経済同友会 桜田謙悟代表幹事「現金給付は電子マネーで」 発言の引責辞任をされてはいかがか

経済3団体主催の2020年新春祝賀会。写真一番右が経済同友会の桜田謙悟代表幹事。(写真:つのだよしお/アフロ)

経済同友会 桜田謙悟代表幹事「現金給付は電子マネーで」

経済同友会の桜田代表幹事が検討されている現金給付について「電子マネーでの給付が望ましい」と発言したそうだ。

またこれも驚くべき発言なので、以下の産経新聞記事も参照いただきたい。みなさんはどう思われるだろうか。

政府・与党が新型コロナウイルス対策として国民1人あたりに10万円の現金を給付する検討に入ったことを受け、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は16日、報道陣の取材に応じ、「ほぼ条件をつけないで給付することは危機管理にスピードが必要なことを考えれば、いいことだ」と歓迎する考えを示した。

同時に、タイムリーに配布することと、消費に活用されることが重要だとして、「電子マネーでの給付が望ましい」との考えを示した。

現金給付ならば、貯蓄に回る可能性もあるが、電子マネーなら「消費力を維持するのにつながる」と強調した。

出典:10万円給付歓迎「電子マネーでの給付が望ましい」経済同友会 4月16日 産経新聞

私はこの意見に賛成、反対を表明する以前に脱力感を持った。

また、よくこのような自己中心的な考えを国難の時期にも、恥ずかしげもなく表明できるものだと呆れてしまった。

そもそも消費力を維持するための現金給付なのか、政策導入の主旨、生活苦の市民の想いも考えられないのだろうか。

念のため、経済同友会はどういう組織なのか、彼らのホームページから確認いただきたいが、読まなくても構わない。

経済同友会とは

公益社団法人経済同友会は、終戦直後の1946年、日本経済の堅実な再建のため、当時の新進気鋭の中堅企業人有志83名が結集して誕生しました。以来、一貫してより良い経済社会の実現や国民生活を充実させるための諸課題に率先して取り組んでまいりました。

企業経営者が個人として参加し、自由社会における経済社会の牽引役であるという自覚と連帯の下に、一企業や特定業種の利害を超えた幅広い先見的な視野から、変転きわまりない国内外の諸問題について考え、議論し政策提言を行うところが、経済同友会最大の特色です。

本会の各分野にわたる討議・調査・研究などの成果は、企業経営者の確固たる意思と良心、時代を見通した先見性の表明として世に問われ、政策当局や産業界はもちろんのこと、各政党、行政当事者、労働団体などの社会諸集団と、意欲的かつ柔軟な対話活動を積極的に展開し、広く社会に対して大きな影響を与えています。

また、国際社会に対して常に明確な問題意識を持ち、世界各地域との交流、相互理解促進のための多角的な事業を展開しています。

経済同友会は、優れた発想と時代感覚に富んだ企業経営者の積極的な参画を得ながら、国民生活の豊かさと世界経済の調和ある発展を目指して、常に新しい時代に向けた果敢な挑戦を続けています。

出典:経済同友会ホームページ「組織概要」より引用

経済界の「我田引水」の意見に振り回されてきた日本社会

近年の日本社会は経済政策、金融政策、雇用政策など一貫して、経済界の政策提言を尊重する形で進められてきた。

上場企業の株価を日銀や年金が異常な規模で買い支えたり、公務員削減や保健福祉体制の縮小や「小さな政府路線」、派遣労働者や非正規雇用を増やす政策も経済界が進めてきたものである。

これらで日本社会はよくなっただろうか。住みやすくなっただろうか。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、保健福祉体制の不備が明らかになり、公務員の少なさや保健師などの人員体制の不十分さも指摘されている。

経済界からの政策提言は、近年一貫して、自分たちの税負担や保険料負担を嫌い、社会を支える保健福祉インフラへの投資を避けてきた。

いわゆる「小さな政府路線」であるし、非正規雇用の拡大にも尽力してきた。

現在、新型コロナウイルスの影響で現れている生活困窮者は、多くが非正規雇用や自営業にさせられているフリーランスの労働者だ。

竹中平蔵パソナグループ会長らも、これらの政策を進めてきた象徴的な人物である。

つまり、経済同友会を含む経済界に日本社会は振り回され、彼らの利益のためにシステムを構築させられてきた。

そして「戦後最大の国難」とも表現される現状においても、市民が懸命に求めてきた政策を利用し、介入する姿勢をとる。

内容がまともなものであれば、一考の余地はあるが、何ともお粗末な「我田引水」ぶりである。

麻生財務大臣の認識同様、現金は貯蓄に回ってしまうので、効率的に消費させること、市場にお金を回すことを優先するために電子マネーなのだ、と。

電子マネーは言うまでもなく、家賃の支払いや小規模商店では使用できない場合が多い。

電子マネー関連会社や情報IT企業は利益を上げられるかもしれないが、高齢者や障害者は電子マネーを利用できるだろうか

少しだけ想像してみれば、いかにおかしいことを主張しているか、誰でもわかるはずだろう。

このような経済界の放言、政策提言を残念ながら、私たちは許してきてしまったし、政治や政策に影響をさせてしまってきた

そして、国難である。

もう私たちは誰の言葉を信じて、どのような言動をしていくのか、問われる時代に入っている。

理解し難い主張をする経済同友会にもさまざまな声を寄せてほしい。

少なくとも、私は国難、生活者の危機に際し、意義が低いと思われる経済活動に利用する人物を経済界トップに置いておく野蛮な社会を望まない

経済同友会 桜田謙悟代表幹事は発言の責任をとって辞任されてはいかがだろうか。