記者クラブ外のメディアからはまだまだ「政治」が遠いという話

「報道の自由度」は眉唾だけど……。(写真:アフロ)

 少し前のことになるのだけど、『BuzzFeed Japan』にこんな記事が掲載されていた。

 東京都議会の取材に行ったら「ネットメディアは報道ではない」と断られた話

 なんでも東京都議会の取材に行って、「インターネットメディアは報道として扱いません」と言われたという話。「ほぇ?猪瀬都知事の時に記者会見参加できていたけれど?」(参照)と思ったので確認したところ、都議会は都議会の管轄で、全会派の同意のもとに議長判断で取材が認められなければならない、という。都知事の会見は記者クラブの主催のため、幹事社の許可があれば参加できる、ということになる。端的に言ってややこしいですね。

 国政に関していえば、鳩山由紀夫政権時代に大臣記者会見に関しては参加メディアの枠はだいぶ広がった。例えば法務省は広報課に電話して参加の旨を伝えるだけで参加できるし、総務省や経済産業省も記者クラブ幹事社の了承があれば入ることができる。内閣府や環境省に関しては、ネットメディアを含めた各媒体に記事を書いている人ならばフリーランスでも取材することが可能だ(参照)。ただ、国会内や首相官邸内に入るのは、依然として記者クラブメディアに限られている。

 一方、都道府県や市区町村といった自治体の取材は東京都に限らず旧態依然としたままだ。例えば横浜市・川崎市の市長定例会見に参加できるのは記者クラブメディアのみとなっている。一部の先進的な自治体を除いて、ほとんどのネットメディアにとっては「慣例」が厚い壁となって立ちはだかることになる。

 最近では、多くの自治体が記者会見や議会の模様をインターネット中継を行っていて、直接取材をする必要性が減っているのではないか、と見る向きもある。ただ、特に大臣・首長の会見は直接質問をぶつけるチャンスである。個人的には、ネットメディアに限らず、参加を希望する全ての有権者に開放されてしかるべきだと考えているが、そのあたりの機運が盛り上がっていないというのが現実でもある。

 こうなってくると、ネットメディア単体で交渉しても各個撃破になって、各取材先に「そういう決まり」という文句で断り続けられるだけだから、業界団体を立ち上げて集団で働きかける方が良いように思えるけれど、ちゃんとあるんですよ、『一般社団法人日本インターネット報道協会』という組織が。ただ、現状では総理大臣記者会見の参加希望を募る程度のことしか機能していなかったりする(しかも官邸に入るまでの警備手続きに便宜を図ってくれるわけでもないので、実質的に入れる取材者は限られている)。

 2016年4月には『国境なき記者団』が発表した「報道の自由度ランキング」で日本が72位と「問題がある」にカテゴライズされていることが話題となった。

 報道の自由度、日本は72位 国際NGO「問題がある」(朝日新聞デジタル)

 筆者としては、国や自治体に対して何を主張しても取り立てて処罰されることのない状態で、先ごろの男児置き去り事件でも子どもの実名が出されるなど、むしろ「知る権利」を濫用しているとも取れる報道が目立つと感じるのだが、とはいえネットメディアに限ると、まだまだ「政治」との距離は遠いことも事実で、そこに対するアクションもほぼ千日手になりつつある。ここに閉塞感を覚えずにはいられないというのが偽らざる感覚だったりするのだ。