『LINE』はOKでメールはNG…… 「ネット選挙」で何がダメで何が大丈夫なのかおさらいしてみる

一般有権者がメールで選挙活動することはできません。(写真:アフロ)

6月22日に公示され、7月10日に投開票が行われる第24回参議院議員選挙。今回より選挙権が18歳まで引き下げられるが、2013年に解禁となったインターネットを使った選挙運動も、公職選挙法の改正により、これまで20歳未満が禁止されていたものが18歳以上の人に認められることになった。そういった意味では、「ネット選挙」で何がOKで何がダメなのか、一度おさらいしておく必要があるように思う。

まず、有権者がメールを使った選挙活動については、密室性や誹謗中傷・なりすましが広がるおそれなどを理由に禁止。候補者・政党のみが認められている。

例えば、下記のようなケースだとNGということになる。

17歳の高校3年生が、すでに18歳を迎えている同級生に対して、家族の知り合いから頼まれて候補者のメールマガジンを「読んでみて、よかったら投票してね!」というメッセージつきでスマートフォンからメールを転送した。

まず、17歳だと「18歳未満」で選挙権がなく、公職選挙法の第百三十七条の二に抵触する。また、候補者・政党以外がメールを使って投票を呼びかける行為が「選挙運動」をしていると見なされるので、公職選挙法第百四十二条の四第一項に触れてしまう。二重にアウトというわけで、違反者は2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処されるだけでなく、選挙権と被選挙権も停止される。特に18歳前後の子を持つ家族は注意した方がいいだろう。

一方、『LINE』『Facebookメッセンジャー』『Twitter』のダイレクトメッセージなどは、特定電子メール法に定められたSMTP方式・電話番号方式ではないので、法律上では「ウェブサイト等」に該当する。インターネットを使った「選挙運動」は「何人」にも認められているので、ここに挙げたメッセンジャーアプリや『YouTube』『ニコニコ動画』などの動画サイトも使いたいと思えば使うことができる。

なので、下記のようなケースだとOKということになる。

18歳の高校3年生が、候補者の演説を写真に撮り画像を『LINE』で送り、「頑張っているから投票してあげてね!」とメッセした。

一見、メールと同じ行為をしているように感じるが、ともかく公職選挙法をそのまま解釈すると抵触しないということになるのだから仕方がない。逆に言えば、『LINE』などは誰もが安心して使える「選挙ツール」だといえるかもしれない。

もうひとつ、注意すべきは投票日当日に関しては全ての選挙活動が認められていないということ。だから、今回の選挙で仮に下記のような例だとNGということになる。

7月9日に候補者が『Twitter』に「応援よろしくお願いします!」と投稿したツイートを、7月10日に「投票なう」というコメントつきでリツイートした。

公職選挙法的には、文書図画を「改めて頒布」した行為とみなされるため、投票日当日に『Twitter』のみならずSNSの使い方に関しては十分注意した方が無難だ。禁錮や罰金はともかく、次の選挙から投票ができなくなるというのは、何気にペナルティが大きいので、わかりにくい点が多々あるとはいえ、空気を吸うようにネットを使っている人間は誰でも注意すべきポイントだろう。

このような分かりにくい点が多々あり「片翼飛行」状態で認められるようになった「ネット選挙」だが、この3年間で改正の機運にはならなかった。今回、18歳選挙権が認められるようになって、上記のような違反が多々発生するような状況が起きるとするならば、「これはおかしい」という話になって再度の改正が遡上にのぼることになるかもしれないが、まずは安易に法律に触れないように個々のユーザーが気をつけることが大事だと思う。

ここからは余談になるが。『Yahoo!ニュース個人』では「公選法上の選挙運動にあたる記事投稿は禁止」となっている。公職選挙法では前述のようにインターネットを使った選挙運動を行うことができるようになっているので、これは「自主規制」といっていいだろう。前回の選挙で「ネット選挙」解禁されたが「報道」にこれといった影響がなかった背景には、何が法律に抵触するのか判然としなかったという面が大きい。そういった意味でも、「ネット選挙」のあり方については、有権者はもちろんメディアもどうあるべきか考えていく必要があるのではないだろうか。