『週刊文春』安藤美姫選手出産アンケートの実施を支持しません

フィギュアスケートの安藤美姫選手が出産をしていたことがテレビ番組で明るみになったことで、いろいろグロテスクなことになっている。

まず、Facebookに開設された公式ページには、さまざまな誹謗中傷が書き込まれたことにより、管理側が「目に余る表現・内容のコメントについては、予告なく削除させていただくことがあります」と運営方針を変えざるをえなくなってしまった。

運営方針について... - 安藤美姫 Miki Ando Official

個人的には、ここでセクシャルハラスメントと捉えかねない発言者や自由なライフプランを選択することに否定的なユーザーをあらいざらい調べつくしたいという気持ちがなきにしもあらずだけれど。とにかく安藤選手の決断に対して、公開の場でも罵声を浴びせることに抵抗がない人が一定数いるということを図らずも顕在化させることになったわけだ。

そして『週刊文春WEB』が、2013年7月4日にこんなアンケートを募集しはじめた。

緊急アンケート!安藤美姫選手の出産を支持しますか? お知らせ - 週刊文春WEB

この突然の告白に対し、出産を祝福する声が上がると同時に、まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問や、子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判もあります。そこで、下記アンケートへのご協力をお願いいたします。  1)あなたは安藤美姫選手の出産を支持しますか?  2)子育てをしながら五輪を目指すことに賛成ですか?

出典:緊急アンケート!安藤美姫選手の出産を支持しますか? お知らせ - 週刊文春WEB

「支持」も何も、もう実際に出産をしたひとりの女性に対して祝福ができない、というのが成熟した人の態度とは思えないし、このようなことを聞いて回らなければならないメディアなんて潰れてしまえ、というのが正直な感想になる。

そもそも、オリンピックを目指すフィギュアスケーターはアマチュアであって「プロ」ではないし、今回の安藤選手の選択に関わらず競技の結果によって日本代表が選出されるわけで、目指すこと自体の賛否を問う意味はほとんどない。他の競技でも国内外問わず出産を経験してなお現役を続ける選手が少なくない中、「父親が明かされていない」という一点において大きく取り上げるメディアの姿勢こそが問われる必要があるのではないか。

また、「子育て」というのは母親ひとりでするみたいな書き方だけど。家族・親戚や関係者でサポートしなければ子を育てることはできないという視点がすっぽりと抜けているのも、無理解の根の深さを感じざるをえないし。

文春はスポーツ選手に寄り添い続けた『Number』という雑誌をずっと発刊し続けているだけに、このようなアンケートにGOが出したということに対して衝撃を受けた。もちろん、編集部が違うのだろうけれど、内部で異議が上がらなかったのだろうか?

いずれにしても、有名人とはいえひとりの人間なのだから、個人的な幸福を追求する権利は誰しにもあるわけで、それを口出ししようとする人が多数存在すること自体が残念としかいいようがないし、そういった興味に乗ろうとするメディアがさらに助長するという構図の方こそ真剣に議論されるべきだと思う。

個人的にも、今回の『週刊文春』のアンケートは実施すること自体が支持できません。早い段階での募集の中止を望みます。