年度末に多いアパートの退去時に敷金を返して貰えなかったり、追加費用を請求された場合に対応する方法

不動産業者や大家による不当な請求(ペイレスイメージズ/アフロ)

 転居の際に多い不当な請求

もうすぐ4月。

通勤や通学のために新生活を始める人も多い引っ越しや転居の時期である。

住み慣れた住宅の契約を終了して、また新たに住み替えをおこなう人も多い。

実はそこで、転居の際に「敷金を返してもらえない」「原状回復費用を追加請求された」などの相談が増える時期でもある。

例えば、過去には・・・

「12万円の家賃だったので2か月分の敷金を預けていた。その24万円の全額が返してもらえなかった」

「敷金を返してもらえないと家電製品などが揃えられなくて困ってしまう」

「普通に生活していただけなのに部屋の汚れやキズを指摘されて敷金を返してもらえなかった」

「部屋の原状回復に多額の費用がかかるので30万円の追加請求を受けた」

「新しい住宅に引っ越した後も前の家の原状回復費用を分割で返済している」

といった声や相談が寄せられる。

Twitterでも以下のようなつぶやきは3月から4月にかけて増える。

記事を読んでいる皆さんのなかにも、引っ越しを多く経験された方がいるだろう。

過去を振り返ってみてほしい。

アパート等の退去時には、敷金を返して貰えなかったり、追加費用等を請求されて、理解もできないまま納得できず、泣き寝入りをしていた方も多いのではないだろうか。

不動産業者や大家の要求通りに仕方なくお金を払わされてきた方もいるかもしれない。

どうしても家を借りている人々の立場は相対的にみて、家主や大家よりも弱いものだ。

そこで立ち止まって考えなければいけないことは本当にその費用を払わなければいけないの?ということである。

そもそも国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、部屋を借りている人が負担すべき修理費用は『故意・過失、通常の使用を超えるような使用による損耗等』とされている。

普通に生活していてキズ等ができるのは当たり前で、これら自然に損耗するような「経年変化の修繕費用」は家賃に含まれるものとし、原状回復とは借りた人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明記している。

 専門機関や無料で法律家に相談する

では、このような不動産業者や大家からの理解ができない請求がされた場合はどうしたらいいのか。

まず最も重要なことはひとりで考えず、家族だけでも悩まずに、第三者に相談してみることである。

 消費生活センター

まず消費生活センターがある。

消費生活センターは全国どの都道府県にもある身近な相談窓口であり、消費生活相談員が相談を受けて、状況に応じて対応してくれる仕組みだ。

敷金や家賃のことだけでなく、日常的な金銭トラブルや消費者トラブル全般の相談も受け付けてくれる。

とても頼もしい私たちの仲間も働いている。

 ブラック地主・家主対策弁護団

他にも弁護士が相談にのってくれるブラック地主・家主対策弁護団の活動がある。

この弁護団は、借地人・借家人の権利を守り、法律の根拠もなく、不当に借地や借家からの立ち退きを求めてきたり、高額な金銭(更新料・賃料等)を要求してくる地主・家主(ブラック地主・家主)からの被害救済のために組織された。

以下のように弁護団では借家人が対等に家主らと交渉できるように相談を受けている。

 

皆さんがもっている権利(賃借権)は、所有者である地主や家主と対等に交渉ができる権利です。

しかし、未だ所有者の方が上で、賃借人は所有者の言うことをきかなければならないといった誤解・偏見があります。

きちんとした法律の理解を進めてほしい、これが弁護団の目的です。お気軽にご相談下さい。

ホームページには相談フォームもあり、メールでの相談料は無料だ。こちらの相談フォームからメールで相談することが可能だ。

 全国借地借家人組合連合会

また、日常的に家を借りている人(=借家人)の権利救済や住宅政策の提言など、情報発信を手がけている全国借地借家人組合連合会がある。

ここでは過去の相談事例や判例(裁判事例)など多岐にわたる情報を出し続けている。

全国各地の借地借家人連合会では相談も受けているので、こちらも参照いただきたい。

 最後に

これまでも部屋を借りていた多くの人は、不当な請求を受けて泣き寝入りしてきた事実がある。

第三者に相談する余裕もなく、請求されたままに支払いに応じてきた人も多いだろう。

これからは部屋を借りている人も正当な権利として「おかしいことはおかしい」と声を上げてほしい。

助けてくれる仲間はたくさんいるのだから。

また声を上げてくれないと不動産業者や大家が「これでいい」と思い、不当な慣習は続き、第二、第三の泣き寝入りが生まれてしまうことにも繋がりかねない。

ただでさえ、賃借人の立場は相対的に弱いうえ、日本には居住権という権利が確立されていないため、簡単に住宅を追われる人や不当な要求が多い。

よりよい居住環境を守ったり、おかしい慣習を変えていくためにも、「仕方がない」「まーいいや」ではなく、身近なところから声を上げることが重要だ。

最後に、新しく家を借りる際も、入居時に部屋の写真を撮っておく、賃貸借契約書をよく読んで確認しておくことも重要である。

読者の皆さんがよりよい新生活を始められ、不安なく希望にあふれた4月を迎えていることを願っている。