「セブンは24時間営業やめろ」という主張は時代に合致しているーみんな遠慮せずに声を上げようー

深夜営業にこだわる様相を見せているセブンイレブン本部(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

セブンイレブンが24時間営業を止めるとブランド力は低下する!?

セブンイレブンは24時間営業を継続するべきなのか。

セブンイレブン本部と加盟店オーナーやブラックバイトユニオンなど一部の労働組合が24時間営業をやめるべきか否かで論争が起きている。

Yahoo!オーサー仲間の佐藤昌司氏は「セブンは24時間営業やめろ」と無責任に主張する人に欠けた視点という記事も配信して、24時間営業を止めるべきだという意見を牽制し、セブンイレブン本部の意見を代弁している。

佐藤氏によれば「セブンは24時間営業をやめるべきではない」という。その主張はブランド力の低下を招くからだという。

以下の通り、彼の主張を引用しておく。

ブランド力は消費者の選好に大きな影響を及ぼすため、ブランド力が低下すれば集客力も低下してしまう。集客力の低下は全時間帯に影響を及ぼすため、24時間営業をやめた店舗は深夜だけでなく昼間の客も減ってしまうだろう。深夜の客数を単純に引き算するだけでは済まなくなるのだ。

 さらに問題となるのが、24時間営業を続ける店舗にも悪影響を及ぼすことだ。当然だが、セブンのブランド力はセブンの名がつくものすべてに影響を与える。24時間営業を続ける店舗にも当然に影響を与えるため、セブンのブランド力が低下してしまえば、24時間営業を続ける店舗の集客力も低下してしまうだろう。

どう思われただろうか。

結論から言えば、僕は佐藤氏に反して、セブンイレブン本部の言動を批判し、24時間営業を止めるべきだとする立場をとる。

セブンイレブンのブランド力をこれ以上、低下させないためにもそのような立場をとりたい。

要するに、加盟店オーナーとユニオン側の意見の代弁者である。

佐藤氏はセブンイレブンは24時間営業を止めるとブランド力は低下するというが、そうではないという立場でもある。

むしろ、24時間営業に固執した方がブランド力の低下を招き、長期的に立ち直れなくなることを危惧している。

セブンイレブンは24時間営業を止めてもブランド力は低下しない。むしろ向上する

佐藤昌司氏も引用し主張の根拠としていたブランドコンサルティング会社のインターブランド社の評価方法を見てほしい。

ブランド強度分析

ブランド強度分析は,市場でのロイヤリティ,消費者の継続購入や囲い込みといったクライアントのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り,ブランドによる利益を割り引いて現在価値に換算するものです。この評価は,ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり,以下の10項目で評価されます。

ブランドのリスクを判断する体系的な10項目
ブランドのリスクを判断する体系的な10項目

経営層や社員のブランドへの支持や管理体制などの社内評価,市場でのブランドのポジション,消費者の認知・好感度,イメージなど社外評価を踏まえ,同業種の他ブランドと比較して,100をパーフェクトブランドとする0から100までのスコアで表されます。

ここで指摘しておきたいことは、ブランド力が「消費者の認知・好感度,イメージなど社外評価」を踏まえてスコアで示されることだ。

さらに、Responsiveness(変化対応度)もその指標の一つである。

これは世論や社会の情勢に従って、経営方針や手腕を変化できるかということだ。

この調査自体が社会調査方法としては、論拠に値するのかという議論は別にしても、外せない重要な指標と言える。

そこで再度、セブンイレブン本部の方針を検討いただきたい。

24時間営業に以前と同じく固執するセブンイレブン本部の姿を消費者はどう見るだろうか。

過労死をなくそう、働き方改革だと安倍首相が音頭を取りながら政府、厚生労働省も主導するなか、社会や消費者はどう見るだろうか。

企業イメージはこのところ悪化していないだろうか。

そもそも時代の変化に即応できているだろうか。

世論はシビアにその対応を注視している。

まして僕もセブンイレブン本部が嫌いではない。むしろ頑張ってほしいとすら思っている。

ただ批判も真摯に受け入れる体制が必要だと指摘しているだけだ。

実のところ、コンビニエンスストアなど小売業における24時間営業や深夜営業の議論の歴史は深い。

24時間営業が開始された当初は、深夜の少年のたまり場になり、犯罪や非行の温床になるとの意見もあった。

労働者の健康被害もあるから当初より賛否両論があった。

例えば、2000年初頭には改めて内閣府「小売店舗等に関する世論調査」(2003)があり、深夜営業小売店は必要か、という問いを立てて聞いている。

深夜営業小売店は深夜に買い物ができるなど便利な一方で,深夜営業に伴う懸念もあるが,深夜営業小売店は必要だと思うか聞いたところ,「必要だと思う」とする者が56.8%(「必要だと思う」30.6%+「どちらかといえば必要だと思う」26.1%),「不要だと思う」とする者の割合が34.6%(「どちらかといえば不要だと思う」16.5%+「不要だと思う」18.1%)となっている。

性別に見ると,「必要だと思う」とする者の割合は男性で高くなっている。

年齢別に見ると,「必要だと思う」とする者の割合は20歳代から40歳代で,「不要だと思う」とする者の割合は60歳代,70歳以上で,それぞれ高くなっている。

16年前は世論の過半数が若者を中心に深夜営業が必要だと応えている。

若者にとってはやはり利便性は重要な要素だったことがうかがえる調査だ。

では10年前の世論調査はどうか。

例えば、コンビニ深夜営業 規制の賛否、二分(毎日新聞2008年7月25日)という毎日新聞の調査によれば、「賛成」47%、「反対」53%と反対が形勢を逆転する。

毎日新聞がNTTレゾナントの協力を得て行ったインターネット調査では、コンビニエンスストアの深夜営業規制について、「賛成」47%、「反対」53%と、賛否が二分した。

それ以降は参照に値するような大規模調査がなされているとはいえないが、直近のYahoo!意識調査では報道も受けて、コンビニの24時間営業、どう思う?との問いに「24時間営業は減らしてもかまわない」が89.6%(29901票/33,382票)であった。

Yahoo!はどちらかといえば、若者や中年層を中心とする情報媒体だ。ここでの調査結果は驚くべきものだった。

調査結果が鮮明だからだ。

この情勢であれば、社会調査をおこなったとしても、24時間営業や深夜営業不要論が過半数を超えることは確定的ともいえる。

要するに、Yahoo!世論調査の形勢を鵜呑みにしなくとも、時代は24時間営業に大半がNOを突き付けている客観的な事実があると言えよう。

これ以上、ブランド力だなんだと過去の経営方針や栄光に固執しても新しい時代のニーズにはマッチしないだろう。

過労や長時間労働、深夜労働を転換する機運は想像以上に速いスピードで私たちに変革を迫っている

時代遅れの小売業として支持を失うのか、時代に先駆けて転換を図って支持を得ていくのか、セブンイレブンの対応が問われている。

様々な意見があるだろう。ぜひ賢明な判断がなされることを世論、大衆ととも待っている。