新しい働き方やAI、クラウドは人の仕事を奪うという思考停止

AIは人の仕事を奪うという話があります。

確かにAIに適した社会インフラができていくことで、今まで人力で成り立っていた非効率な仕事のうちのいくつかが自動化されていく社会に変わっていくことは予測できます。

全てとは言わないまでも、ハイエンド以外のローエンドが自動化されて今までローエンドを担っていた人達が成立しなくなるという仕事も出てくることでしょう。

じゃあ人間の仕事がなくなるのか?というのとそんなことはなくて、一方で、そのようなインフラを担うのは人間です。

よくクラウドコンピューティングという技術ワード&マーケティング用語がありますが、これは古くからのレンタルサーバのより効率化されたものであったり、ハイエンド技術としてまとめあげたものだったりします。そこには必ずサーバを守っている人達が存在するという事実には変わりません。

このような話はクラウドを提供する事業者の人達と話をするとよく出てきます。対障がい性であったり、災害時のバックアップの話、パフォーマンスにおける極限状態の話をする時によくでてきくる話でもあったりします。

「言うても、結局、どこかにはサーバを守ってる人がいてさ。究極的には、そこに限界があるんですよね」という話になるわけです。システム設計者はその部分を見極めて、設計をすることが求められます。

どんなにクラウドが発展しても、そこにいる人間のミスによる影響は100%防ぎきれないし、システム設定のミスで全員のサービスが止まってしまうということはあるわけです。

仮にAIが素敵な意思決定のサポートを自由にさせてくれる時代になっても、データを保存するストレージや、CPUを搭載したコンピュータが壊れることはあるし、AIのアルゴリズム自体は人間が作らなくてはいけないし、人力で集約的にデータを集める人達がオペレーションしていたり、サポートセンターで働く人達は、素敵なセキュリティ保護技術が生まれるまでは、より一つの場所に集約的に必要になるのかもしれません。

そこにあるのは情報産業の構造変化であって革命とまでは言い過ぎだと思うわけです。AI同士でさえ、競争と淘汰の世界になれば、今の時代に存在する製品と変わらない生き残るための戦いがそこに発生するわけです。

よくプロブロガーと言われるようなインターネットを活用し、経済活動まで調達しているような人達は、場所や時間からの制約を逃れた新しい働き方がこれから来るという話をする人がいますが、それはある側面では正しいと思う一方で、この人達をお客様として、サービスやお金を配分する事業者がいて、クラウドという名前で、世界中のどこかのデータセンターやサポートセンターに通って働く人たちは存在しているわけです。

たったこの事実だけでも、全員が同じ生き方にはなれないのは明白です。プラスとマイナスのように結合する仕組みが対として存在して、利用規約以上の契約のしばりもなく、相互に都合よく利用しあっているに過ぎません。

それ故に、新しい価値観で働きたい新しいプレーヤーに対して、サービスを提供するプレーヤーとしてクラウド産業に従事する人達とは、理想的にはwin-winである必要があります。つまり、ゆるい関係性ではあるもののビジネスパートナーであることが望ましいわけです。

いずれにせよコンピューティングの世界と進化は間違いなく今後も人間が支えていくでしょう。人間が支えなくなったコンピュータは、その進化を止めてしまい、時代の変化、人々の興味、トレンドの変遷と共に「レガシー」「寿命を迎えたAI」などと呼ばれて滅びゆくだけです。進化し続け栄え続けるクラウドサービスの要件は、そこに人間が介在し継続的な進化を続けていくことと、それにあわせて、素敵な経済活動が伴うことです。

ただ、その時には国境みたいなものはほとんど意味がなくなっていることと、誰が世界を牛耳っているかについては、たぶん日本人ではなさそうだ、ということだけはなんとなく見えています。それがアマゾンやGoogle、Facebookの将来にかかっていることは間違いないようです。