10万円給付金を出すと消費税15%に引き上げるという脅迫!?大企業と富裕層と財務省のための菅首相

1月18日に施政方針演説をする菅首相(写真:アフロ)

10万円の特別定額給付金も出さず、消費税増税の議論ばかりが出てくる菅政権

週刊ポストの記事「財務省が目論む「コロナ復興税」 感染収束後に「消費税15%」計画」が話題になっている。

記事によれば、名前は明らかにしていないが、安倍政権を支えた人物が以下のように回答している。

安倍前内閣時代のブレーンの1人が語る。

「支持率低下で政権基盤が弱まった菅首相は財務省に頼り切り。首席秘書官を交代させて財務官僚を起用し、国民からの要望が強い2回目の特別定額給付金を『考えていない』と否定したのも、財務省の顔色を見ているから。財務省は内々に、感染収束後に消費税率を引き上げる“コロナ復興税”のプランを立てている

財務省が目論む「コロナ復興税」 感染収束後に「消費税15%」計画

菅政権は多くの国民が要望し、なおかつ自民党内の国会議員からも特別定額給付金の緊急提言を受けながら、未だに支給を検討する方針が見受けられない。

その背景にある財務省の動向を指摘する声も上がっている。

また菅首相は1月の施政方針演説で「国民に負担をお願いする政策も必要になる。その必要性を国民に説明し、理解してもらわなければならない。」と述べている。

財務省の増税路線と菅首相の方針演説が重なることに警戒をしなければならない。

ここで私たちは共通認識を2つだけ押さえておく必要がある。

一つ目は、特別定額給付金や各種生活支援策を導入すると消費税が上がるというロジック、論理に騙されないことだ。

二つ目は、もし新型コロナ対策予算が膨らみ、財政上の課題が出てきた場合、消費税増税以外の選択肢があるということだ。

菅政権、財務省のロジック、論理に騙されてはいけない。

まず特別定額給付金の再支給、各種生活支援策の拡充は、このような発言や動向にためらうことなく、引き続き求めていくべきものだ。

絶対に政権側の「支援策を拡充するとその後に増税するぞ」という脅しに屈してはならない。

そもそも、税金の種類は多様にあるなかで、毎回、消費税増税の話しか出てこないことに疑問を持ってほしい。

消費税はすべての市民に課税されるものであり、現在も何かを消費すれば概ね税を支払い続けている。

他にも所得税、法人税など、色々な税目があるが、消費税ばかりが注目されてしまう。

なぜかと言えば、大企業、富裕層が政治献金などをしつつ、自身の権益を守る税制へ誘導しているためであり、そのような政権基盤を支えてきたからだ。

まず大企業を中心にして、企業の内部留保は膨大に蓄積されてきた。

新型コロナ禍があって、増加額は減少したが、それでも過去最大である。

大企業を中心に資金が潤沢に有り余っている

財務省が30日発表した法人企業統計によると、2019年度の内部留保(利益剰余金)は金融業・保険業を除く全産業ベースで前年度比2.6%増の475兆161億円となった。8年連続で過去最大を更新したが、増加率は18年度(3.7%)から縮んだ。

内部留保475兆円、過去最大 19年度の法人企業統計

日銀が異常な金額規模で、大企業の株価を買い支え続けていることは過去の記事でも指摘した。

株式投資して資産家や投資家だけを支える政府 #株価など気にせずそろそろ一律給付金を という市民の声

日本企業の価値は政府が一貫して担保しているので、国際競争、グローバル競争などしなくても、毀損しない。

他の先進諸国のグローバル企業には恥ずかしく、申し訳ないが、すでに日本企業の多くは事実上、社会主義国家に類似する国有企業である。

さらに、これらの企業の株式を保有する投資家たちも当然、資産を増加させてきた。

以下の野村総研による調査結果は超富裕層、富裕層が近年増え続けていることを示唆している。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数 野村総研から引用
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数 野村総研から引用

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移 野村総研より引用
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移 野村総研より引用

預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計しました。

結果は、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると132.7万世帯で、内訳は、富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯でした。

富裕層と超富裕層をあわせた2019年の世帯数は、2005年以降最も多かった2017年の合計世帯数126.7万世帯から6.0万世帯増加しました。

富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった後の2013年以降一貫して増加を続けています。

野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計

つまり、前安倍政権では多くの低賃金労働者(マス層)の犠牲のもと、超富裕層、富裕層を急増させる国家政策を実施してきた。

日本の超富裕層、富裕層は、国策によって生じたものであり、特別な努力をしたとか、イノベーションを起こしたとか、生産性を向上させたのではない。

ただただ、国策に基づいて株式を大量保有し、日銀による株価の引き上げを待っていただけである。

だからこそ、消費増税の前に過去の政策によって、大きな利益を得た層への課税要求をすることが先決だろう。

大企業や富裕層に富が集中しても、格差や貧困は縮小せず、低賃金労働者が減るわけでもなく、何ら社会がよくならないことは、すでに証明済みである。

新型コロナ禍を契機に大企業、富裕層への優遇政策、優遇税制を見直したいものだ。