就活サイトで検索可能な情報に人生が翻弄される時代におけるインターネットの使い方

スペックの高い企業に人気が集中し、スペックの高い学生でフィルタリングされる。

このマッチポンプを解決するにはどうしたら良いのだろうか。

「これって、学歴フィルター?」 幅を利かす採用の現場:朝日新聞デジタル

誰でもどんな企業にでも簡単に接触できるようになり、人気企業には万単位の学生が殺到する。

「選考の手間を省くため、企業は学歴フィルターを多用せざるを得なくなった」

就職情報サイトにせよ、Amazonや楽天市場のようなショッピングモールサイトにせよ、はたまた、はてなブックマークのような人気情報を集めたサイトにせよ、なんらかしらの形で、情報を検索しソートする機能がついている。大抵人気が出る情報は、人気なり価格なり、スペックで上位に表示される情報だ。

SEO対策で、Googleの検索ページが1~2ページ以降はほぼクリックされることがない、という話がある通り、人間がWebを通じて閲覧可能な情報に限りがある。

これらの条件が重なって、人気企業の上位に応募が集中するのは必然である。さらに、一括応募のシステムなど応募数を増やすのを助長している面もあるそうだ。

ドワンゴ・川上量生会長 「受験料徴収」の真意 大量の“廃人”を生み出す「就活」

インターネットは、多くの人に「知への高速道路」を提供する。

しかし、1つの会社が人材採用活動にかけられる時間は、ほぼ一定だ。担当者が1日8時間、1時間ずつ面接したら、1日に会える数は最大で8人。採用担当者が10人もいたとして、休憩なく働いたって、一日80人しか見えることができない。月にして2400人。人気企業には1万人を超える応募があると聞くので、文字通り「ミスマッチ」だ。

採用可能な数が決まっているのに、応募者が増えたからと言って、面接で選考する人の人数を増やすわけにはいかないし、そんなことをやっても、肝心の採用された人材の質が下がるだけだ。

その結果、高速道路の出口で大渋滞が起きている。そりゃ採用担当者も、学生をデータベースで判断可能な「スペック」で足切りせざるを得ない。データベースがきっかけでスペック上位の企業に応募が集中し、データベースで判断可能な優秀な学生に内定が集中するのは皮肉な話でしかない。

残念ながら、今のところインターネットが提供できているのは、「自分との適切なマッチング」ではなく、「スペックが高い企業」への高速道路だけなのかもしれない。検索不可能な情報ではなくても、情報を検索する道筋を持ってない人には、コンピュータは情報を提示しようがないのだ。

「情報を探す能力」は人間の側に委ねられている。

自分が「良い思い」をするためには、他の人と同じことをやっていてはダメだ。特にネットは、あまりにも簡単に情報にアクセスできすぎるので、友達や学校というライバルではなく、全国規模での戦いに巻き込まれる。

バブルの終焉が見えてきた頃の就活は、まだネットが活用されていなかったので、家に送られてくる。本当に沢山の企業のハガキで部屋が埋め尽くされていたと聞く。それはそれで情報を検索する数に限りがあって、就活は大変だった。手で履歴書を書く手間、ハガキを出す手間、電話をかける手間で、1人の学生がリーチ可能な企業に限界があったのだろう。

あれはあれでひどい時代と言われていたが、その分、応募する企業がそれなりに分散していて、個々人にとっては、今よりはマシな就職活動ができていたのかもしれない。

インターネットになって、いろんなことが便利になった。でも実は情報を持っているものと持っていない者の格差は広がっている。本当はインターネットが提供すべき出会いは、もっともっと小さくて、多様で分散された出会いであるべきなのだ。

例えば、その企業に入らないとわからないことが、FacebookやTwitter、blogなどを通じてわかる。ちょっとしたイベントに参加して、担当者と知り合う。そして、インターンを通じてお互いのことがわかる。

そういった機会を通じて「就活」などすることなく、お互い満足した形で就職が決まる。これが理想的な高度情報化社会のあるべき姿だと思う。理屈上は可能になっているのに、現実にはそうはならない。何か、あと1ステップ、素晴らしい仕組みが出てくれば実現できるような気もしなくもない。就職の情報はリクナビなどのデータベースにほぼ全て入ってるからだ。後は出し方を工夫できれば。

そもそもの話を言ってしまえば、指摘されている現象は「人間の怠惰」がもたらしているのは否めないというのはあるだろう。一部の優秀な高い学生は、自分の足で出会いを求めて、自分の道を探している。それが時には出資を受けて自分で会社をやることだったり、学生という身分を最大限に生かし、インターンや丁稚として、有望なスタートアップにジョインするなどを、彼らはやっている。社会人である僕の周りにはそういう優秀な学生としか出会う機会がないです。このような出会いを、どうにかしてさまざまな企業との出会いに分散化させ、安心した就職ができるか!?を実現できれば、3年以内、離職率ももっと改善できるハズだと考えています。

しかしながら、これは就職に限らず、お気に入りの飲食店との出会いだったり、ビジネスだったり、さまざまな応用が考えられることだと思うのですが、「コンピュータ」=「電子計算機」の計算だけでは難しい。計算機は、極論すると数字を足したり、情報を並べ替えたりすることしかできないので、何かの数字が大きくなる会社や学生が間違いなく有利なのです。

だから、ポジティブに解決するとしたら社会的な仕組みでしかありえないと思っているが、これも結局、人の関心に依存した「情報の到達性」に足を引っ張られてしまいます。

例えばあなたがツイッターをやっているならフォロー数とフォロワー数が少ない人は、相互にやりとりをするきっかけが少なく情報の伝達量が少ないので不利です。まして、LINEやSnapchatで友達との世界に閉じたら、そこから外の世界は見えません。でも、ほとんどの学生はそういう人だと思います。だから結局、あなただけの適切な情報を見つけるには、あなた自身で見つけるか、あなたのことに親身になってくれる親兄弟や友達、先輩に手を借りるのが最適だということです。

今は、人々の狭い世界にフォーカスし、ネットとの接続点を増やしていくことがインターネットビジネスの成功パターンになっている以上、決してインターネットは「自動的には」あなたの世界を広げてくれるお手伝いはしてくれません。

今のところ、学生にアドバイスできるとしたら、ネットで検索できるデータベースだけに頼らず、自分の足で企業との出会いを求めるべきです。それがたとえ大きな会社でなかったとしても、尊敬できる先輩、尊敬できる経営者の元で、一緒に会社を大きくしていく「前向きな気持」が持てる会社が一番、あなたにとって良い会社だと思う。

そういう人には、インターネットは時空を超える強い味方になってくれると思います。

と、書いても、こういう話は決して多くの人に伝わることはないでしょう。これが根本的なジレンマです。絨毯爆撃的な電話営業がビジネスとして成立するのは、世の中が受動的に動いているからです。それは重々わかっているので、この文章を見て欲しい人は、こういう状況を「今後、解決可能な人」を念頭において書いています。やっぱり仕組みで解決しないと、こういう問題は簡単には解決しないでしょう。僕もどうにか考えぬいて、何か解決できないだろうかと思っています。