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Spotify日本版ローンチを待たずして、沖縄市と新プロジェクト開始へ

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
『Spotify Workshop Party』

●なぜSpotifyが待望されるのか?●

いま世界でもっとも注目されている音楽サービス、Spotify。

Spotify
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Spotifyとは、スウェーデンではじまり世界57カ国で展開される、自分の好みな音楽と出会えるミュージック・ディスカバリー(音楽発見)な仕組みをもつ、音楽ストリーミング・サービスだ。

【Spotify成功の秘密】

Spotify
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Spotify成功の秘密は、FACEBOOKなどSNSとの相性がよく、ユーザーにとって音楽がソーシャルなコミュニケーション・ツールになることだろう。たとえば音楽が飲み会で主役となる「あの曲聴いた?」的感覚のデジタル版といえばわかりやすいだろうか。

さらに、ビジネスモデルに無料会員でもサービスを楽しめるフリーミアム(無料会員から有料会員への移行率が高いのも特徴)を採用した事から、簡単な登録をすれば瞬時に2,000万曲にアクセス可能である利便性の高さや、ストリーミング・サービスながらストリーミングであることを意識させない、ダウンロード音源と変わらない、クリック後の再生までのスピードの速さなどが評価されている。

もっとも注目すべきは世界各地で音楽ファンを増やし、結果を出しつつあることだ。ユーザーが楽曲を聴くたびに権利者に使用料が会員費や広告費から支払いされるビジネスモデルの起用が興味深い。なお、アーティストに支払われた金額は、2013年単体で500億円。累計で1,000億円を超えるという。広告費や会員数が増え続けている2014年は、さらなる伸びが期待できるだろう。そもそも、Spotifyの収入の2/3はアーティストへ還元されているそうだ。

Spotifyユーザーには、積極的に音楽を開拓して聴いてくれる音楽ファンが多い。現状でもフリーユーザーは月に楽曲を200曲以上、有料ユーザーは月に800曲以上を聴いてるというデータもある。ストリーミング・モデルの音楽配信で大事なのは、どれだけ使い勝手が良くアクティブな音楽ファンを抱えているかが、アーティストへの還元という視点では大切なポイントといえるだろう。

まだSpotifyは日本版もスタートしていない黎明期であるが、CDが売れなくなった昨今の音楽シーンにおいて、アーティストの新たな収入源のひとつとして期待されていることは間違いない。ストリーミングであることから、音楽ファンとしては音質も気になるところだが、新技術を取り入れている事から、耳の肥えた音楽ファンからの評価も上々であることが見逃せない。使ってみてわかることだが、あらゆる意味で他音楽サービスの追随を許さない完成度の高いサービスといえるだろう。もともと、違法配信を撲滅するために開発された、違法よりも便利な音楽サービスという理念もブレがなく秀逸だと思う。

●ビッグニュース到来! 沖縄でSpotify!?●

日本でも、準備サイトがセットアップされ、今か今かとスタートが待ち遠しいSpotify。

Spotify
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しかし、正式なローンチを待たずして、超大型台風上陸でざわめく沖縄にて、2014年7月7日(月)に、Spotifyが沖縄市の情報ポータルサイトKOZA webとコラボレーションすることが発表された。そこで、沖縄市コザが誇る音楽スポット、ミュージックタウン音市場で行われたカンファレンス『Spotify Workshop Party』をレポートしたいと思う。

ミュージックタウン音市場
ミュージックタウン音市場
沖縄市の情報ポータルサイトKOZA web
沖縄市の情報ポータルサイトKOZA web

●沖縄ミュージシャンのSpotifyへの楽曲配信をサポート●

カンファレンスの模様を要約すると、Spotifyの日本版はスタートしていないが、沖縄にはたくさんの優秀なミュージシャンがいる。そこで、沖縄のアーティストや伝統音楽を、沖縄市とのタイアップのもと、世界にダイレクトに発信する事をミッションとして、Spotify×沖縄プロジェクトがはじまるそうだ。

いわゆる、沖縄アーティストの世界へ向けた受け皿を用意し、沖縄ミュージシャンのSpotifyへの楽曲配信をサポートしていくのだという。

●Spotifyのプレミアム・アカウントを無料配布!●

当日は、会場に集まった沖縄の100名の音楽人に向けて、日本でも使えるスペシャルなSpotifyのプレミアム・アカウントが無料配布され、さらに沖縄音楽出版を通じて1,000曲までは無料で、Spotifyへの楽曲登録を受けつけることが発表された。まずはSpotifyが誇るサービスを体験してほしいという、Spotifyからの粋なはからいだという。

Spotify
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●Spotifyスタッフによる基調講演●

日本向けSpotifyのローンチはいまだ未定だそうだが、カンファレンスではSpotify Japan代表ハネス・グレー氏による、Spotifyの魅力を解説するキーノート・スピーチ(基調講演)や、Spotify Japanレーベル担当の野本 晶氏による、Spotifyを活用した“プレイリスト・マーケティング、バナー活用など”アーティスト向けマーケティング講座もおこなわれた。

Spotify Japan代表ハネス・グレー氏
Spotify Japan代表ハネス・グレー氏

●地元沖縄アーティストによるライブも!●

さらに、トークセッション終了後は、沖縄を代表する気鋭のアーティスト、[www.civilianskunk.com/ Civilian Skunk]、AWICH神谷千尋によるスペシャルライブも披露された。

Civilian Skunk
Civilian Skunk
AWICH
AWICH
神谷千尋
神谷千尋

●沖縄から世界的アーティストが誕生する日●

ワールドワイドなネットワークを持つ、Spotifyならではのスケールメリットある世界への音楽配信。まさにデジタル技術の進歩によって、シンキング・グローバル・アクティング・ローカルな試みを実践出来る時代がきたのだ。

沖縄芸能発信の街、コザから世界的アーティストが誕生する日は遠くはないかもしれない。

<Spotify>

https://www.spotify.com/

<本件に関する問い合わせ先>

spotifyokinawa@gmail.com

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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