カナダ政府、クリーン電力への投資を加速、同国アルバータ州も石炭火力発電所の段階的廃止へ

再生可能エネルギー カナダ地方部で広がる(写真:ロイター/アフロ)

世界中で脱石炭・再エネへの移行が加速していますが、カナダについてのニュースを2つお伝えします。

1つは、国レベルでの投資による強力な後押しがされている状況です。

そしてもう一つは、カナダ国内の石炭火力発電所の大部分を有するアルバータ州が、2030年までに石炭火力発電所を段階的に廃止に動いているというニュースです。州政府が石炭火力発電所の早期閉鎖に向けて、大手電力会社3社に2017年からの14年間、毎年約83億円を補償することで、クリーンエネルギーへの移行を支援していくそうです。

日本では再エネの買取制度の価格がどんどん切り下げられ、未だに石炭火力発電所の建設・計画が50近くもあります。

いつになったら世界の潮流に乗って、しっかりと脱石炭を進め、再エネをがんがん進める国になるのでしょうか……。

~~~ここからレポート引用~~~

1.カナダ政府、クリーン電力への投資を加速

2016年11月21日、カナダ環境・気候変動担当大臣は、クリーン成長経済戦略の重要な一端として、2030年までに、二酸化炭素の回収・貯留技術を利用していない従来型の石炭火力発電からクリーンエネルギーへの移行を加速させることを発表した。

この取り組みによって、2030年にはカナダで削減できる温室効果ガスの排出量は5メガトンを超える見込みで、この削減量は道路から130万台の自動車がなくなるのに等しい

==政府による支援策とは==

■カナダインフラ銀行を活用し、商業的に成り立つクリーンエネルギーや州と準州間の最新電力システムなどのプロジェクトに投資。また、投資家に対しては確実性を提供し、カナダがクリーンエネルギーを先導することを市場に対して明確に示すことによって、経済成長と中流階級の雇用創出につながる国際投資を誘致する予定。

(同日発表された規制によって、カナダでは2030年までに温室効果ガスを排出しないエネルギー源が現在の80%から90%に増加すると予測。スマートなクリーン電力統合システムの構築によって、必要な場所に信頼できて購入しやすい電力を供給できるようになる)

■最新のクリーン電力統合システムの構築に必要な投資の誘致、天然ガス火力発電に関するパフォーマンス基準の設定について、州および準州と密に連携して取り組む。

従来の石炭火力発電の段階的廃止を加速する動きに影響を受ける労働者が、未来の低炭素経済への移行の成功に確実にかかわることができるように、州や労働組織と連携する。

今クリーンエネルギーに投資しておけば、カナダ国民はよりきれいな空気を吸うことができ、健康は改善され、子どもや孫の世代により持続可能で繁栄した経済を残すことができるだろう。

<基本データ>

  • この10年間で風力発電容量は20倍、太陽光発電容量は125倍増加。
  • 2016年秋、カナダ政府は、11年間でグリーンインフラとカナダインフラ銀行に219億カナダドル(約1兆9,000億円)を追加投資することを発表。この投資は、2030年までにカナダの電力システムの90%を、温室効果ガスを排出しないエネルギーに移行するために必要な設備投資の誘致に役立つ。
  • カナダのグリーンインフラに投資するというコミットメントは、ディーゼル発電に依存している遠隔地の地域社会で、クリーンエネルギーの利用の増加を後押しすることにもなる。
  • 国と州の規制を同等にする等価協定も、石炭からクリーンエネルギー源への移行を支援するために結ばれる可能性がある。

2.同国アルバータ州、2030年までに石炭火力発電所の段階的廃止へ

具体的な州レベルでの動きとして、カナダの石炭火力発電所の大部分を有するアルバータ州も、2030年までに石炭火力発電所の段階的廃止に向け、大手電力会社3社と合意した。

同州政府は、石炭火力発電の2/3を再生可能エネルギー(主に風力発電)で代替し、残りの1/3は天然ガスでカバーする計画である。

==州政府による支援策とは==

■クリーンエネルギーへの移行を支援するため、3社に対して、2017年から14年間、毎年合計9,700万カナダドル(約83億円)を補償

■このための資金は、重工業の温室効果ガス排出者のみに課された税金によって賄われ、よりクリーンな経済に移行するために、地域社会(世帯、零細企業、先住民、石炭産業の労働者)への支援に投資される。

■2017年から2021年まで急騰する電気代から住宅保有者を守るために、州政府は、電気代の上限を1キロワット時当たり6.8セント(約6円)に定めることを決定。

■石炭価格も段階的に調整し、2017年には1トン当たり20カナダドル(約1700円)、2018年までには1トン当たり30カナダドル(約2600円)とする一方、2025年までにメタンガスの排出量を2014年の数値を基準として45%削減し、オイルサンドの排出量の上限を年間100メガトンに設定。

■石油産出量がカナダ最大である同州は、2015年12月、歴史的なパリ協定の前に「気候グループの州・地方同盟」(The Climate Group’s States & Regions Alliance)に加盟。この動きによって、よりクリーンで健康的な社会に向かう推進力が示され、温室効果ガス排出量ゼロの経済への移行を最前線で率いる政治指導者たちの国際ネットワークに参加する機会を得た。

2030年までに同州の電力の30%が、再生可能エネルギー源から生まれることになるだろう。

<参考情報>

The Government of Canada accelerates investments in clean electricity

Canadian province of Alberta on track to phase out coal plants by 2030