岡村隆史さんの結婚と風俗発言と予期されていた深刻な女性の貧困問題

結婚したことが報道された岡村隆史さん(写真:Motoo Naka/アフロ)

岡村隆史さん結婚

お笑い芸人の岡村隆史氏が結婚されたことが報道されている。

ファンの方たちも含めて、当面の間、お祝いムードが続いていくことだろう。

岡村は今年4月、当時1人でメインパーソナリティーを務めていた「…オールナイトニッポン」で「コロナが明けたら美人さんが風俗嬢やります」などと発言。女性蔑視と批判を浴びた。その後、精神的に落ち込んでいた岡村の支えになったことがゴールインの決め手となった可能性がある。

出典:ナイナイ岡村隆史、結婚していた!お相手は30代の一般女性、50歳でついに“おひとり様”卒業

早速、お祝いムードに水を差すようで申し訳ないが、わずか半年前に起こった彼の風俗発言を振り返りながら、現在の女性の状況を見ていきたい。

祝意の全体主義の雰囲気があるなか、それに抗っても言うべきことを言っておかなければならないタイミングだろう。

空気を読んで黙っている、というのは最も嫌悪する姿勢だ。

岡村風俗発言とは何だったのか 風化させてはならない問題

まず繰り返しになるが、岡村風俗発言は生活困窮者支援に長年かかわる立場から衝撃的だった。

彼は立場として影響力の大きい日本を代表する男性コメディアンである。

新型コロナ禍の中で、非正規雇用に従事する女性が次々に休業や失業し、困窮度合いが激しい中での発言にも激しい憤りを覚えた。

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべき【追記あり】

冗談でも生活困窮を待ち望み、それを性的搾取の対象として利用することを推奨する発言は公共の電波で流すべきではない時期だった。

「コロナが収束したら、もう絶対面白いことあるんです」

「収束したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、お嬢(風俗嬢)やります」

「短期間でお金を稼がないと苦しいですから。3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働いてパッとやめます」

「『え? こんな子入ってた?』っていう子たちが絶対入ってきますから。だから、今、我慢しましょう。我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、その3カ月のために頑張って、今、歯を食いしばって踏ん張りましょう」

むしろ、生活困窮されている女性がいれば、相互に助けあったり、声をかけて福祉課などへの相談を勧めていこう、というメッセージを発しなければならない時期である。

世界各地の著名人が新型コロナ禍のなか、支援活動やボランティア、寄付活動の呼びかけに懸命に従事するなか、何という有様か、とも実感した。

これ以上はあえて批判はしないが、再度、彼の言葉がラジオで発せられた日本社会の問題も含めて、振り返る人がこれを機会に増えることを期待している。

極めて深刻な女性の貧困と自殺

21日のNHK報道によって女性の自殺者数の急増が明らかになっている。

岡村氏が話した通り、お金を稼がないと苦しい女性が自ら死を選ばざるを得ない環境に追い詰められている。

ことし7月以降、全国で自殺する女性が増えていることについて、厚生労働省から分析を依頼された団体が会見を開き、「新型コロナウイルスの影響で配偶者からのDV=ドメスティック・バイオレンスや子育ての悩みなどが深刻化している」と指摘しました。

警察庁によりますと、全国で自殺した人は、ことし7月以降、去年の同じ時期より増加し、特に8月は1854人と去年を16%上回りました。

このうち女性は651人で40%も増加しています。

出典:女性の自殺 7月以降増加「新型コロナの影響で悩みなど深刻化」NHK

いうまでもなく、男女の賃金格差は大きく、女性は生活困窮に至りやすい社会構造である。

2018年の給与所得者の年間平均給与は441万円であり、男女別では男性545万円、女性293万円となっている(国税庁2019)。

そのため、ひとり親世帯の貧困率も48.1%(厚生労働省2018)と異常に高く、子どもを育てることにすら困難を抱える実態だ。

ましてや、今回は製造業だけでなく、飲食、宿泊、観光、小売産業など女性の非正規労働者が多い分野が集中的にダメージを受けている。

福祉業界では相談件数の増加に対して、懸命に向き合っている現場が多い。

とにかく一人で抱え込まずに、まずは気軽に相談支援機関を頼ってほしい。

相談することは恥ずかしいことでもないし、生活困窮に至るのも自然な社会情勢である。

このような情勢を踏まえて、岡村氏には日本を代表するお笑い芸人の一人だからこそ、今後とも性風俗産業で働かざるを得ない女性や女性の貧困問題に関心を持ち、具体的な支援などの行動を示して欲しい。

繰り返しになるが、諸外国では岡村氏のような著名人が生活困窮者支援現場、貧困支援現場に足を運び、社会貢献活動をする姿も珍しくない。

これからも岡村氏には影響力が大きい立場を活かして、相談対応が円滑に進むように力を貸して欲しいと願っている。