プッシュ通知を制するものがスマホを制する〜ツイキャスの事例〜

ユーザーが500万人を超えたツイキャスであるが、このサービスがスマホサービスとして最高な理由の1つに、スマホのプッシュ通知機能がうまく作用しているところがある。

ツイキャス、ユーザー数545万人で「フィンランド超え」 ユーザーの半数が「モイ!」理解

閲覧する人がスマホアプリでツイキャスにアクセスし、好きなCAS主さん(CASとはツイキャスによる配信の事で、「CAS主」とは配信者のこと)の通知登録をオンにすると、次回以降に配信を始めた時に通知が送られてくる。

ライブ配信は一定の時間の長さを持っているものだし、番組を録画しなければ、その場限りの映像なので、通知に対する価値は高い部類に入るのではないだろうか。

「番組表がないのに、見たい番組がいつ配信されるかわからない、だから通知で知ることができる」

人気のCAS主が通知を送ると即座に人が集まってくる。

これは放送では決してできなかったことだ。放送は編成やプロデューサーがその力を握っているそうで、その限られた出演機会を得るために、枕営業などという冗談みたいな言葉も聞こえてくるぐらいタレントは身内から評価されることでしか出演機会を得られなかったが、ツイキャスであれば、いつでも人を動員することが可能になる。

更にツイキャスでは、配信する番組の「見出し」がプッシュ通知で送られる。つまり、簡単にスマホにメッセージをブロードキャストする手段としても非常に優れたシステムとも言える。家入さんの選挙活動のCASを見ていて気がついたのだが、不特定多数にプッシュ通知でリアルタイムにメッセージを伝える手段は他になかなか思いつかない。

「見出し」に書いてあることでも集客の数字が変わってくるハズなので、工夫の余地がいろいろあるのも魅力だ。

この数が力を持ち始めたら、テレビタレントであれば、テレビ番組の生放送に対する数字の動線が変わってくる可能性もある。

F-1ドライバーがスポンサーがいることで一流チームに入れるのと同じように、ライトユーザーを含めたファンにプッシュ通知を通じて数字を嵩上げできるとするならば、新しい人気の出方にもなっていくだろう。

あたかもクラウドファンディングが、人気があるかどうかを先に調べることができるマーケティング的役割で注目されているのと同じく、人気を引っさげてマスメディアに進化していくことができる。

「ツイキャス」、「VINE」、「Youtube」という若者の三大ブランディング動画サービスを最大限に活用している、スーパー高校生「けみお」などは、すでに朝のテレビ番組に出演していたりする。

ケミオ KEMiO 動画まとめ【Vine・TwitCasting・YouTube】めざましテレビ

彼がツイキャスを始めるとあっという間に万人規模の視聴者が集まる。

こういった流れで思い出されるのが、ツイッターのフォロワー数があるが、ツイッターは相手がツイッターにアクセスしていないと見られない上に、通知機能を使ってもツイート単位で一々プッシュ通知されてきたらウザいというのがある。つまり情報の粒度が細かすぎて、プッシュ通知に向いてない。いつでもアクセスでき、いつでもやめられるツイッターらしさが、ここではアダになっているのかもしれない。

どんなサービスにおいても、無意味なアップデート通知や、送られる通知の数が多すぎると、受け取る側を不感症にさせてしまい、通知の力を全く生かすことができない。特にLINEのようなメッセンジャー以外のサービスのプッシュ通知は、「その1つの通知」がどう価値を感じてもらえるか!?という勝負である。

もはや、10万人のツイッターのフォロワ数よりもツイキャス 1万人の通知リストの方が価値が高いと思う。

ツイキャスに限らずスマホアプリは、このような「適切な通知の粒度」を設計し、サービスとして活用されたところが、新しい集客力や動員力を利用者に渡すことができる。それはそのままサービスの価値に繋がっていくハズだ。