転職は経験を買いに行く人生のタイミング

最近、会社で人材の募集をする中で、さまざまな会社さんのインタビュー記事などに関わらせていただきました。その中で、当社の女性エンジニアの野畑のインタビューで、僕も知らない事実がわかって、おもしろかった。

大学を中退してでも、私はここで技術を磨きたかった

彼女はBASEの初期のタイミングで参加してくれた。しかも関西の大学から来てくれたので、最終的に大学中退をしてでもBASEに関わり続けてくれた方です。

その選択の可否については、さまざまな価値観の中でいろいろ思う方もいるかもしれない。内部でも卒業を優先すべきというアドバイスもありました。でも、そういう選択をしてくれたことを無駄にしないようにするのが経営陣の仕事。代表の鶴岡には、野畑をはじめとして不確実なタイミングからBASEに参加してくれたメンバーに恩返しするためにも、僕にCTOとしてのジョインを打診してくれたという経緯もあり、マネジメントの中でも、そこはすごく大切にしているポイントだと思っています。

彼女がBASEに関わるきっかけとして、家入一真氏の存在が無視できないのだけど、家入さんが創業者で、僕が古巣のGMOペパボも素晴らしい会社で、客観的に見て他社のような、超一流大学の人やコンサル出身、未踏出身者などのキラキラキャリアを前提に人を集めて成功すると言うサイヤ人型モデルというよりは、やりたい気持ちなどをすごく大切にして人を育てられる会社だと思う。

特に高い志を持った人を応援したり、評価するという感覚はあったんじゃないかと思う。BASEも、そこの部分は何故か踏襲しているハズだと思っている。不思議なのは、別に家入さんってそういうのを教えたり、人におしつけたりしないんだけど、そういう人がたまたま集まってくるんだろうなぁ。BASE代表の鶴岡は、家入さんと高木新平さんが立ち上げたLivertyという組織でWebサービスを作ってた中心メンバー。炎上したStudygiftも裏で支えていた1人。そういうプロジェクトの経験の中で、自然とリーダーのような立ち位置になっていったんだろう。

ただ、ペパボのような人材育成モデルを実現するためには筋の良いビジネスモデルが必須。ペパボの場合はロリポップという、初月から黒字という成功したサービスの存在に裏打ちされているのに対して、BASEはまだ投資フェーズ、代表の鶴岡の度量で快適な労働環境が作られている部分が大きいです(社員の人は気がついてね)。だから沢山の人にお店を作って頂いて、沢山、商品をネットで売っていただき、楽天市場型の「圧倒的集客力があるモール+店舗広告による商品販売というエコシステム」とは別の新しい消費スタイルでインターネットと共に成長できるよう頑張るのが僕達の今のステータス。

なので、心のなかで自信は持ちつつも、まだ、あまり世の中に対して偉そうなことは言えない部分もあるのだけど、少なくとも彼女のインタビューを見ていて、あ、だから彼女はBASEにいてくれてくれるんだな、という僕が共感するところがあった。

大学院でMOT(Management of Technology)を勉強しようと思っていたのですが、一旦少し考える時間がほしくて休学を選びました。

僕自身も以前いた会社に在籍しながら大学院に行くことを考えて、MOTの説明会に行っておきながら、転職した組です。

当時いた会社では、大変、高く評価していただいいてベンチャーとしては、相当、高い給料をいただいていたと思います。

でも、僕の自己評価が低いことも加味して、少し自分の実力よりももらい過ぎかなと思ってた。でも、せっかくいただいている報酬を減らすようなバカなことはしないわけだから、その分を大学院の学費に回し、学びに行くのはありではないか?と思ったのですが、そこでふと気が付く。

その会社でいただいていた評価とは、その会社にいるからこその相対評価。

故に転職すれば、間違いなく給料が下がるのはわかっていたので、同じくお金を投資するなら、転職するのもありではないか?と。

つまり給料が下がる部分は、経験を買いに行くという投資として考えることで、選択の幅は広がるな、と。

実は、それで転職したのがペパボだったわけです。

とはいえ、実はペパボでも前職給与を加味していただいて、高く評価していただいていたんです。ペパボの前の会社がとても高かった。

まぁただ気持ち優先で転職したとはいえ、生活レベルを上げてしまっている中で給与が下がるというのは、結構大変なことで、家族の中では相応に一大事だったことは書き記しておきたいと思います。住宅ローンの10年後問題というのは結構プレッシャーが大きいんです。

それでもペパボに行ったからこそ、沢山の経験をさせていただいたからこそ、周りの刺激を受けて、モバツイを作るような流れにもなり、人生はそこで間違いなく変わったわけだから、費用対効果は間違いなく高かった。

僕は、今やってる技術の話だとか、ビジネスモデル云々というよりも、「筋の良い会社」にジョインするというのはすごく大切なことだと思っています。何が筋の良い会社なのか?というとあんまり言語化できないのだけど、僕にとっては、BASEはすごく面白くてチャレンジングで筋の良い会社、だと思ってるのだけど、人によっては他の会社さんの方が「筋の良い会社」と思うかもしれない。そこは本当、自分で見極める大切なポイント。

いずれにせよ、会社に就職するというのは、自分の人生のタイムラインの一部をその会社に捧げる行為です。特に小さな会社はそうなのだけど、社長の想いや志に参加するというのがダイレクトに自分たちの仕事に直結します。だから、社長が筋の良いことを考えてないとやってられないと思いますし、それが楽しいと思えればこそ小規模なフェーズの会社にジョインする価値があるのだと思います。

最近、求人サイトで、さまざまな方々のご経歴を拝見していて思うことがあるのですが、もし転職という形で新しい会社にジョインする場合は、何かのステップアップという感覚ではなく、「経験を買いに行く」という姿勢で転職されるのが、転職についてはお得だと思います。

素晴らしい学歴で、素晴らしい規模の会社に入り数年働き、次に転職した会社を1年ぐらいで辞めてる、というご経歴を見ることが結構多くて、、そういう流れになってしまうと、多分、その時点では転職という行為に対して費用対効果を得られてないんじゃないかと個人的に思うことがあります。

スキルの高い職人肌の方で「経験を売りに行く」という方ならジョブホッパーも全然いいと思うのですが、ご自身のフェーズが「経験を買いに行く」方が向いてるなと思ったら、やっぱり経験を買うための投資意識と回収への努力は意識的にやって欲しいかなと思います。そうなるとやはり自分の足場を固めて、周りの信頼を得て、認められ、いいように状況を変えていくという流れも含めて、数年スパンで取り組んで欲しいところです。そのためにも小さい会社は、社長の考えに賛同できるかが全てですかね。現状の会社のステータスではないです。1年後、オフィスの場所から組織のサイズまで、全然違っている形になってる可能性もありますし、なにより、それを作るのがあなたであって欲しいです。

BASEにおいて僕が筋が良いと思っているところは、面接に来ていただければお伝えできると思います。言語化できてないけど、僕がしゃべる中には入っているはずなので感じ取っていただけたら大変ありがたいと思っています。

野畑は大学を中退してジョインしてくれましたし、僕もMOTを取りに行くのは一度辞めましたが、僕自身は現在、メディアデザイン研究科というMOTとは違った学科で大学院の博士課程に在籍してます。その事実1つとっても、自分がやりたいことを持ち続けていれば、まだまだ、後から取り戻すチャンスはあると言えます。僕は修士課程を飛ばして博士に在籍しているのですが、これは今、指導教授になっていただいている砂原教授のアドバイスでした。モバツイをベースにした社会人経験を修士卒業相当と評価していただきました。その分、ハードルが上がりましたが :->

その経験1つとっても、自分が行きたいなと思っていた道とは少し違う道を通っても、後から取り戻すことは可能だし、それを他の方から評価していただくことは可能なんだなと思いました。僕は、ネット業界にいるキラキラキャリアの人たちと比べて、自他共に認める凡人だと思っていて、それは間違いなく僕自身は、こんなことを書けるタイプじゃないんです。本当に。それでも、そこそこ長く生きていると、それなりに書けるネタは存在していますので、今回記事として書きましたが、当社のメンバーについても、いろんな可能性を一旦置いてきて、当社に転職されているかもしれないわけで、そこはしっかり回収できるように頑張って行きたいです。

昔、大学時代の友達を、自分がいた会社に誘って、でも、いろいろあって、結局転職することになって、この会社の選択は成功だったか、失敗だったかって聞いたら、「うん少し失敗だったかもしれない」って言われたことがすごくショックで、今、一緒に働いているメンバーには、そうは絶対に思わせないようにしたいと思うし、少し偉そうな表現ですが、転職される方にはそうならないように自分を導いて欲しいと思います。