コロナの先の社会へー日本の中からつながってほしい取り組み9つ

福岡市のFriday Ovationの取り組み

前号では米国のニュースレターから、「コロナの先の社会へ」つながるといいな、という取り組みをお届けしました。危機の中でも助け合い、支え合う人々の取り組みです。

今回は、日本の中から「コロナの先の社会へ」つながってほしい思いや支え合い、助け合いの取り組みのニュースを9本、ご紹介します。

★「こんな取り組みもあるよ!」という情報、ぜひお寄せください! (edahiro@es-inc.jp までお送りください)

 

 

●医療関係者などへの感謝を「拍手」で伝える:福岡市のFriday Ovationの取り組み

 

福岡市では、毎週金曜の正午に医療関係者などへの感謝の気持ちを「拍手」で示す「Friday Ovation(フライデー・オベーション)」の取り組みがスタートしました。NHKオンラインや朝日新聞の報道によると、初日の4月10日正午には、市の職員約250名が福岡市役所のベランダに出て、3分間にわたり拍手を送りました。

同様の取り組みは英国やイタリアなどでも行われており、福岡市では高島宗一郎市長の提案により「Friday Ovation」と名付けられました。同市のウェブサイトでは、「金曜日の正午は#FridayOvation」の文字が入ったチラシのファイルが提供されています。

同日には、ツイッターやフェイスブックでも、拍手を行っている様子を収めた動画などが「#FridayOvation」「#fridayovation」のハッシュタグが付されて、投稿されています。

福岡市ウェブサイト:https://www.city.fukuoka.lg.jp/shicho/kikaku/shisei/fridayovation.html

 

●異業種間のタッグで子育て支援のための弁当を開発

 

異業種がタッグを組んで子育て支援のための弁当を開発するというユニークな取り組みを始めたのは、熊本県天草市で養殖や水産加工などをてがける株式会社クリエーションWEB PLANNINGの深川沙央里さん。

週刊ダイヤモンドオンラインの記事『コロナ不況を諦めない!天草発「異業種助け合い」ビジネスに学べ』によると、深川さんの会社では、コロナウイルスの感染が拡大する中で、養殖のブリやタイなどの注文が次々とキャンセルになってしまったそうです。すぐに出荷して新しい魚を入れないと養殖業者は損失が出てしまうのに、売り先がない、という状況です。

そんなとき、同じく天草市のサンタカミングホテルでもキャンセルが相次ぎ、従業員が交代でお休みをしていることを知りました。そこで思いついたのが、「ホテルの従業員に水産加工を手伝ってもらう」というアイデアです。このアイデアは、ホテルのシェフがいたことによって、養殖魚を使った冷凍のお弁当の開発につながりました。深川さんも子育て中のお母さんとのこと、お昼ごはんに困っている家庭が多いことはよく知っています。

こうして開発されたお弁当は、4月1日から通信販売で全国に向けて売り出されています。ウェブサイトをみると「天草ブリの香草パン粉焼き」「天草ブリの甘辛ネギ焼」など、ホテルならではのお弁当が並んでいました(3月31日現在)。また地元の子ども食堂を通して、3月25日からお弁当を無料提供する取り組みも始めています。多様な業種が手を組むことによって可能性が大きく広がることがわかる素敵な取り組みだと思います。

https://cwp-jp.com/

http://www.shopamakusa.co.jp/SHOP/obentou01set.html

 

●「食べて街のお店を応援しよう!」 食品ECサイトで支援

 

レシピ動画サービス「クラシル」を運営するdely は、「食べて街のお店を応援しよう!」と題し、新型コロナウイルスの影響で予約や来店客が減少している飲食店をサポートしています。自社が展開する食品EC(電子商取引)サイト「クラシルストア」へそうした飲食店が無償で出店できるサービスを行い、飲食店が抱える食品在庫を消費者に届けます。

飲食店からは、「予約は昨年の半分以下」「販売先の仕入れが縮小・延期になり、このままでは材料を破棄しなければならなくなる」などの声が上がっていました。これを受け、掲載料や販売手数料に加え、掲載に際して必要な撮影費をはじめとしたコンテンツ製作費も負担することなく出店できる特設ページを開設し、掲載案件を募っています。

SNSを中心に口コミで企画を知ったユーザーが、実際に利用して感想をSNSに投稿する、という好循環で支援の輪が広がり、問い合わせも増加。当初は無料出店期間を3月末までとしていましたが、より多くの飲食店をサポートできるよう、掲載期間を「掲載開始から1カ月間」として、店ごとに対応するように変更されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000019382.html

https://www.kurashiru.com/

https://store.kurashiru.com/lp/support_restaurant

 

●「食事」「預かり」「学び」など、臨時休校に対する支援サービスを掲載

 

保護者向けに子育て支援サービスを提供しているキッズシーズは3月11日、自社が運営する子供向けアクティビティの検索・予約サイト「kidsweekend」上で、支援サービス提供団体一覧の掲載を開始したことを発表しました。新型コロナウイルスによる臨時休校措置に対し、この危機を乗り越えようとする「助け合いの輪の象徴」として支援団体のロゴを掲載し、3月22日には掲載数が30を超えています。

「kidsweekend」では、臨時休校に対する支援サービスを、「食事」「預かり」「学び」「その他」の4つのカテゴリーに分類して掲載しています。各カテゴリーのページで日付をクリックすることで、その日に提供されるサービスが表示され、「いつ・どこで・どんな」支援プログラムがあるのかを簡単に見つけることができます。更に、場所や対象年齢などで絞り込むことも可能です。

学校給食の代替としての料理作り置きを割引価格で提供する「食事」や、昼食にも可能な限り対応し、入会金不要、1日単位で利用可能な「預かり」、「学び」では、期間限定で学習コンテンツの無償配信を行うサービスなど、多様なコンテンツが掲載されています。

ロゴの掲載は、それぞれの企業や団体に個別に連絡を取り、掲載許可を得たものから順次進めており、今後も継続していくとのことです。

https://digitalpr.jp/r/37968

https://digitalpr.jp/r/38112

https://www.kidsweekend.jp/portal

 

●SNSでご近所との情報共有を ご近所SNS「マチマチ」の取り組み

 

SNSはいつでもどこでも、世界中の人とつながれることが大きな魅力です。でも、SNSをつかって近所の人とコミュニケーションを取ることも可能です。この機能を活かし、普段はもちろん、災害時に必要なご近所の情報を共有できるのが、ご近所SNS「マチマチ」です。

株式会社マチマチが運営するこのSNSでは、住んでいる場所や勤め先、出身地の住所を登録することで、その近隣1kmから10kmの設定したご近所の情報をやり取りすることができる場をオンライン上で提供しています。

「マチマチ」では2019年10月12日に、全国1896地域に「災害情報コミュニティ」を開設し、台風19号の接近時には防災情報のやり取りが行われました。

現在も、マチマチでは災害情報コミュニティなどで、休校時の子どもとの過ごし方や、リモートワークの工夫、学校が休校になって給食で使われなくなった地場野菜を買える場所など、様々な情報が共有されています。

特に都市部では、ご近所づきあいは少なくなっています。しかし、災害時や今回のような非常時に特に必要なのは、地元の情報なのではないでしょうか。またSNSであれば、直接対面しなくてもコミュニケーションを取ることができます。「マチマチ」のSNSをつかって新たな地縁ネットワークを構築する試みは、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を求められる現在、大事な意味と可能性を持つ取り組みだと思います。

https://www.machimachi.co.jp/

 

●医療従事者を応援 「がんばれコロナファイターズ」

 

神奈川県は、新型コロナウイルス感染症患者の治療に当たっている医療従事者を応援するキャンペーン、「がんばれコロナファイターズ」を3月24日から展開しています。

キャンペーンの開始にあたっては、黒岩祐治県知事からのメッセージ動画をYouTubeで配信。医療状態の確認を毎日続けていると、最前線で戦っている医療スタッフの真剣な取り組みが浮かび上がってくる一方で、医療従事者が差別や偏見にさらされている事実に直面したことを伝えています。そして、「このようなことは決して許されることはなく、我々は医療従事者を真剣に応援しなければならない」と訴えます。

この動画は、「がんばれコロナファイターズ」のハッシュタグをつけてTwitterでも告知されており、同じハッシュタグをつけた応援メッセージが、いろいろな人から寄せられています。

神奈川県はまた、ステッカー「がんばれ!! コロナファイターズ」を作成して、ウェブサイト上に電子データを公開しました。ダウンロードして、SNSでの拡散や、施設での掲示などに利用してもらえるよう、呼びかけています。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/bukanshi/article_20200326_3.html

 

 

●臨時休校支援に商品無料で弁当を宅配:ワタミ株式会社の取り組み

 

2020年2月27日、安倍晋三首相は、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、3月2日から春休みまでの間、小中学校、高校、特別支援学校を臨時休校するよう要請を行いました。要請が行われた木曜の夜から、翌月曜の臨時休校スタートまであまり時間がなかったこともあり、特に両親ともに外で働いている家庭では、短期間にさまざまな問題を解決しなければなりませんでした。

そのひとつが、お昼ごはんです。学校が休校になれば、学校給食もストップするため、多くの家庭でお昼ごはんをどうすればよいのかという不安を抱えることになりました。

こうした状況を受けワタミ株式会社は首相要請の翌日、2月28日に、小学生・中学生・高校生を対象に商品代金無料で弁当を宅配すると発表しました。この取り組みでは、通常5日分約3,000円(税込み)の弁当が、商品価格無料(経費は1食200円)で届けられました。献立はいずれも、管理栄養士が栄養バランスに考慮してつくったものです。

なお、3月9日から4月3日まで無料弁当を届ける予定でしたが、3月2日の申し込み開始から2日間で400万件以上の電話があり、上限の50万食にすぐに達してしまいました。その後、ワタミでは2食390円(2食で一週間3,900円、税込み・宅配料込)で弁当を届ける「子育て家族割」を3月16日から行っています。

https://www.watami.co.jp/

 

●SNSツールを使って飲食店と市民をつなぐ 「#東村山エール飯」

 

東京都東村山市料理飲食店組合(主催)と同市(後援)は、「”美味い”はコロナに負けない。」をキャッチコピーに、市内の飲食店と15万1,000人の市民をつなぐ「#東村山エール飯」を2020年3月28日にスタートしました。

このプロジェクトは大分県別府市でスタートしている「#別府エール飯」をモデルに、新型コロナウイルスの影響で厳しい経営状況にある飲食店と、その飲食店を助けたいのにお店に行くことができない市民をテイクアウトでつなげようと実現しました。飲食店はテイクアウト用商品の写真を、市民には買ってきた商品の写真にそれぞれ「#(ハッシュタグ)東村山エール飯」をつけてSNSに投稿します。参加する際の手続きはいっさいなく、誰でも自由に参加できます。

公式ページでは、飲食店へ、購入したい人たちが分かりやすいようにポスターを店頭に貼ってほしいこと、市民にはSNSが不得意な飲食店があれば、代わりにお店や商品をどんどん発信してほしいと呼びかけています。

https://ktaku282.wixsite.com/higamurayell

http://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/kurashi/shigoto/shoko/taisaku/sangyou20200327.html

 

 

●産学官民の力で進める「マナビを止めるな! プロジェクト」

 

デジタルハリウッド大学教授の佐藤昌弘氏は2020年3月2日、「マナビを止めるな! プロジェクト」を開始したことを発表しました。このプロジェクトは、学校の休校長期化に備えて、EdTech(教育×テクノロジー)を活用して、学習者が安心して日々の学びを続けられる環境づくりを支援することを目指しています。その過程で、教育系の民間団体、企業、塾、個人などの協力関係を作り出し、行政や自治体とも連携することが特徴です。

具体的には、経産省の未来の教室「学びを止めない未来の教室」(さまざまなEdTechの取り組みを紹介しているウェブサイト)と連携し、プロジェクト賛同団体の取り組みを同ウェブサイトに紹介します。また、プロジェクトのYouTubeチャンネルでは、ZOOMを使った授業など、ツールの使い方も紹介していきます。さらに、地域・学校・教室単位での実証事業を民間企業等の協力の元で実施する予定です。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000054822.html

https://www.learning-innovation.go.jp/

 

 

 

=====

 

これからも、前向きな「いいね!」という取り組みや元気をもらえる情報をお届けしたいと思います。

★「こんな取り組みもあるよ!」という情報、ぜひお寄せください! (edahiro@es-inc.jp までお送りください)