トランプ次期大統領はだれに環境・エネルギー政策を任せるつもりか~USA TODAYより~

エネルギー政策を推進したオバマ米大統領、関連施設訪問(写真:ロイター/アフロ)

米国でのトランプ政権への移行を、世界中が注視しています。「せっかく世界中がパリ協定で一丸となったのに……」と思っている多くの方々と同じく、私も、温暖化対策など環境面での変化や悪影響を憂慮しています。

12月11日のUSA TODAY紙に、「Watch Trump's environmental picks: Our view」(トランプの選ぶ環境分野の閣僚を見よ)という記事がありました。

http://www.usatoday.com/story/opinion/2016/12/11/donald-trump-climate-change-epa-scott-pruitt-editorials-debates/95301182/

EPA(環境保護庁)に対して「環境政策をするな」と訴訟を起こしてきた人物をEAPトップにつけるなど、読めば読むほど心配になりますが、、、現状を知った上で、どうするかを考えていくためにも、詳細は原文をお読みいただくとして、いくつかかのポイントを簡単にご紹介します。

■ドナルド・トランプは選挙運動期間中、「人間の活動によって気候変動が引き起こされたというのはペテンでありでっち上げだ」と語り、温室ガス排出およびそれによる地球温暖化の抑制に向けての世界的な取り組みであるパリ協定から米国を撤退させると誓っていた。

■選挙後、次期大統領は少しトーンを変え、「パリ協定については柔軟な姿勢で臨むつもり」と述べたが、行政の要職候補者に温暖化懐疑論者をずらりと並べようとしているその行動は、言動不一致のように思われる。

■環境保護庁(EPA)のトップ:オクラホマ州司法長官であり、化石燃料業界の協力者であるスコット・プルイットを据えようとしている。

■プルイットはこれまで、EPAに対して訴訟を起こしてきた人物だ。発電所からの危険物流出を規制し、スモッグを減らし、水路を保護し、温暖化を引き起こすメタンの排出を規制しようとする連邦政府の取り組みをやめさせるための訴訟だ。

■シエラ・クラブの事務局長は、「プルイットをEPA長官に任命するのは、放火犯に消防責任者を命ずるようなものだ」と言っている。

■EPA変革の立案者:石炭・石油勢力の資金で設立されたシンクタンクの理事であり、温暖化懐疑論者として知られている人物だ。彼は、気候変動の分野で活動する科学者たちが、気候変動に関して「データを操作し、改ざんしている」と糾弾してきた。

■内務長官候補:Cathy McMorris Rodgers下院議員は、温室効果ガス規制に対する強硬な反対論者である。内務長官は5億エーカーにもおよぶ公共用地のエネルギー政策を監督することになる。

■エネルギー省でのトランプ政権への移行を采配しているThomas Pyle:オバマ政権下で成立した気候変動対策事業のうち、「撤退させたいものリスト」を作っている。たとえば、

○パリ協定からの脱退

○連邦用地での石油・ガス・石炭の増産

○産業界を対象にした温室効果ガス排出規制であるオバマ・クリーン・パワー・プランの廃止

○自動車の排出ガス基準の弱化 など。

この記事にもありますが、中国に次ぐ世界第2位の温室効果ガス排出国である米国がパリ協定から脱退すれば、他の国々も抜けていく恐れがあります。パリ協定を土俵に、「これから削減目標を厳しくしながら、がんばっていこう!」という世界の動きに水を差すどころか逆行することになってしまうと、温暖化の影響が激化する可能性が高まってしまうでしょう。

記事の最後は、『気候変動問題に関しては、トランプが「何を言うか」だけでなく、彼と彼が任命した者たちが「どう行動するか」を注視しなくてはならない。この惑星の将来はそれにかかっている』

トランプ政権と心中させられるのは嫌だ~!という思いが湧き上がってきますし、米国でこれまでがんばってきた科学者や活動家たちがどんな思いでいるのだろうと心配になってきます。。。

オバマ政権下では、米中が一丸となって温暖化に取り組む、という姿勢が明らかにされ、それがパリ協定の発効などの後押しにもなりました。米国にトランプ政権が誕生し、パリ協定からの脱退や、脱退はしないまでも、国内政策や途上国支援を弱化させるという状況になったとき、中国が「温暖化に取り組む世界のリーダー」の立場をとるようになる、という展開もあるかもしれませんね。

米国の温暖化への取り組みが弱まるどころか逆行してしまいかねないこの時期に、日本が代わりにしっかりしたリーダーシップをとって世界を引っぱっていけたらよいのですが……。