【連載】17歳の殺人者 第9回 放置された遺体

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放置された遺体

八九年一月四日早朝のリンチの翌日。Cの兄から、「フラワーフレンド」で寝ていたBに電話がかかってきた。

「Cの部屋の戸をたたいても開かないんだ。中の様子がおかしい」

Dを残してA、B、Cは電柱をよじのぼってC宅のベランダに降りた。三人は「おまえ入れよ」「いやだよ。こえ-よ」と誰が最初に入るかを押しつけ合っているうちにCの兄が部屋に内側から入った。

女性は布団の上で死んでいた。

Aらは相談の上、ドラム缶にコンクリート詰めにして捨てることにした。このやり方はAが以前に読んだヤクザ劇画で知っていた。A自身も高校中退後にタイル店で見習いとして働いたことがあったから、勝手は知っていた。

Aはタイル店で「組関係の人の壁をこわしちゃって直しに行く」とうそをつき、ドラム缶とセメントを持ち出した。

遺体はバッグにつめ、Cの家の前でドラム缶に入れ、セメントを流しこんだ。近くの川に捨てようとしたが、Bが「化けてでるかもしれない」と怖がった。しかたなくAが運転するワゴン車にのせ、東京湾の埋め立て地に運ぶことになった。こうしてドラム缶は若洲一五号の埋め立て地の草むらに放置されたのだった。

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