今一度考えたい新聞の軽減税率導入の是非

新聞の軽減税率の導入、ほんとうにいいの?(写真:アフロ)

 2016年3月9日、消費税の軽減税率の導入を盛り込んだ税制関連法案が参議院本会議で審議入り。2017年4月より「酒類と外食を除く食品全般」と「週2回以上発行し、定期購読されている新聞」が対象になり、消費税が8%に据え置かれます。既に2月29日の衆議院本会議で税制関連法案が賛成多数で可決となっており、衆議院の優越により軽減税率の導入はかなり濃厚になっています。

 このうち、新聞の軽減税率の導入に関しては、2013年の段階より消費税引き上げ時に軽減税率を導入すべきとする意見書を『新聞の公共性に関する研究会』が発表しており、日本新聞協会のサイトでも「なぜ新聞に軽減税率が必要なのですか」というテキストを掲載しています(参考)。

 ここでは「なぜ新聞に軽減税率が必要なのか?」という問いに対して、下記のように答えています。

 A:ニュースや知識を得るための負担を減らすためだ。新聞界は購読料金に対して軽減税率を求めている。読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠だと考えている。

 しかし、新聞の軽減税率の導入に関しては政府あるいは政治に対して「借り」を作ることになり、これまでと同様のチェック機能が果たせるのかどうか、疑問視する意見もあります。

 池上彰氏は2015年12月25日の朝日新聞のコラム(参考)で、「安倍政権は、新聞に軽減税率を適用することで新聞社に恩を売った。そう受け止めている読者も多いはずです」と指摘。「安倍政権は今後、新聞報道に対し、見返りを要求することはないのか。あるいは、それを仄めかすことはないのか」「新聞業界全体に対して危惧を持っている」と危惧を述べています。

 また、法政大学の藤代裕之法政大学社会学部准教授は、Yahoo!ニュース個人のエントリーで、新聞協会だけでなく新聞労連も軽減税率を求めていることに関して、「公益性は、ジャーナリズム活動にあるのであり、新聞産業や新聞労働者の給与のためにあるのではない」と記し、現場の記者が後ろ指を指されても仕方ないとするだけでなく、『Twitter』で発信している記者たちがほとんど反対の声を上げていないことも指摘しています。この事実は、アルジェリア人質事件での被害者の実名報道に関して、積極的に意見を表明していた時などと比較すると不気味にさえ感じます。

 筆者は、藤代准教授が代表委員を務めている日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の主催する『ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016』に出展します。その場は、新聞を含めて多くのメディア関係者が訪れることになり、今回の新聞の軽減税率導入に関して、当事者がどのように考えているのか、改めて詳らかになる機会にできればと考えています。また、一般の我々との感覚の違いがあるのか、それともないのか、そういったことも明らかにできればなお良いと思っています。

 そこで、ネット上でアンケートを実施し、その結果を会場とこのYahoo!ニュース個人の場で発表します。アンケートは今から3月12日15時30分まで受け付けます。お時間のある人は、是非ともご協力頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 JCEJアワード「新聞の軽減税率導入」に関するアンケート