地方創生は、インターネット時代の情報発信力を持ったUターン、Iターンを増やせ

先日、BASE代表の鶴岡と、私の2名で青森県の弘前に交流イベントに行ってきました。

このイベントは、青森県の「ITビジネスリーダー創出・定着事業実施業務」により実施されたもので、ITを活用する人材の育成と、地元における起業を促進しようという取り組みの一貫でお招きいただいたものです。

弘前で学生とIT企業人の交流会 ショッピングサイト「BASE」役員ら招く /青森

今回のイベントを開催された大浦さんにも青森の実情や課題などをいろいろお伺いし、夜は、イベントに参加された弘前や青森から来た大学生、当社のオフィスのご近所にある東京の会社とリモートワークしているWeb系エンジニア、弘前経済新聞の記者、Web制作者向けイベントで有名なCSS niteを青森で運営されていた方、弘前で一風変わったツアーを企画し続ける旅行代理店の方などと、限られた時間の中でしたが、沢山話をしてきました。

これまでもご縁があって、福井の鯖江や、今年も2回行った鹿児島のさくらじま、など素敵な人達、素敵な歴史を持ったところでお話をお伺いする機会がありましたが、いつもこのような機会で、現地の熱い人達からお伺いする共通の言葉があります。それは、

「自分たちの街や、自分たちの県をもっとよくしたい、どうにかしたい」

という言葉です。

僕は、親もサラリーマンで地方から出てきた身で、埼玉県という東京のベッドタウンで育ったからかもしれませんが、あまり県に対する思い入れはありません。

長く住んでいた西武線にせよ東武東上線にせよ、判を押したように駅前は似たようなチェーン店とパチンコ屋が立ち並ぶ場所であり、何か面白いものを買いに行く場所は池袋や新宿、渋谷に行くことになります。つまり市場形成として、東京というマーケットとの関係性は無視できない。たまに地元の素敵なお店はありますが、基本的には飲食も含めて大企業に牛耳られている世界に見えるというのが実情でしょう。

そういう状況で育ったので、余計に「自分たちの県をどうにかしたい」という言葉は、とても新鮮です。少なくとも僕の会話の中で、埼玉県が○○などと言う言葉は出てきませんし、「青森県へようこそ」「是非、鹿児島を楽しんでください」という言葉は持っていません。

今回、弘前から近くの街を案内していただき、素敵な場所を拝見させていただきました。

まず、僕はりんごの木を見たことがなかったようで、純粋にカワイイなと思いました。

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カブトムシはデパートで買うものと思っている少年と同じぐらい、りんごが木になっている姿は新鮮な光景でした。

青森は、ねぶた / ねぷた祭りが有名ですが、五所川原市のたちねぷた(立佞武多)も圧巻でした。

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実物大のガンダムよりも大きいこの山車はショールームで保管され、観光客はいつでも見ることができます。この場所は工場にもなっており、3年毎に新しい山車を作るとのこと。そうしていかないと人の育成もできないですよね。

一見の価値ありで、とにかく迫力がすごい。動いてるところを見てみたい!

そして衝撃的だったのが、「日本最強のハゲ頭決定戦 吸盤綱引き選手権」

青森県の鶴田町という町が、ツルという名前にひっかけてやっているイベントで、ハゲであることを楽しもうと、とことんポジティブです。

頭に吸盤をつけるので、本当のハゲの人が強いです。このようなゲームで若い人よりも老人の方が強いというのは、企画としても純粋に感動的です。今回が第二回の大会だったようですが、右の方が二連覇を遂げたそうです。

このようなコンテンツは他の場所でも沢山あるのでしょう。さまざまな人の想いや美味しい食べ物、素敵な景色がある。

ところが、その魅力を、自分たちのネットワークの外に伝えるのは大体みんな苦手です。

そりゃそうなのでしょう。これまでNHKや新聞社など、特権を持った人達だけの仕事だったわけですから。情報流通は、国がコントロールするものであったりもしたため、普通に生きているオトナ達に情報発信のスキルがないのは、何ら不思議なことではありません。

情報【流通】を肩代わりするのが、メディアはもちろん、農協だったり市場だったり東京という存在だったりするわけです。そのプラットフォームに乗っていれば、おそらく生活はできるのだと思います。今のところ。ただ、この先、少子化であったり、世界との関係性を通じて、一蓮托生で辛くなったりするというのが、一つの問題として言われていたりしますね。

ところが、今はインターネットを使えるようになって、新しいタイプの人材が育ちつつあります。

・ネットを介して、知らない人にコトバを伝えることが得意な人

・ネットを介して、知らない人に絵や写真、動画を介してコミュニケーションをし、よい評価を得ることに慣れている人

・ネットを介して、世界で起きていることを知り、新たなコミュニティや取り組みを地元ではじめようとする人

こういう素養を持った若者がどんどん出てきています。生まれつきインターネットを使って地域外の人達と接することが当たり前になっているインターネットネイティブな世代です。

今回のイベントでBASEの紹介をするにあたって、BASEをご活用いただいているショップさんを何店舗か紹介させていただきました。

我々のサービスは「無料で誰でも使える」をコンセプトにしているサービスですから、すぐに使っていただければ魅力はわかるので、BASEの機能の紹介はせず、BASEを活用し、活躍されているショップさんを紹介しました。

それらのお店に共通しているのは、

・商品クオリティが高いのは当たり前

・自分たちの独自のストーリーを持っていて

・パッケージデザインなどの見せ方も優れているし、購入者も扱いやすいような商品にしてあり

・それらの魅力をインターネットを通じて、メッセージをちゃんと伝えることに成功している

というお店です。

必ずしも生産者の方が1人でできることではありません。また、もうそのことを専門で学ばずに育ってしまった大人が、必ずしも、うまくやれることでもありません。

そういう意味で、若者をうまく東京に送り込むのがよいかなと思いました。

東京の大企業に、一労働力として吸い取られてしまうのではなく、地元愛を育み、感性豊かで、かつ、インターネットを武器に距離や時間を超えて活躍できる情報発信のプロになってもらうように導くのが非常に重要なことだと考えます。

もし、地元に魅力があるならば、そのうちの何%かは帰ってきてくれることが期待できます。自分自身の情報発信力を活かす武器として、地元のコンテンツ、地元の人間関係を生かすという発想は自然です。

「地元の魅力を、日本、世界に届けられる方法やルールを知っている人材を、東京という場を活用して育てる」と言う視点です。

ネットを使った情報発信のプロになり、東京や海外における情報流通のルールを知り、そういう人材が地元にUターンしたり、素敵な土地にIターンしたりして、その場のコンテンツを、正しく発信できるようになる。

情報の流れを自分たちで作れる人材を育てるために、長い視点の人材育成と、受け皿を作る取り組みこそが、地方創生という取り組みには不可欠ではないかと思いました。