「この人員体制ではもう限界」保健、医療、福祉に重い負担を強いてGo Toキャンペーンは暴挙ではないか

新型コロナウイルス感染症 「Go To」東京も追加(写真:西村尚己/アフロ)

新型コロナウイルス「第3波」襲来

11月19日に新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新した。

すでに新型コロナウイルスは「第3波」として日本全国に襲いかかっている。

その最中、東京都では本日からGoToイートの食事券販売が開始された。

保健、医療、福祉現場の緊迫感をよそに、GoToトラベル同様、これから飲食店利用も増えていくことだろう。

高い確率で飲食店でもさらにクラスター(感染者集団)が発生することが予想されている。

日本医師会の中川会長は11月18日の記者会見で、「Go Toトラベル」について「経過や感染者が増えたタイミングなどを考えると、間違いなく十分に関与している」と述べている。

GoToイートも東京都など首都圏で、さらに感染者を増やすことに関与していくに違いない。

人の移動や交流を制限しなければならない時期に、社会経済活動を理由として感染者を増やし続ける政策は正しいのだろうか。

福祉専門職として強い危機感を有している。

「感染拡大防止と社会経済活動の両立」は現実に不可能

菅首相をはじめ、政府関係者から出る言葉は「感染拡大防止と社会経済活動の両立」である。

なぜか政府関係者はこの両立が可能だと根拠なく信じており、各種GoToキャンペーンを推進する力になっている。

経済界を中心にして、経済活動最優先で、根拠が希薄なまま政策実施を続けてきたクセが緊急時でも治っていない。

いつも「命より金」である。

そのようななかで、感染拡大防止に力点は置かれているだろうか。

当然ながら、感染拡大防止のためには、保健、医療、福祉体制の整備・拡充が必須である。

感染拡大防止と社会経済活動の両立というなら、せめてGoToキャンペーンと同額を予算措置し、人員配置や体制を整えていくべきではないか。

すでに保健福祉の現場からは緊迫感ある訴えが起こっている。「この人員体制で感染拡大防止はもう限界である」という訴えだ。

大阪府関係職員労働組合が保健所の現場実態を伝え、職員増員や体制整備の必要性を訴えている。

彼らによれば、1991年から2018年にかけて、全国の保健所数は45%減り、保健所職員は19%減ったことが指摘されている。

最前線の保健行政を軽視し、縮減し続けてきた政治政策が失敗だった、という指摘だ。

政治の失敗を少ない人数で懸命に現場担当者は受け止めているが、いつまで体制が維持できるかわからない現状だ。

この署名は多くの注目や支持を集め、政策転換を促す圧力になっている。ぜひ協力をお願いしたい。

このような声を私たちの社会は真摯に受け止めて、政治や政策を考えていかなければならないだろう。

保健、医療、福祉体制を削り切った日本社会では「感染拡大防止と社会経済活動の両立」は現実に不可能だ。

少なくとも、公務員バッシングにのり、保健、医療、福祉体制が崩されてきたことを反省することが日本社会に必要とされている。

このまま新型コロナウイルス感染拡大が続けば、保健、医療、福祉関係者が過労死に追い込まれていくことも懸念される。

政府関係者による「感染拡大防止と社会経済活動の両立」という無意味な言葉が一人歩きするなか、憤りを禁じ得ない。

今からでも遅くないので、GoToキャンペーンの見直しと感染拡大防止にこそ予算配分を集中させて欲しい。