自民党幹部「もたない会社つぶす」発言 日本は会社がつぶれると人が死ぬ可能性が高い国

自民党幹部による「もたない会社はつぶすから」発言も飛び出す実態(写真:つのだよしお/アフロ)

自民党幹部が「もたない会社をつぶす」発言

自民党・安藤裕衆議院議員がインターネット動画番組や雑誌取材に対して、自民党内部の驚くべき発言を紹介してくれている。

以下の問題発言部分の動画をご覧いただきたいし、その後の安藤衆議院議員のインタビューも読んでいただきたい。

なんと、自民党幹部が企業倒産を容認する発言をしていたというのだ。

一体、暴言を吐いたのは誰なのか。

安藤が提言書を持って行った西村なのか、自民党の岸田文雄政調会長なのか、それとも別の誰かなのか――。

改めて安藤議員に暴露の真意を聞くと、こう答えた。

「誰が『もたない会社をつぶす』と言ったかは、ご想像にお任せします。あらゆる会社を突き放すのではなく、体力がない、あるいは放漫経営の会社を指して発言したのではないか。いずれにせよ、国が企業に救済措置をせざるを得ない状況です。どんな会社も一律に救うべきと考えています」

身内をかばっているのか、暴言の主は明かさなかったが、「弱者見殺し」政権のホンネが透けて見える。

出典:自民幹部「もたない会社潰す」発言に透ける安倍政権の本音 4月15日 日刊ゲンダイ

安藤裕衆議院議員が危機感を有する理由は倒産=自殺者数の増加という根拠があるから

自民党・安藤衆議院議員とは、最近交流がある。勉強会にも参加させてもらいながら、情報交換を続けてきた。

彼は税理士出身で、中小・零細企業の税務を担当することも多かったと話してくれた。

個人事業主やフリーランスの苦難も実感している理由だ。

だからこそ、弱い立場に置かれた人々の代弁をするために国会議員を志したことなども打ち明けてくれている。

私が所属する生活困窮者支援のNPO法人の現場にも視察に来てくれて、スタッフから現状について説明も受けている方だ。

その安藤衆議院議員だからこそ、さすがに「もたない会社はつぶすから」という自民党幹部の発言に、我慢ができなかったのだろうと想像する。

なぜ安藤衆議院議員が問題視しているか、と言えば、日本では社会保障や失業対策が不十分なため、倒産や完全失業率が上がると自殺率も相関して上がる

生活困窮者支援に関心があり、取り組む者の共通理解として、倒産や失業は日本の場合、市民の「死」を意味すると言っても過言ではない。

この想像力がない人々は倒産や失業を軽視するのだが、日本の現状を見れば、極めて危険な状況といえる。

倒産しても社会保障や失業対策が充実していれば問題ないが、社会福祉の専門家という立場から見ても、決してそう言えるものではない

再起を図るための支援や失業給付、生活保障は脆弱だといっていい。そのなかで絶望感を有してしまう方達を多く見てきた。

経済の落ち込みや大きな社会不安があったとき、これまでどんな影響を自殺問題に及ぼしてきたのか、という問いに、長年、自殺対策に取り組んでいるNPO法人ライフリンクの清水康之代表は以下のように答えている。

清水:実は、はっきりとした影響が見受けられます。

日本の自殺者数は、1997年まではおよそ2万人台の前半で推移していました。

これが98年、一気に8千人以上増加して、3万人を超えたんです。

98年度の前年、つまり97年の秋に、北海道拓殖銀行や三洋証券が経営破綻に陥って、山一証券が自主廃業に追いやられました。

その決算期にあたる98年3月に、日銀の単価が急激に悪化して倒産件数が跳ね上がり、完全失業率が当時としては最も高い4%台となりました。

そうした社会経済状況の悪化に引きずられるようにして、日本の自殺は急増に転じました。

こうして日本の自殺の問題の背景には、社会経済的な問題が非常に深く関わっているということがすでに分かっています。

今回も、経済の問題が人の命の問題に直撃することがないよう、万全の策を講じていく必要があります。

出典:新型コロナウイルス感染拡大、自殺問題へ及ぼす影響は ―NPO法人ライフリンク代表、清水康之さんインタビュー 安田菜津紀

4月15日、今日の記者会見でも清水康之代表は「新型コロナウイルスによる経済不安が自殺につながらないように、最大限注視しなければならない」と繰り返し強調した。

自民党幹部の発言が問題視されず、不問とされるということは、私たち市民の命が軽視されるという重大な問題である。

だからこそ、安藤衆議院議員は非難や孤立のリスクもありながら、内部告発をおこなったと言ってもいいだろう。

私は生活困窮者支援の現場で救えなかった命にもいくつも出会ってきた。

政治や社会福祉の仕組みが充実していれば、守れた命は多かったと思う。

新型コロナウイルスによる経済危機が人々の命を奪わないように、最大限の配慮を持って政治政策を行うべきである、という基本は政治家に絶対忘れないでほしいものだ。