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【2018年注目ニューカマー】ピアノSSW系エンターテイナー、ましのみ

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
ましのみ(写真提供:ポニーキャニオン)

●プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』で注目の新しい才能、ましのみ

音楽コンシェルジュのふくりゅうです。

世界最大級のストリーミング・サービス、Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』の選曲を担当をしてます。

いわゆる、どんなジャンルにも存在する“キラキラポップ”なサウンドを解き放つ、心踊るポップでキャッチーなナンバーをひとつのプレイリストにキュレーションしております。

Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』
Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』

毎週50曲を選ぶために、たくさんの楽曲を“キラキラポップ”視点で選曲をしているのですが、誤解を恐れずに言えば、プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』での選曲キュレーションのコンセプトは、かつて80年代に流行ったカセットテープにおけるお好みテープのような感覚ではなく、完全にラジオなど放送局気分でのセレクト感覚だったりします。海外では、ラップ・ミュージック・シーンを牽引する800万人のフォロワーを誇るSpotify公式の人気プレイリスト『RapCaviar』など、プレイリストを通じて新しい音楽の届け方、メディアのあり方を提案するという成功事例も誕生しています。

『キラキラポップ:ジャパン』として毎週50曲を選曲していると、どんなニューカマー・アーティストが注目を集めているか、今後、どんなアーティストが注目されているかが見えてきました。

というわけで今回紹介したい新しい才能が、今年2月にメジャー・デビューした“ましのみ”です。キーボード弾き語りスタイルで活動している女性シンガー・ソングライターであり、データを見ていると『キラキラポップ:ジャパン』リスナーからの注目度の高さを感じられる気鋭のニューカマーなのです。

アルバム『ぺっとぼとリテラシー』(写真提供:ポニーキャニオン)
アルバム『ぺっとぼとリテラシー』(写真提供:ポニーキャニオン)

●タイトル・センスも濃い「プチョヘンザしちゃだめ」、「ナンセンスに逆戻り」に注目

まず、流麗なるメロディー展開と絡み合うキュートな歌声に乗せて歌われる不可思議ポップな歌詞の魅力。とあるライブを客席から見ていた状況を、自身の経験と織り交ぜつつ重ね合わせた代表曲「プチョヘンザしちゃだめ」を聴いてみてください。

ヤマハ・グループが開催する日本最大規模の音楽コンテスト『Music Revolution 第10回 東日本ファイナル』で約3,000組の中からグランプリを獲得した逸材である彼女。そんな現役大学生である“ましのみ”が、2018年2月7日メジャー・デビュー・アルバム『ぺっとぼとリテラシー』をリリースしました。

これがまた超絶ポップな作品集であり、デジタル化したアレンジも秀逸なポップセンスの高さに驚愕。時代感ある歌詞の言葉選びのセンス、ストーリーテイリングの構築の仕方が天才的。なんか、めっちゃルンルンしながら曲を作っていそうなイメージ。まさに、革新的なエンターテイナーの誕生だと思いました。早速、直接本人にお話を伺ってきました。

「曲を作ってる時はルンルンしてる感じではないんですよ(笑)。完成してライブで演奏してるのは楽しいですけどね。けっこう考えながら曲を作っているので、最終的に悲しい曲やそんなテーマになることも多いんです。でも、アレンジが入るとどんな曲でもポップになりますね。歌詞も時代感とか意識している感じでもないんですよ。私なりの言葉遣いを意識した歌詞にはしようと思っていて。決まり文句みたいなヤツを入れても私の曲じゃなくなってしまうと思うので、自分なりの言い回しにこだわっています。もともと、音楽をそんなに聴いてはなかったんです。なのですが、子供の頃から歌う人には憧れていました。成長するに連れてそんな夢をいつの日か封じ込めていて、3年前に大学に入学するにあたって、ふと思い出したんです。大学への進学が決まったタイミングで、親に内緒で曲作りをはじめて音楽活動をスタートして(苦笑)。ただ、弾き語りの世界観ですべてを届けたいっていうタイプではなかったので、今回メジャー・デビューにあたってはアレンジャーの方と一緒に、エレクトロな要素で編曲できたのは嬉しかったですね。そもそも、弾き語りの女性シンガー・ソングライターっていっぱいいるんですよ。なので、差別化しなきゃ生き残れないなって思いも強くありました。まだまだやりながら曲をどうやったら良くしていけるかを勉強してますね。長く続けていきたいんです。」

いやぁ、早口で喋ること喋ること。頭の回転の速さ、コミュニケーション能力の高さを伺い知れました。さらに『キラキラポップ:ジャパン』で人気だったナンバーといえば「ナンセンスに逆戻り」がひねくれポップ最高潮のおすすめチューン。

「これはですね、あまり言ってないんですけど……。2個ベクトルがあって、アルバムを作っている段階で最後の方の曲だったんです。そこで、ひとつはピアノを軸に生かした曲にしたかったのと、変な効果音、音程のない音は耳を持っていかれるので好きだったんです。アレンジも、ただかっこいいだけのアレンジは嫌で。どこかフックのある引っかかる音を入れることで歌詞まで到達してほしいと思っていました。もうひとつは、数少ない大学の友人とご飯に行った時に恋愛の話をして考えることがあったんです。私の年代って、依存と執着の狭間で恋愛している女子が多いなと思って。それを乗り越えようとしてる子ってしんどい気持ちだと思うんですね。そこで、『ナンセンスに逆戻り』はそんな子が聴いて共感しつつも、アップテンポで明るい曲調なので楽になってくれたらいいなと思って作った曲なんです。実は、私の曲って暗い歌詞の曲が多いんですよ。それこそ、自分が暗い気持ちの時にあからさまに明るいポップソングって聴けないんですよね。でも、歌詞が気持ちに寄り添ってくれるようなものであれば聴けるんです。なので、歌詞は暗いけど曲調はとってもポップにアップテンポなアレンジで。そんな曲を聴くと、ちょっと心が楽になる経験が私自身にもあるんですね。」

わぁ、めっちゃ考えてるこの子。これって“ましのみ”ワールドの根本の秘密でもありますよね。うん、これは気持ちを揺さぶるし、刺さるわぁ。

●寸劇にも注目!? 初のワンマン・ライブを今週末開催!

そんな、キュートな顔して奇才シンガー・ソングライターである“ましのみ”ですが、明日3月11日(日)17時から、Shibuya WWW Xにてワンマン・ライヴ『ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~vol.1』を開催。当日券も発売されるそうです。彼女のライブは楽曲の素晴らしさはもちろん、寸劇があったり、ラップ!?コーナーがあるなど、独自のエンタメ感満載。意気込みを聞いてみました。

「ライブって日々の遊びの延長線上ではあるんですが、今回しかやらないことをやろうと思っています。実は、小さい頃にぬいぐるみ遊びにハマらなかったこともあって、19歳ぐらいで唐突にハマったんです(笑)。ライブでやっていることって、その延長線上なんですよ。楽しんでほしいのでいろんなことにこだわって構成など全部考えています。お客さんが会場に到着して帰るまでにいろんな角度から、私のメッセージを受け取ってほしいなと思っています。ディズニーランドみたいに、行っている時に楽しかった余韻で、その後の日々も楽しくなるみたいなエンターテインメントを届けたいと思っています。ぜひ、遊びにいらしてください!」

以上、Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』注目の、ピアノSSW系エンターテイナー、“ましのみ”でした。

<Infomation>

【タイトル】ましのみデビュー記念ライブ『ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~vol.1」』

【日程】2018年3月11日(日)

【開場/開演】16:00/17:00

【会場】Shibuya WWWX

【チケット料金】前売り¥3,500(税込:D別)

※学生は500円キャッシュバック(当日、学生証をご提示ください)

https://mashinomi.com/

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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