Official髭男dism、サウンドの魅力を浮き彫りにするインスト版の魅力とは?

Official髭男dism Photo by ポニーキャニオン
Official髭男dism Photo by ポニーキャニオン

●いつもの楽曲とは角度の違う聴き方を楽しめるメリット

6月26日に配信リリースした、Official髭男dismのインストゥルメンタル・アルバム『Traveler-Instrumentals-』が話題になっている。昨年10月にリリースし、ロングセラーを続けるメジャー1stアルバム『Traveler』からボーカル藤原聡の歌声をあえて削ぐことで、バックトラックのみのインスト・ヴァージョンにした1枚だ。

▼Listen&DL

https://hgdn.lnk.to/TravelerInst

ストリーミング・サービス全盛時代、メジャーもインディーズもフラットに音源をリスナーに届けられるリリース過多な状況の中、次作をリリースするまでの間にインスト・ヴァージョンを楽しむことでよりヒゲダンの音楽表現の深みを知って欲しいというメッセージが受け取れる。いわゆるファンとのエンゲージメントの強化だ。ストリーミング時代、新規リリースを行うにあたり物理的な流通やパッケージコストを気にせずに提供できるメリットがある。

そもそも、インスト版といえば、かつてはコアファン向けのアイテムだった。しかし、今やSpotify、Apple Music、LINE MUSIC、YouTube MUSICなど、気軽にリスニングをお試しできる時代。仕事で集中したいときやエクササイズ、食事中、バスタイム、眠れない夜など、インスト音楽の需要が高まっている背景に注目したい。もちろん、ファンとしてはいつもの楽曲とは角度の違う聴き方を楽しめるメリットがある。公式音源でカラオケを歌えるのも嬉しい。

たとえば、他にもONE OK ROCK、King GnuやSEKAI NO OWARIなどサウンド面にこだわりを持つアーティストのインスト・ヴァージョンがあったら聴いてみたい。そう思わせるほどに、音楽ファンにとってインスト版は新たな音楽の楽しみ方を教えてくれるアイテムになりそうだ。

●『関ジャム 完全燃SHOW』の影響で楽器のフレーズにスポットが当たる

ヒゲダン、ヴォーカリスト 藤原聡はインスト版についてこう発言する。

チャート愛好家によるブログ『face it』では、

近年は『関ジャム 完全燃SHOW』の影響で楽器のフレーズにスポットが当たることが増えています。Official髭男dism「Pretender」は昨年の年間ベストに選出され、最近の放送ではギタープレイの格好良さも紹介されています。曲を多面的に聴いて楽しむという見方がこの番組で生まれていることから、インスト版の存在はそのこだわりをさらに楽しむ上で有効ではないでしょうか。

出典:face it

と分析されている。

番組では、蔦谷好位置など著名音楽プロデューサーが楽器の演奏面やコードへのこだわりさなどに着目し、音楽理論に興味のなかったリスナーにもわかりやすく解説してくれている。そんな音楽表現の楽しさをインスト・ヴァージョンに触れることで追体験ができるのかもしれない。

●小難しさは感じさせずあくまでもキャッチー

ヒゲダンは、洋楽的要素もある計算されたアレンジを持つバンドだ。しかし、小難しさは感じさせずあくまでもキャッチーなメロディアスな魅力が彼ららしさである。アルバムでは日本有数のサウンドエンジニア 小森雅仁、井上うに、The Anticipation Illicit Tsuboiや、蔦谷好位置など豪華サポートミュージシャン含め、様々な楽器が織りなす多彩なアンサンブルが心地いい。一音一音に耳を傾けることで、快楽ポイントの高いサウンドの決めどころがより浮き彫りとなる。

注目したいのが緩急ある展開、初夏の爽やかな風のような弦楽器によるフレーズが心地良い「イエスタデイ」、どこかしらゲームミュージックのような楽しげなサウンド感がアッパーな「Amazing」、せつなさを痛快に突き抜けていく「バッドフォーミー」など聴きどころいっぱいの名曲たち。なかでも、ホーンのカウンターメロディが印象的な「宿命」では、Bメロでディミニッシュ・コードを用いることで響き渡る神々しい音の調べに耳を傾けたい。

音の調べに耳を傾けたい。2019年の邦楽シーンを語る上で絶対に外せない国民的ヒット曲「Pretender」では、あえて自分たちのルーツではない翳りあるUKサウンドを取り入れ感情の揺らぎを表現しているのだが、SE的に空間を柔らかに照らすシンセサウンドが効果的に機能していることがわかる。

●豪華タイアップ含む4曲を『HELLO EP』としてリリース

なお、ヒゲダンは8月5日、フジテレビ系『めざましテレビ』の新テーマソングに起用された「HELLO」、映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』主題歌「Laughter」(7月10日先行配信)、2020年「カルピスウォーター」CMソング「パラボラ」、「夏模様の猫」の4曲を『HELLO EP』としてリリースする。

CD+DVD盤には2019年~2020年に開催された『Official髭男dism Tour 19/20-Hall Travelers-』から、2020年2月10日に開催されたパシフィコ横浜のライブ映像をメジャー1stアルバム『Traveler』の楽曲を中心に全10曲を収録。オリジナルアルバムとは違ったライブアレンジなので、本作インスト・ヴァージョンの演奏と聴き比べるのも楽しいかもしれない。

Official髭男dism公式サイト

https://higedan.com