? ソカのリズムをやってみたくて。」(高村風太:vo/key)

「“ABC”とはモノゴトの順番、プライオリティーのことを言っていますね。自信を与えてくれるポップな曲です。」(上野正明:vo/gt)

「キャッチーなんですけど、ちょっとした皮肉めいた歌詞がまたいいんですよ。好きですね。」(Chie:vo/gt)

「歌詞で答えを聞き手に任せているところが素敵だなって。良いのではと思います(笑)」(月川玲:vo/ba)

2曲目.(not)just for show(Vo. 高村風太 & 月川玲)

「洋楽のオマージュをいっぱい入れてます。R&Bとかけっこう大味ですね。ディスコに寄せて踊れる曲にしました。」(高村風太:vo/key)

「この曲の自然な転調の使い方がよくって。男女のツインボーカルっぽさがまた好きですね。」(上野正明:vo/gt)

「仮歌がボーカロイドだったんですよ。二人の声が入ってから特に好きになりましたね。掛け合いがいいんですよ。」(Chie:vo/gt)

「楽曲としては、今回のEPの中で一番好きかも。ベースを弾いていて楽しいんですよ。ボーカルは元気に張って歌いました。ストレートにシンプルです。」(月川玲:vo/ba)

3曲目. 親愛なる遠い君へ(Vo. Chie & 月川玲)

「仮タイトルは『City of Love』でした。ブラコン(※音楽ジャンル用語。アーバン・コンテンポラリーとも呼ばれる)でマイケル・ジャクソンみたいな曲にしたくて80年代サウンドを意識しましたね。」(高村風太:vo/key)

「ふだん言葉遊び感覚で歌詞を書くことが多いので、苦戦しました。中1ぐらいの頃に亡くなった同級生がいて、その子に向けた曲なんです。あと、ベースがシンセベースとフレットレスのダブルなところにはこだわりました。」(月川玲:vo/ba)

「この曲は、歌で主線を担当していて。普段、バラードに携わることがないんですよ。歌に関しても自分なりに研究して大事に向き合った曲です。」(Chie:vo/gt)

「僕はブラコンや都会が好きなので、渋谷の夜の街を感じられるこの曲は好きですね。ギターもソロフレーズはジャジーな感じにしてみました。」(上野正明:vo/gt)

4曲目. 恋はケ・セラ・セラ(Vo. 高村風太)

「リゾートポップを作ってみたかったんです。海に行くときにかける曲にしたくて、この曲を作っていた時は、アヴェレイジ・ホワイト・バンドとか聴いてました。」(高村風太:vo/key)

「風太が18歳の頃に作った曲なんですよ。サックスとかウインドシンセが入って、どんどん良くなっていきましたね。前身バンド時代に一度ライブでやったことがありました。」(上野正明:vo/gt)

「もともと後半はインストみが強かったんですよ。その後Dメロが出来て変わって。私はもともとアコギだったので、頑張ってエレキで弾きました。勉強になった曲です。」(Chie:vo/gt)

「レコーディングの時に生ドラムとか生楽器がいろいろ入って楽しくなりましたね。ちなみに好きなドラマーは、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムです。」(月川玲:vo/ba)

5曲目. 陳腐なラブソングのせいにして(Vo. 高村風太)

「僕が曲の大元を作って、風太がDメロやアレンジ、そして歌詞を付けてくれました。」(上野正明:vo/gt)

「コード進行にこだわりました。イメージは、ロックンルロールな軽音楽部風なんです。いわゆるAメロサビみたいな展開だったのでコードで遊んでいます。歌詞は尖らせてみようって感じで。」(高村風太:vo/key)

「ライブでは元気一杯にやりたい曲ですね。」(Chie:vo/gt)

「ですね。弾いていて楽しい楽曲でした。」(月川玲:vo/ba)

6曲目. ABCがわからない_The 4 Tones Edit.(Vo. 上野正明&高村風太&Chie&月川玲)

「1曲目『ABCがわからない』のメンバー4人でのボーカル・ヴァージョンです。もともと4人で歌う想定でメロディーを書いていました。なのでサビで上がるはずの転調が半音下がっていたりするんです。全員のボーカルのレンジを考えたときに、みんなが美味しいキーじゃないとなって。Aメロの刻んでいくようなメロディーは女の子が歌ったら面白いだろうなってのと、Bメロでちょっと下がるところは上野さんの声ではめたらサビへの持っていきかたとしてワクワクできるかなって。なので、Hi Cheers!の強みでもある4人ヴァージョンも聴いてみてください。」(高村風太:vo/key)

Hi Cheers! オフィシャルサイト

https://hi-cheers-official.com