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【GW特集】いざ “格闘技の沼”へ!各団体イチオシ動画一挙紹介 ~総合・組み技編~

藤村幸代フリーライター
写真はイメージです(写真:アフロ)

 ゴールデンウィーク中も巣ごもりが続きスカッとしたい人、格闘技観戦を予定していたが延期などで機会を逸してしまった人、格闘技に興味はあるけど何から見ていいか分からない人などなどに楽しんでもらうべく、公式チャンネルを持つ格闘技団体・プロモーションに広くアンケートを実施。イチオシ動画、鬼押し動画を教えてもらった。

「各団体イチオシ動画一挙紹介~立ち技編~」はこちら

◆【修斗】レジェンド宇野薫の生き様に刮目せよ

「リアルファイト」を追求し続け30有余年の修斗からのオススメ動画は、5月16日大会に出場する“リビング・レジェンド”宇野薫の歴史と魅力をおさらいできる2本だ。2019年11月のマーカス・ヘルド戦は、当時44歳の宇野が3年半ぶりの勝利を誓い26歳のドイツ王者に挑んだ一戦。試合後、ファミリーを呼び寄せてのマイクも含め感動の一本だ。

 もう1本は「伝説の一戦」として知られる佐藤ルミナとの修斗ウェルター級(-70Kg)王座決定戦。2本のどちらを先に見ても、20年間、格闘技の最前線で疾走し続けてきたファイターの生き様に胸がいっぱいになる。5.16大会の対戦相手が佐藤ルミナの愛弟子・内藤太尊だと知ると、この一戦がさらに興味深いものになるはず。

◆【パンクラス】大会告知がそのままKO・一本勝ち集に!

 老舗団体パンクラスからは、5月30日に開催される『PANCRASE 321』大会のPR動画。オススメの理由は「どこよりも遅い2021年初戦のPR動画だから」と、やや自虐的だが、メインイベントの王者ISAOと同級1位・中島 太一による「フェザー級キング オブ パンクラス チャンピオンシップ」を始め、今大会出場選手の過去の名場面がおなじみのテーマ曲に乗せて丁寧に編集されており、パート2と合わせて見終わる頃には大会への期待が一気に高まること請け合いだ。

 また「秒殺(超短時間決着)」を世に広めた団体ならではの再生リスト「秒殺といえばパンクラス。」も必見。今大会でメインを務めるISAOの衝撃KOシーンも見られる。

◆【DEEP】興奮と涙と笑いが詰まったDEEPらしさ爆発の名作

 画期的なマッチメイク、幾多の名勝負、名選手を輩出し続け今年2月、ついに定期シリーズ100回大会を迎えたDEEPからのイチオシは、その『DEEP 100 IMPACT』大会のライブ配信時に流れた記念動画。功労者・佐伯繁代表の愛されキャラぶりを挟みながら20年間の足跡、激闘がぎゅっと凝縮されているので、6分の動画なのに名作映画並み、いやそれ以上の満足感が得られるはず。

 また、珍しいところでは現在RIZINで活躍する朝倉未来のプロデビュー戦(2012)も。ファイトスタイルや体つきの変化から、選手の努力や試行錯誤に思いを馳せてみるのも、格闘技動画の楽しみ方のひとつだ。

◆【DEEP JEWELS】バックステージの濃密な物語

 DEEPでは女子総合格闘技イベントも定期開催しており、動画配信の頻度も高い。今年3月の『DEEP JEWELS.32』からは、選手一人一人の素顔に迫るショートムービー『The trajectory of DEEP JEWELS」』の配信もスタート。試合前の緊張から試合後の勝者の喜び、敗者の涙まで余すところなく描かれ、episode.2、episode.3と合わせて応援したくなる選手が必ず見つかりそうだ。

『The trajectory of DEEP JEWELS.32 episode.2』

『The trajectory of DEEP JEWELS.32 episode.3』

◆【HEAT】名古屋発イベントには超大物からのメッセージも

 「名古屋から世界へ」「日本対世界」をコンセプトに、名古屋で初の八角形金網リングを導入するなど精力的にイベントを開催し今年16年目を迎えたHEAT(ヒート)。総合だけでなくキックや空手など自由な発想から生まれるマッチメイクも魅力だ。キックルールで活躍していた皇治は、HEATでの世界王座奪取を足掛かりにK-1へ参戦、現在はRIZINのキック部門をかき回す存在となった。

 元・柔道五輪金メダリストの石井慧やK-1ヘビー級で活躍したピーター・アーツ、ジェロム・レ・バンナなど、意外な大物参戦もHEATの歴史を彩り、公式チャンネルには石井の師としてミルコ・クロコップのメッセージ動画も。

◆【GRACHAN】4時間・全28試合のグラチャン激闘史を見よ!

「ストリートから生まれた唯一のプロ団体」としてスタートしたGRACAHAN(グラチャン)だが、王座創設や地方行政との連携、選手育成や技術向上のためのアマチュア大会の充実など数年、数十年先を見据えた運営で着実に格闘技界での地歩を固めている。今回のオススメ動画は、米国の動画配信サービス『FITE TV』での有料配信(Part.1のみ無料)用に、岩崎ヒロユキ代表が厳選したベストバウト集。Part.1からPart.3まで4時間弱・28試合のフルボリュームで、これを見ればGRACHAN13年の歩みが分かる。

GRACAHAN13年の歴史を振り返るPart.2

GRACAHAN13年の歴史を振り返るPart.3

 話題のメガトーナメント『RIZINバンタム級トーナメント』にエントリーされ、5月30日の大阪大会で一回戦にのぞむ伊藤空也と獅庵(しあん)の試合も、もちろんベストバウトの中に入っている。

◆【GLADIATOR】期待の王者が期待を(いい意味で)裏切る展開!

 2004年、韓国・ソウルで旗揚げしたGLADIATORブランドは、歴史を経て2016年に現在の新体制に引き継がれリスタート。関西発の矜持から演出やマッチメイクにもこだわったMMAイベントを提供している。

 そんなGLADIATORからのオススメは、2019年4月開催『GLADIATOR009』での宮城友一vs横溝和也戦。地元・沖縄の宜野湾市でキックジム「DROP」を運営する宮城だけに、打撃で行くかと思いきや、電光石火の…⁉

 GLADIATORライトフライ級王者として「絶対に負けられない戦い」を制した宮城は、修斗にも参戦し、現在は修斗世界フライ級9位につけている。GLADIATOR代表としてさらなる飛躍を期待しての、今回の推薦動画となった。

 個人的には『GLADIATOR 001』DVDのオープニング映像がお気に入りだ。金網の設営に始まり、格闘技イベントの運営手順が2分半の中にコンパクトにまとめられていて興味深いのだ。

◆【KROSS×OVER】RIZIN前夜のファイターが執念の逆転勝利

 2017年に産声をあげた新興格闘技イベント『KROSS×OVER(クロスオーバー)』だが、イベント名どおり総合、キック、ムエタイなどジャンルをまたぎ、さらにジュニアからレジェンドまで年齢を超えた自由でオープンなマッチメイクが特徴だ。

 実行委員会のオススメ動画は2019年11月『KROSS×OVER 7』での萩原京平VSKAZ戦。 昨年大晦日『RIZIN.26』での平本蓮戦が大きな話題を呼んだ萩原だが、この一戦でも劣勢から見せるしぶとさや試合巧者ぶりがうかがえる。

 来月、6月6日に開催予定の『KROSS×OVER 12』新宿FACE大会は、昼・夕方・夜の3部制とボリュームMAX。13歳にして200勝をあげているジュニアキック43冠王(!)の曽我昂史(動画の3試合目)も出場。WMC Japan王者ヨウヘイ・ルークカムイとの“ジュニア40kg級頂上対決”に挑む。

◆【QUINTET】話題の組み技イベントで衝撃の秒殺一本祭り

 2018年4月に格闘家・桜庭和志が立ち上げた『QUINTET(クインテット)』は、投げや絞め、関節技で戦う組み技イベント。世界初となる5人1チームの団体対抗戦、それも“抜き試合”と呼ばれる、勝っても次の相手と闘い続けるデスマッチ級の過酷システムで、エンタテインメント性も十分だ。

 今回のオススメ動画は“QUINTETの華”である秒殺一本のセレクト集。所英男らが見せる秒殺フィニッシュは、タイトルにたがわぬ衝撃の連続だ。

 ほかにも「超刺激的な”女のねわざ祭”ゴールデン☆ベスト」「QUINTET史上最高の名勝負! 奇跡の一本祭りに全米が泣いた!」など、タイトルに惹かれて見ているうちに、うっかりQUINTET沼にハマりそう。ちなみに、公式サイトをはじめ、Instagram、Facebook、TwitterなどのSNSでも期間限定の動画配信など、最新情報を随時更新しているとのことだ。

 次回は各団体・プロモーションのイチオシ動画「立ち技編」。それぞれの思い入れがうかがい知れる名作、名試合の連続だ。

フリーライター

神奈川ニュース映画協会、サムライTV、映像制作会社でディレクターを務め、2002年よりフリーライターに。格闘技、スポーツ、フィットネス、生き方などを取材・執筆。【著書】『ママダス!闘う娘と語る母』(情報センター出版局)、【構成】『私は居場所を見つけたい~ファイティングウーマン ライカの挑戦~』(新潮社)『負けないで!』(創出版)『走れ!助産師ボクサー』(NTT出版)『Smile!田中理恵自伝』『光と影 誰も知らない本当の武尊』『下剋上トレーナー』(以上、ベースボール・マガジン社)『へやトレ』(主婦の友社)他。横須賀市出身、三浦市在住。

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