10万円給付金問題 立憲民主党も非課税世帯中心に限定給付案をまとめる これでは政権奪取は無理だ

特別定額給付金10万円(写真:森田直樹/アフロ)

立憲民主党の10万円現金給付案の物足りなさと中途半端さ

麻生財務相が現金一律給付も困窮世帯限定の給付も考えにくいと発言して以降、現金給付案が連日議論されている。

立憲民主党も自民党内の議論に遅れて、現金給付案を24日にまとめたそうだ。

立憲民主党は24日、2021年度予算案の組み替え動議の原案をまとめた。

新型コロナウイルス感染拡大で困窮する低所得者への10万円給付など約35兆円を新たに計上する一方、予備費など約4.5兆円を削減する内容。他の野党にも共同提出を呼び掛ける。

10万円給付は、住民税非課税世帯や新型コロナの影響で収入が激減した人ら約2700万人が対象で、2.7兆円を見込む。同党は「コロナ特別給付金法案」を別途、議員立法として提出する方針だ。 

生活困窮者に10万円給付 21年度予算、組み替え要求 立憲

10万円給付は、住民税非課税世帯や新型コロナの影響で収入が激減した人ら約2700万人が対象で、2.7兆円の規模だそうだ。

市民への現金給付部分はわずか2.7兆円。

何とも中途半端な原案である。

野党として政権奪取の気概も熱量も何も感じない。

この程度の現金給付案であれば、すでに自民党内で議論が進んでおり、岸田前政調会長の案とさほど差異はない。つまり、始めから対案になり得ない

10万円の特別定額給付金再支給 ついに自民党国会議員73名が緊急提言

10万円の特別定額給付金 自民党・岸田文雄前政調会長も限定的に給付の可能性を示す

現金給付案だけであれば、国民民主党の提案の方が踏み込んだものとなっている。

こちらは2.7兆円ではなく、10兆円規模で出すべきだと提案している。

以前から現金一律給付が最も素早く、生活困窮世帯を取りこぼすことがなく、全世帯に購買力を分配すると指摘してきた。

また住民税非課税世帯がイコール生活困窮世帯というわけでもない

住民税非課税世帯であっても、預貯金や資産などのストックがある場合、生活困窮とは言いにくい生活となっている場合もある。

一方で、1000万円を超える年収世帯でも住宅ローン返済や教育費支出などカツカツで、残業代が減ると生活苦に陥る世帯もある。

また新型コロナ禍は、低所得層だけを襲っているのではなく、前述のような就労をしている中間層にも襲いかかっていることに注目すべきだ。いわゆる中間層崩壊である。

例えば、ある程度の収入があった夫婦共働き世帯でも、妻が失業、休業するなど、収入減によって家計が苦しくなったり、従来の消費支出を維持できない世帯もある。

要するに、低所得層限定の現金給付案は、まだ分厚い中間層の支持や納得を得られず、反発を招くこととなるだろう。

飲食店だけずるい、低所得層だけずるい、毎回ひとり親世帯だけ支援するな、などの声が出されてきたことからも、また同じ状況の不公平感を誘発する。

与野党とも支配層にいる政治家の皆さんには伝わりにくいかもしれないが、いまは非常事態なのである。それも現代史上初といってもいいほどの深刻な生活危機だ。

だからこそ、中間層も持ち堪えられるかどうか、苦しみの中にいる。

それにもかかわらず、菅首相の「最終的に生活保護がある」ということでは反感を免れないだろう。

非常事態の際に、現金一律給付を2回程度実施したからどうなるものでもない

大胆な生活支援策を与野党ともに打ち出してほしいものだ。