岡村隆史氏のラジオ番組内の謝罪「変わらなければならない」について

岡村隆史のオールナイトニッポン(画像は番組HPよりYahoo!編集部作成)

岡村隆史氏が5月1日ニッポン放送「岡村隆史のオールナイトニッポン」の番組において謝罪をおこなった。

以下に記載の通り、岡村氏を批判してきた者として最初から最後までラジオ放送を聴かせていただいた。

深夜ラジオを最初から最後まで聴くというのは久しぶりかもしれない。

私は新型コロナウイルスによる経済危機から、生活困窮する方たちの相談支援活動を弁護士や労働組合の仲間たちとおこなっている。

明日から2日間、また電話相談会も実施する。

毎日、相談者からの悲痛な叫びは止まることがない。

新型コロナウイルス禍の影響は甚大で、戦後史上最大の危機といってもいい。

それによって一人でも命を失うことがないように仲間たちと取り組みを進めなければならないと思っている。

その最中に、女性相談員や記者たちから岡村氏の発言の様子を聞き、内容を確認して驚いた。

生活困窮することを避けるためにどうしたらいいか、急遽収入を得るためにどうしたらいいか、と日々相談を受けている現場があるなかで、その支援を嘲笑うかのような発言だった。

到底、生活相談をしながら絶望している女性に聴かせられるような番組、発言ではなかった。

生活困窮者を支援するのではなく、困窮することを待ち望み、性的に搾取することを容認すると受け取られてもおかしくない発言だったからだ。

震えるほどの怒りを感じたのは言うまでもない。

なぜ史上最大の危機に微力ながら懸命に立ち向かっている人々、当事者を愚弄するのか、なぜ生きる力をあえて奪うようなことをするのか、と。

このような発言が公共のラジオ放送であったことを重く受け止めて、岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべきではないかという記事を配信するに至った。

5月1日の番組内では岡村氏がまだ事態の全容を把握できていないのか、混乱をしているなか、謝罪の言葉が繰り返されている。

また、謝罪の言葉と同時に、2時間の番組では終始、発言がなぜ起こってしまったのか、矢部浩之氏も参加して議論も展開される異例な形になった。

実際に発言があったこと、絶対にいけないことだったこと、傷つけた相手が大勢いたことを二人が事実認定していることは評価できることだ。

深夜ラジオだから、身内のリスナーだから、という甘えがあったことも背景として語られた。

また具体性がないにしても「変わらないといけないこと」を番組内では強調し、過去を振り返り、変化を促す内容であった。

今後はどう変化していくのか、が重要なテーマである。

またそれは岡村氏の発言を発生させたニッポン放送など周囲の環境が変わることも重要だという示唆でもある。

このまま、時間が過ぎれば人々の記憶から発言が忘れ去られ、また同じような人権侵害発言が起こらないとも言い切れない。

早速、メチャクチャな擁護論が噴出し、内容がうやむやにされているような状況でもあるので、引き続き注意いただきたい。

ましてや、絶対に笑えないことを笑えることに変えていくプロたちに囲まれているのだから。

これを契機に、岡村氏やニッポン放送などが率先して、社会の中で女性が困窮に苦しみ身体、性を販売しなければならない異常な社会構造があることを改善するため、具体的な行動を起こしてほしい

日本の社会福祉、社会保障は未だに脆弱なもので、なおかつ女性が安心して働けてゆとりある生活を享受できる労働環境にもなっていない

相変わらず、政治や社会運営の決定権者は岡村氏など男性中心で、それゆえに女性の福祉も極めて残余的で粗末なものとなっている。

つまり、岡村氏には早く混乱期から立ち直り、謝罪の意識をどう次の言動につなげていくのか、ということが問われている

この間、岡村隆史のオールナイトニッポンのファンから色々な声や要望、抗議や罵詈雑言があった。

ファンやリスナーも辛い思いをされ、混乱されていることだと思う。二度とこのような思いはさせないでほしい。

「岡村さんのラジオが生きる希望だから無くさないでほしい」「人生の辛い時期に岡村さんのラジオに救われました」「変わるために何をすればいいか教えてほしい」「自分たちの居場所を奪わないでほしい」という彼らの思いは大事であり、尊重すべきものである。

自身の影響力の大きさを自覚し、彼らの思いも背負いながら、言動で姿勢を示していく責任があるはずだ。

私に寄せられた声の年齢層が幅広いのも特徴で、中学生や高校生からもメールがあった。

子どもたちは大人が発する言動をどのような気持ちで聴いただろうか。その後の大人たちの反応はどう映っているだろうか。ラジオを聴いてどのような大人になっていくのだろうか。

ラジオの影響力、リスナーたちの影響力の大きさを考えると、差別や人権侵害が再生産されない具体的な言動を心からお願いしたい。

いずれにしても、今日も苦難に苦しむ人たちがいる。

そのような方たちを傷つける言葉がこれ以上、社会の中に溢れ返らないようにしたいものである。