ソーシャルブックマークは役割を終えるのか

Yahoo!ブックマークが2013年7月17日をもってサービスを終了。今後データはオンラインストレージサービスのYahoo!ボックスに移行、9月3日までははてなブックマークなどにエクスポートも可能とのこと。

Yahoo!ブックマークをご利用のお客様へ大切なお知らせ

既に2011年にはFC2ブックマークやgooブックマーク、@niftyクリップが終了し、2012年10月にはlivedoorクリップが6年の歴史に幕を降ろしているから、「よくここまで引っ張ったなぁ」というのが正直な感想になる。

もともとソーシャルブックマークサービス(SBM)は、ブラウザのブックマークを複数のPCで使うオンラインブックマークを公開しちゃってもいいんじゃないか、というシンプルな設計思想だったのだが、2003年に登場したdel.icio.usがタグを導入することにより、一つのトピックに対して複数のページが紐付けられるという使い方が導入された。これにより、複数のユーザーによる編集という側面が生まれて、SBMのメディア化が進むことになる。2004年に登場したDiggではユーザーのクリップを投票として上位表示されるだけでなくコメントも可能なので、ユーザーが自由に編集するニュースメディアという役割を帯びることになる。

それで、日本語圏のSBMでDiggと同様の機能を果たしたのは、2005年に登場したはてなブックマーク(以下はてブ)のみだった。競合サービスが乱立した中から頭ひとつ抜きん出た理由としては、はてなダイアリーをはじめとする提供サービスのユーザーが積極的に活用し、ブックマーク自体がブログのコメント欄のようにも利用され、ユーザー間のコミュニケーションを促進されたということが挙げられるだろう。逆に言えば、Yahoo!ブックマークをはじめとするはてな以外のSBMは、「ブックマーク」に留まりソーシャルニュースになり得なかったという捉え方が出来るように思える。

そんなわけで、次々とSBMが終了したからといって、多くのブログユーザーを抱えており、一定のコミュニケーションが残っているはてブがただちにヤバくなるとは言えないだろう。

とはいえ、「気になった記事のコメントする」という以外の用途にも使えるtwitterと比べて汎用性に劣るし、手軽さではFacebookの「いいね!」には勝てないという中途半端な存在になってしまっているから、これから新規のユーザーを獲得していくのは難しいように感じる。

一方、twitterやFacebookのタイムラインなどから自動的に情報を整理、生成するFlipboardgunosySmartNewsのようなパーソナルマガジンやニュースアプリが台頭しているのは、自分で能動的に情報を集めるのではなく、何もしなくても趣味趣向に合った記事を教えてくれるという受動性へとユーザーの希求が移りつつあるのが理由として挙げられる。そりゃあ、ラクにニュースや記事をチェックできるならそれに越したことないものね。

はてブも2013年1月にリニューアルをしてスマートフォンやタブレットからの閲覧を意識したユーザーインターフェースを導入し、まったく手をこまねいているわけではない(個人的にはタイル式になって一覧性が失われ不便に感じるけれど)。だが、ライフハック系やはてな内で話題のトピックが上位に目がつくようになって新しい知見を提供するブロガーを発見するということが少なくなったし、情報収集先としては使い物にならなくなった、というのが本音だったりする。

となると、やはり個別のユーザーが自分好みにパーソナライズできるのか、というところがカギになってくるのではないだろうか。Flipboardなみにかっこいいインターフェイスが提供することができればまだまだいける。

Flipboardは自分で収集した情報をオリジナルの雑誌として公開することができるが、それを内部の編集チームがチェックしてピックアップしている。つまりはメディアとしてすごく自明的なので、これからユーザーのキュレーションの主戦場になっていく可能性が高い。これははてなをはじめとする日本語圏のウェブサービスがおざなりにしてきた部分でもある。はてなもブックマークニュースでオリジナルコンテンツを発信していて、トピックを作りユーザー間のコミュニケーションを促進しようとしているのは分かるのだけど、もっと個々のブックマーカーに対するオーソライズに注力する必要があるのではないだろうか。