スウェーデン政府が「修繕」を奨励する減税を検討

(写真:アフロ)

2016年9月、世界のマスコミ各社は「スウェーデン政府が、モノの修繕を奨励する税制措置を検討している」ことを報じました。

各社の報道によると、同国の連合与党は、靴や洋服、革製品、自転車などの修繕費用に課されているVAT(付加価値税)を、現状の25%から12.5%まで減らすことを議会に提案したそうです。

さらに高価な電化製品(洗濯機、冷蔵庫、食洗機など)については、修理にかかる人件費の半分までを、所得税から払い戻す優遇税制措置を提案しています。

この動きの目的は、スウェーデン政府が進めている二酸化炭素の削減を加速させることにあります。

同国では既に二酸化炭素排出量を1990年からおよそ1/4減らしていますが、人々のモノの消費に付随する二酸化炭素排出量は、増加傾向にあるそうです。

もし今回提案された法案が可決されれば、モノの消費を減らすことにより、二酸化炭素排出量の削減につながることが期待されています。

(この提案が議会で認められれば、2017年1月に法制化される予定です)

もともと欧州はものづくりが盛んでモノを長く大切に使う文化が育まれています。

ただその歴史や気質に甘えるだけでなく、さらに政府が一歩踏み込んで、環境経済に取り入れようとする意識はすばらしいなあと思います。

ちなみにスウェーデンは2016年版のグリーンエコノミー指標でも第1位に輝きました。

★2016年版のグリーンエコノミー指標:スウェーデンが再び1位~幸せ経済社会研究所ウェブサイトより~

http://ishes.org/happy_news/2016/hpy_id002072.html

さて、日本はどうでしょう?

モノや命を大切にする心、創ってくれた人に対する感謝の気持ちを表す「もったいない」という言葉を持つ文化があります。

大量生産・大量消費に疑問を持つ人も増えてきました。リユースやリサイクルに対する関心も高く、付随するサービス産業も広がっています。特に若い人たちを中心に「モノを持たない」、「シェアする」傾向も高まっています。

ぜひ日本政府もこの機運を逃さず、環境経済に活かす政策とうまく掛け合わせてほしいなと思います。

そして、産業界の皆さんは「若者がモノを買わなくなってしまう」と憂うのではなく、日本のすばらしい技術を、これからはどこに、どのように使うために開発していけばいいのか、「便利な製品を作り、一方的に使って廃棄する」という直線型ではなく、循環型の新しいビジネスモデルへと発想の転換を早急に図ってほしいと思います。

「これまではこうだった」「こうでなくてはならない」という思い込みや過去の前提をいったん脇に置いて、考えてみませんか。

地球の資源やエネルギーには限りがある時代。

スウェーデンのスピード感も見習いたいところですね。