中国サッカーファンが日本チームを大絶賛!

2018 FIFA W杯 日本代表(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 日本ベルギー戦を受け、中国のネット空間は日本チームへの絶賛と羨望に満ち溢れた。体格的に劣るアジア人が「赤い悪魔」から2点を奪ったことに対する尊敬の念を隠さない。それに対してCCTVはどう報道したか?

 中国大陸のネット空間には、サッカーファンたちの何十万というコメントが満ちている。その中から適切な意見を抜き出すのは多少の困難を伴うが、圧倒的多数が日本チームを礼賛していた。代表的な意見をいくつか拾ってみよう。

◆日本チームは尊敬に値する!――西野監督礼賛も

●たしかに日本はベルギーとの戦いで最終的に敗けはした。しかしあの強豪「紅い悪魔」から2点を奪ったのだ。その原因はどこにあるのか?

●組織力と精神力だよ!

●アジアで唯一、16強まで上り詰めた。8強にはなれなくても、アジア人だってあの背の高い欧米人に勝てるんだってことを教えてくれた。

●中国は日本に学ぶべきだ。

●俺は日本は好きじゃないけど、でも今回の日本は凄かった。正直、羨望の気持ちでいっぱいだ。

●日本チームに対しては、「尊敬する!」、そのひとことしかない。尊敬に値する!

●でもさ、西野が辞めて、クリンスマンとかってのが次の監督になる可能性があるってネットに書いてあるけど、なんだろう、この気持ち。それって面白くないよな?あの西野と今回の日本チームがあってこその、あの訳の分からないような熱気だったんじゃないのかな。西野が代わって応援する気になる?

●もう二度とない、なんか、奇跡だったような組み合わせ。最初は老婆のような顔をしているって思ったけど、終わってみると、あの西野があってこそ、チームの一体感があったんじゃないか?

●あれはもう、二度とない。サッカー史上の一瞬の夢だった。

◆体格と体力の差――西野監督に対する恨みも

●日本人は背が低い。ベルギーのあの圧倒的な身長の差と巨大な体躯に勝てるはずがない。それが体を張って強靭な精神力と組織力で「紅い悪魔」から2点もゴールを奪ったシーンは、同じアジア人として誇りに思った瞬間だった。中国チームだって、訓練すれば、日本チームのようになれるのかもしれない。その勇気を与えてくれた。

●そう、後半の最後の方は、まるで巨人と小人のような差を見せつけられた。体力的にも限界だったのではないのか。

●なぜ西野監督はもっと早く選手交代をさせなかったのか。それが悔しくてならない。ベルギーは選手交代をした瞬間に凄まじい勢いで反撃していったじゃないか。体格の差だけの問題じゃない。体力の限界だったんだよ。

●そうだよ!もしベルギーの監督が選手交代していなかったら、日本はベルギーに勝っていたかもしれない。アジアの夢を叶えてくれたかもしれない。それくらい、日本チームの力は凄かった。正直に礼賛する!

●西野はなぜ、もっと早く選手を交代させなかったのか?それだけが疑問として残る。

●選手交代で、この体躯のギャップを埋めるべきだったのでは?

◆中国は日本に学べるのか?

●中国が日本チームに追いつける日が来るとは、とても思えない。

●そもそもサッカーに対する概念が違うんだよ。日本は小学生のころからサッカーを学ばせ、中学、高校と、学校間の対抗試合さえある。大学に進めばなおさらだ。そういった優秀な選手が下から積み上がっていって、プロの選手になっていくんだぜ。

●中国ときたら、どうだい?学園(キャンパス)サッカーなんて、あるかい?小さいころからサッカーをやったとしたって、たかだか。遊びみたいなものだよ。日本じゃ、プロになれなくたって、ちゃんと別の勉学の道が用意されていて、他の専門や職業を選択することができる。中国はどうだい?プロの道から外れた者は、もうそれでお終い。人生の選択がなくなってしまう。どこの親が、そんなリスクをわが子に負わせるって言うんだい?だから、無理無理!中国チームが日本チームみたいになる日は来やしないよ。

◆中央テレビ局CCTVは?

 これらの、不思議なほどの日本チームへの礼賛と中国チームに対する自虐的なほどの批判を受けてか、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTVは、なんとこの日、「少年サッカー」の映像を流していた。

 「習近平国家主席は、こよなくサッカーを愛し、中国のサッカー選手の育成に心を注いでおられます」というアナウンサーの習近平を褒め上げるトーンの声に合わせて、少年たちがサッカーの練習に励む姿を報道したのだ。

 民主的な普通選挙がない中国では、政府はネットユーザーの声に異常なほどデリケートに反応する。それは「人民の声」であり、本来なら「選挙民の声」だからだ。しかし今回ネットユーザーたちは中国政府を批判したわけではないので、これら日本チームを礼賛するコメントを削除する訳にもいかない。

 7月3日、CCTVが「少年サッカー」の映像を流したことに、中国の苦悩の一端を見る思いがし、なんとも興味深かった。