元TOKIO山口達也さん酒気帯び運転 芸能人に多いアルコール問題

アルコール依存症に苦しむ男性(写真:アフロ)

元TOKIO山口達也さん酒気帯び運転の疑い

元TOKIOメンバーの山口達也さんが酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕された。

日常的に飲酒しているとも報じられており、アルコール依存症の疑いが濃厚で、治療やケアを早急に入れなければ、生命の危険もあるのではないか、と不安に思わせる状態だ。

お酒を飲む人であれば、誰でも一度や二度はアルコールに関する失敗をしたことがあるかもしれない。

しかし、アルコール依存症は単なる酒好き、酒癖が悪い、というレベルではなく、飲酒量をコントロールできないことによって、日常生活や人間関係が円滑に営めない状態を指す。つまり、精神疾患に該当する病気である。

病気を発症していて体調が悪い人は病院に行って治療したり、治らない病気や障害がある人は継続的に福祉的なケアを受けることが一般的だ。

ただ、残念ながらアルコール依存症などは「治療が必要な病気」という認識が広がっておらず、適切な治療やケアに結びついていない人が膨大にいる

ましてや、アルコールは年齢制限はあれ、摂取は合法であり、どこでも手軽に安価で手に入る。

近年は企業が改良を重ね、飲みやすくアルコール依存症になりやすい商品の供給が続いている。

相変わらずテレビなどでもアルコール飲料の広告を出し続け、飲酒へ誘っていく。

だからこそ、日本社会ではアルコール依存症はもうポピュラーな病気になっている。

社会全体がアルコールで蔓延していると言ってもいい状態だろう。

芸能人に多いアルコール依存症という病気

本来、アルコール飲料は味や風味などを楽しむものだが、日常生活において、ストレスが多い場合、ストレス緩和方法として摂取される。

特に芸能界は過去にもアルコール依存症者が多い業界としても有名である。

芸能人、著名人にとって、アルコールは長く大麻や覚醒剤同様に、苦しさや辛さ、不安や悩みを忘れさせる薬物として使用されてきた。

だからこそ、芸能界としてもアルコール依存症に関する啓発や研修、治療やケアへの誘導が必要ではないだろうか。

以下のアルコール依存症に苦しんだ著名な芸能人、著名人の記事も参照いただきたい。

数多くの臓器のなかで、なぜこうも肝臓だけがアルコールと密接に関係しているといわれるのか?酒の飲み過ぎが原因で悲しい末路をたどった、4人の有名人の事例に学ぼう。

以下で紹介する4人は、酒がもとで体を壊したり、社会的信用を失ったりした。

肝臓専門医の浅部伸一医師は、「皆さん、いずれもアルコール依存症だった可能性が大きいと思います」と語る。 (以下敬称略)

●事例(1)赤塚不二夫

『天才バカボン』などで知られる「ギャグマンガの王様」は、若いころならウイスキーのボトル2本、60歳を迎えても焼酎のボトル2本を1日で開けた。

 肝臓を壊し入院しても、退院するとまた飲み始めるという悪循環を繰り返した。2008年8月2日死去(享年72)。

「晩年、急性硬膜下血腫で入院したとのこと。血を固める凝固因子は肝臓で作られるので、肝臓が悪くなると、頭を打った程度でも血が止まらなくなるんです」(浅部医師、以下同)。

●事例(2)中川昭一

何度も断酒を誓ったがやめられず、財務大臣として出席したG7の会議後の記者会見では、ろれつの回らない姿を見せ、大臣を辞任。

2009年10月3日に死去(享年56)後、血中からアルコールが検出され、酒と睡眠薬を飲んだ結果の急性心筋梗塞の可能性が指摘された。

「睡眠薬を処方された原因はアルコール依存症が考えられます。依存症になると眠れなくなり、うつ状態にもなります」

●事例(3)春一番

アントニオ猪木のものまねで知られるピン芸人は、16歳から毎晩、飲んでいた。

テレビ番組の企画で「γ-GTP1500」という異常値を出し、栄養失調とアルコール性膵炎の診断も受けていた。

酒を飲んで就寝後に体調が急変し、帰らぬ人に。

2014年7月3日死去(享年47)。

「アルコール依存が進んで、酒以外を口にしなくなると、肝臓を再生させる栄養素が摂れず、普通は10年以上かかる肝硬変に5年以内で進行することも」

●事例(4)横山やすし

仕事をすっぽかすなど、酒でのトラブルは数知れずの「伝説の漫才師」。

アルコール性肝硬変を患い、腹水が溜まって緊急入院したこともあるが、じつは「水割り2杯でベロベロになっていた」との証言もある。

1996年1月21日死去(享年51)。

「もともと、酒に強い体質ではなかったんだと思います。医師の立場なら、絶対に酒をやめさせる状態ですが、彼に忠告できる人はいなかったのでしょうね」

4人のエピソードから、「もしかしたら自分も依存症では……」という不安を抱える人も多いかもしれない。

アルコール依存症の専門医である久里浜医療センター院長の樋口進医師が、WHOの基準をもとにアルコール依存症の自己診断基準を解説してくれた。

以下で紹介しよう。

・仕事中も頭から酒のことが離れず、飲みたいという強い欲求がある

・これくらいで酒をやめようと思っても、やめられず、飲酒のコントロールがきかない

・酒が切れると手が震えたり、幻覚が見えたりするなどの禁断症状(離脱症状)が出る

・たくさん飲まなければ酔えなくなってしまっており、以前の酒の量では満足できなくなっている

・飲酒が生活の中心になり、酒のために本来の生活を犠牲にしてしまう。また、二日酔いから回復するまでに一日以上かかる

・肝臓が悪くなっている、家庭内で不和が起きているなど、酒を飲むことでなんらかの問題が生じているにもかかわらず、飲酒を続ける

これらのうち3項目以上が1カ月以上、同時に生じていたか、あるいは1カ月未満でも、過去12カ月以内に繰り返し同時に生じた場合、アルコール依存症と診断される。

出典:赤塚不二夫に横山やすし…「アルコール依存症」の悲しき末路 6月21日 週刊FLASH

前述の通り、皆さん自身もアルコール依存症の可能性があると感じたら、アルコール専門外来のある病院や精神科クリニック、お住まいの保健所などへ相談してほしい。

アルコール依存症への誤解は回復を困難にする

今回も山口さんに対して、何度も指摘されているのに「ダメなやつ」だと扱うメディア、非難して突き放す報道が早速出てきている。

アルコール依存は本人も家族も辛い問題である。

飲酒をやめたくてもやめられない飲酒量をコントロールすることができないのだから。

アルコール依存症は不治の病でもある。

一度罹患してしまえば、一生涯、アルコールを断ち続ける必要があったり、治療やケアが必要な病気だ。

寛解はあっても治癒はないとされている。

脳がアルコール(薬物)の味を覚えており、再度、手に取るように命令してくるものだ。

そのため、周囲を裏切り、問題行動を起こし続け、助けてくれる人間関係が断たれていく病気でもある。

私は長年、ホームレス状態にある方とかかわってきているが、アルコール依存症が原因で社会生活に困難をきたしている方を大勢見てきた。

学生時代には、大阪府西成区のアルコール依存症者のリカバリー施設で研修をさせてもらい、アルコールによって命を落としていく人たちと向き合ってきた。

いまも理事としてかかわる生活困窮者支援NPOでは、精神科クリニックと連携し、生活保護を受けながら、ケアに付き合っている人たちが大勢いる。

本件のように、アルコール依存症者が刑事事件を起こすと弁護士がかかわる。

さらに、診断や治療には精神科医がかかわっていく。しかし、これらは部分的なかかわりになる。

弁護士や精神科医の介入だけでは、本人や家族はアルコール依存症と闘い続けられない

なぜなら、継続的に日常をケアする福祉専門職、AA(アルコホリック・アノニマス)などの自助グループの仲間たちのかかわりこそ大事だからだ。

もちろん、親身に日常に寄り添ってくれる家族や友人、周囲のサポートも欠かせない

これらの継続的なケアがなければ、飲酒を断ち続けられない病気である。

だからこそ、無用な非難によって、人間関係を断たせていくのではなく、社会や周囲がアルコール依存症について理解し、病気がそのような行動をとらせている、という認識に変えていきたい。

厳罰や非難はアルコール依存症者に何ら良い効能をもたらさないばかりか、より孤立化を進めるだけだ。

アルコール依存症に対する各種報道もこれを契機に考えてほしいし、各コメンテーターにはアルコール依存症について理解を深めてほしい

【やや行き過ぎた表現があり、見出しと本文一部を修正した】