生活保護申請をためらわせることがないように 厚生労働省が再三にわたって全国の福祉課へ注意喚起

緊急事態宣言に伴って全国の福祉事務所へ事務連絡を再三出す厚生労働省(写真:西村尚己/アフロ)

生活保護申請をためらわせることがないように

緊急事態宣言の発令が決定した1月7日に厚生労働省が全国の生活保護担当課に対して、事務連絡を発出したことが明らかになった。

著者が自治体関係者から入手した1月7日の事務連絡の全文は以下の通りである。

事務連絡

令和3 年1 月7 日

都道府県

各 指定都市 生活保護担当課 御中

中 核 市

厚生労働省社会・援護局保護課

今般の緊急事態宣言等に伴う生活保護業務における対応について

生活保護行政の推進につきましては、平素から格段の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、令和3年1月7日、新型コロナウイルス感染症対策本部長は新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24 年法律第31 号)第32 条第1項に基づき、1都3県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)に対し、緊急事態宣言を行ったところです。

現下の状況を踏まえた適切な対応については、これまで、別紙1「緊急事態宣言の解除後の生活保護業務等における対応について」(令和2年5月26 日付厚生労働省社会・援護局保護課事務連絡。以下、「5月26 日付事務連絡」という。)、別紙2「現下の状況における適切な保護の実施について」(令和2年9月11 日付厚生労働省社会・援護局保護課事務連絡。以下、「9月11 日付事務連絡」という。)等によりお示ししてきたところですが、今般、これらの内容について改めて周知させていただきます。

なお、5月26 日付事務連絡の1の(3)、3については、「当該地域の感染状況等を踏まえ、地方自治体における組織的判断の下、引き続き同様の対応をとっていただいて差し支えない」としておりますが、今般、緊急事態措置を実施すべき区域となった地方自治体(以下、「緊急事態措置区域」という。)におかれましては、特段の配意をお願いいたします。

また、面接時の適切な対応については特に重要ですので、改めて5月26 日付事務連絡の1(1)及び9月11 日付事務連絡の1について確実に参照して必要な配慮をいただくとともに、相談者が申請をためらうことのないような対応をお願いいたします

さらに、緊急事態措置区域において飲食店等に時短要請がなされること等を踏まえ、5月26 日付事務連絡の2の(1)及び9月11 日付事務連絡の3でお示ししている要否判定上の弾力的な運用についても、引き続きご留意をお願いいたします

以上、都道府県におかれては管内保護の実施機関に対し周知方お願いいたします。また、管内保護の実施機関の査察指導員や地区担当員、面接相談員等に対し、本事務連絡の内容が確実に行き届くよう、ご配意をお願いいたします。

長くなるので、過去の事務連絡資料(別紙)については掲載しないが、今回の要点をまとめてみると、相談者が申請をためらうことがないように、また自動車や店舗、自営の器材などの保有を一定の条件のもと、認めるように再度指示している。

昨日、緊急事態宣言でも飲食店経営者は諦めないで 店舗、器材をそのままに一時的な生活保護利用も可能 という記事を配信したばかりだが、同様に厚生労働省も再三、柔軟で弾力的な運用を生活保護の現場に求めている。

つまり、緊急事態なのだから従来の生活保護運用を変えろ、福祉課の意識を変えろ、という事務連絡通知だ。

事務連絡を軽視する対応がある場合は支援団体へ遠慮なく相談を

なぜここまで厚生労働省が繰り返し、事務連絡を出すかと言えば、生活保護の現場がこれら通知を重視しないからだ。

未だに生活保護の申請をためらわせる窓口があるだけでなく、新型コロナ感染拡大があるにもかかわらず無理な就労指導を実施したり、再三の事務連絡があるのに自動車や資産保有を認めない、避けるべき親族への連絡や扶養照会も一律で実施するなど、メチャクチャな生活保護運用がある。頭が固く変化に弱い福祉事務所の事例には事欠かない

生活保護における事務は、法定受託事務と言われており、基本的に厚生労働省の指導・指示に従いながら、法定の事務を遂行しなければならないことになっている。

しかし、この厚生労働省の指導・指示に従わない福祉事務所が散見されているのである。

筆者ら支援団体や専門家も違法性、不当な対応があれば、そのつど対応しているが、もし生活保護窓口で厚生労働省の事務連絡にないこと、おかしい取り扱いがされたら、以下の支援団体へ相談してほしい。

厚生労働省も言う通り、生活保護をためらって利用せずに我慢してもいけない。

新型コロナ禍はこれからも当面続く。

気軽に福祉事務所へ相談して、生活保護を申請することが大事である。

【各地の相談窓口】

東北 東北生活保護利用支援ネットワーク

Tel. 022-721-7011 (月・水・金 13時〜16時、祝日休業)

 

関東(東京含む)・甲信越・北海道 首都圏生活保護支援法律家ネットワーク

 http://seiho-lawyer.net/

Tel. 048-866-5040 (月〜金10時〜17時、祝日休業)

 

北陸 北陸生活保護支援ネットワーク福井(福井・富山) 

Tel. 0776-25-5339 (火 18時〜20時、年末年始、祝日休業)

北陸生活保護支援ネットワーク石川

Tel. 076-204-9366(火 13時~15時・18時~20時、年末年始、祝日休業)

静岡  生活保護支援ネットワーク静岡

Tel. 054-636-8611(平日 9時~17時)

東海  東海生活保護利用支援ネットワーク (愛知、岐阜、三重)

Tel. 052-911-9290 (火・木 13時〜16時、祝日休業)

近畿  近畿生活保護支援法律家ネットワーク 

Tel. 078-371-5118 (月・木13時〜16時、祝日休業)

中国  生活保護支援中国ネットワーク

Tel. 0120-968-905 (月〜金 9時半〜17時半、祝日休業)

四国  四国生活保護支援法律家ネットワーク

Tel. 050-3473-7973 (月〜金 10時〜17時、祝日休業)

九州 ・沖縄  生活保護支援九州ネットワーク

Tel. 097-534-7260 (月〜金13時〜16時30分、祝日休業)