圧倒的な歌唱力を持つ歌姫、菜々香。コーラス・グループ BRIGHTからのひとりだち

菜々香

歌がうまくてもなかなか売れないというジレンマ。日本の音楽シーンが抱える問題のひとつだ。2010年代に女子グループ時代が到来し、E-Girls やLittle Glee Monsterが結成された以前、2008年にシングル「ソライロ」でデビューした、関西出身の女子4人組コーラス・グループ BRIGHTを覚えているリスナーは目(耳)利きな音楽ファンだと思う。

なかでも、途中加入しメインボーカルを担当したNANAKA=菜々香(1992年生)の歌唱力はズバ抜けていた。映画『ドリームガールズ』を彷彿とさせるコーラスワークや、その歌声は、洋楽好き音楽ファンをも魅了していた才能だ。

しかし、BRIGHTは海外メディアからの注目も高かったが商業的に成功することはできなかった。そんな菜々香が、2013年のグループ解散後に上京して再始動、2016年12月21日に菜々香として「days」を配信限定でiTunesとレコチョクからリリースした。

敢えてであろう、本人作詞曲でこれまでの葛藤と希望を描いた物語性あるナンバー。しかし、彼女ほどの歌唱力を考えれば、シンガー・ソングライター的な方向性だけではなく、より戦略的な楽曲提供やコー・ライティング(共作)、時代性ともリンクするアップデートされたサウンド感への期待感が高まった。たとえるなら、世界的に注目される新鋭ヘイリー・スタインフェルド的なオンタイムな世界観を持つナンバーなど、聴いてみたいと思ったのだ。

2016年、SMAPの解散問題など、長く続いた平成的な感性である“仲間と絆の時代”に、“昭和的な組織論”が混ざり込むことによって、“東京オリンピック問題や豊洲移転問題”とも通じる“なんとも言えないモヤモヤとした時代感”が続く年の瀬。

そんな時代に、必要なのは圧倒的に突き抜けた新時代を感じさせるプロフェッショナルな才能だと思う。エンタテインメントに求められているのは、すべてをひっくり返すパワーだ。時代を写し出す鏡であるポップミュージックは、いつだって歴史を塗り替え続けてきたのだ。

海外から支持されながら惜しくも解散したBRIGHTからひとりだちして、新たな一歩を踏み出した圧倒的な歌唱力を持つ歌姫、菜々香の2017年の活躍に注目したいと思う。

菜々香 オフィシャル・インスタグラム

https://www.instagram.com/7.na_na_ka/