お金がなくても保険証がなくても病院受診できる安心感 新型コロナ時代に注目される無料低額診療施設

無料低額診療施設の看護師(写真:アフロ)

新型コロナで増え続ける失業者と生活困窮者

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、休業、失業する人たちが増えている。

本日の共同通信でも、若年層の女性の失業が顕著に増えていることを報じている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で雇用環境が厳しさを増す中、25~34歳の女性の完全失業率(季節調整値)が8月に4.7%に上昇し、年代別・男女別でみて顕著に悪化したことが28日、総務省の労働力調査で分かった。

2015年7月以来、約5年ぶりの高水準。

不安定な非正規雇用の割合が高く、就業者が多い宿泊業・飲食サービス業がコロナ禍の直撃を受けたためとみられる。

全体の失業率は、前月比0.1ポイント悪化の3.0%。

このうち25~34歳の女性は、前月と比べ1.0ポイント悪化し、年代別・男女別では最も上昇幅が高かった。

出典:若年女性の失業率4.7% 非正規、宿泊・飲食直撃で

若年女性失業者の伸び率、急増は異常ともいえる水準であり、すでに自殺者数の増加という数字としても現れ始めている。

官民で連携した支援策が必要であることは言うまでもない。

無料低額診療施設という福祉的な病院

そこで何度も繰り返し注目される仕組みがあるので、再度紹介しておきたい。

無料低額診療施設だ。過去にもYahoo!ニュース個人で配信し、未だに大きな反響がある記事である。

お金が無くても保険証が無くても病院受診する方法!

まず、繰り返しになるが、お金が無くて医療費が払えなくても、病院受診できる

お金がないと病院に行けないという誤解は早急に払拭し、家族や友人、知人にも教えてあげてほしい。

はっきりいえば、お金がないと病院に行けない、というのはデマである。

新型コロナウイルス感染拡大とともに「医療費が支払えない」「お金を気にして受診をためらっている」「体調が悪くても我慢する」という相談が多い。

もともと新型コロナウイルス感染拡大以前から、国民健康保険料が未納になっていたり、健康保険証を持っていない人もいる。

その場合は、窓口負担が10割で請求をされると思い込んでいる方もいる。

最近は国民健康保険制度に加入していない外国人労働者、非正規滞在外国人からの相談も多いが、その際も病院に受診できないと思い込んでいる。

その際に無料低額診療施設を頼ってほしい。

社会福祉法第2条3項の九『生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業』

社会福祉法第2条3項の九では『生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業』を第二種社会福祉事業として位置付けている。

政府は、病院事業者に対して、生活に困っていて医療費が払えない、あるいは医療費を払う余裕が無い人々を受診させてもらえるように事業を設けている。

この届出をした病院は、無料又は低額で医療行為を一定数行うことと引き換えに、税制上の優遇措置を受けることができる。

例えば、埼玉県内の無料低額診療施設はホームページに一覧が掲載されている。

他にも東京都内の無料低額診療施設も広報されている。

このようにお住まいの都道府県の「無料低額診療施設」を検索し、ホームページを参照いただきたい。

実は無料低額診療施設には、内科、総合診療だけでなく、歯科や精神科など専門外来も届出がされており、皆さんの相談を待っている。

特に歯科はお金がないと後回しにしがちだが、虫歯や歯痛を治療してもらうことも可能である。

無料低額診療施設は相談機能付きの病院

そして、もう一点重要なことがある。

無料低額診療施設には医療相談室があり、ソーシャルワーカー、社会福祉士などが必ず配置されているということだ。

医療費が払いにくい状況を聞き取り、利用可能な制度紹介をしたり、行政への連絡もしてくれる。

無料低額診療施設から生活保護、生活福祉資金貸付、住居確保給付金などの利用に繋がっている事例も多くある。

とにかく新型コロナ禍のなかで生活困窮することは恥ずかしいことではない。第三者の専門家に気軽に辛さを話してみることが大事だ。

実際に受診される際には、各無料低額診療施設の医療相談室に、訪問または連絡をしていただき、【医療ソーシャルワーカー】、あるいは【医療相談員】と呼ばれる人に事情を話してみてほしい。

これらの相談員は、守秘義務(秘密を守る義務)があり、あなたやあなたの周りの事情を聞いて、不利益になるようなことは絶対にしない。

「ピンチはチャンス」という言葉もある。

病院受診を通じて、それを契機にいろいろな福祉制度と繋がってほしい。