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今年のハロウィンは【鬼滅】に全集中? 若者のトレンドを探って見えたウィズコロナ仮装

道満綾香Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

新型コロナウイルスの感染拡大により新しい生活様式が定着し、密を裂けた行動やマスクをつけるなどの行為が日常となりました。

そんな中もうすぐやってくるイベントといえば、明日10月31日の『ハロウィン』ですよね。

例年ですと、普段はできないような派手なコスプレをしてテーマパークへ行ったり、渋谷に出向いてみたりなどの楽しみ方をしている若者が多くいます。近年、モラルなどに関してそれが社会問題化していましたが……。

しかし、今年はコロナによって新しい生活様式へ変化したあと初めて迎えるハロウィン

どんなハロウィンを迎えるか予想もつかない中、Z世代はどのようにして今年のハロウィンを楽しもうとしているのでしょうか。

先日公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が上映開始10日目にして史上最速で興行収入100億円を突破するなど、空前の鬼滅の刃ブームにより、「今年のハロウィンは鬼滅の刃に関するコスプレをする若者が多いのでは?」と考える方もいらっしゃるかと思います。

確かに、SNSなどでは『鬼滅の刃』に登場するキャラクターのコスプレをしている人をよく見かけられます。

しかしながら、こういった鬼滅の刃のコスプレをしている人はYouTuberや子ども達が多いです。

そこで、リサーチしてみると『ゴーストフォト』『地味ハロウィン』など、若者の新たなハロウィンの楽しみ方が見えてきました。

本記事では、ウィズコロナにおけるZ世代(1990年代後半~2000年生まれの世代)のハロウィンの楽しみ方を紹介します。

マスクがいらない仮装?!『ゴーストフォト』がトレンド

マスクやフェイスシールドなど飛沫を飛ばさない感染予防グッズが手放せない今、それらを逆手に取った仮装がZ世代の間で流行していることをご存知でしょうか?

Instagramでは紙袋やシーツをかぶってお化けになりきる『#ゴーストフォト』が流行中です。

下記の画像のとおり、紙袋やシーツで完全に顔を覆ってしまう仮装なので、飛沫を飛ばす心配がありません。

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7月よりプラスチック製のレジ袋が有料化となりましたが、紙袋は有料化していない店舗もあります。

そのため、Z世代がよく通うマクドナルドやスターバックス、ZARAなどの紙袋を使ったゴーストフォトが多く見られます。

紙袋ではなくシーツで仮装する場合は、頭からかぶるだけ、もしくはその上からサングラスをかけて写真を撮ります。

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ゴーストフォトは元々海外で流行していたハロウィンの楽しみ方のひとつですが、SNSにより海外の文化を簡単に取り入れることができる時代の真っ只中にいるZ世代にとっては、国境など関係ありません。

Z世代は情報収集力が高く、「面白い!」「可愛い!」と思ったものはどんどん取り入れていくのです。

海外で流行していたゴーストフォトがたまたま日本のZ世代の目にとまり、TikTokやInstagramで数多くの写真や動画が投稿・視聴されています。

TikTokでは『#ゴーストフォト』というハッシュタグが付けられた投稿全体で約3億1650万回(2020年10月30日現在)も視聴され、Instagramでも投稿数が1000件以上(2020年10月30日現在)もありどんどん上昇しています。

今年のハロウィンは地味にいこう

Z世代に人気の動画共有アプリTikTokでは、『#ゴーストフォト』の他、『#地味ハロウィン』というハッシュタグも流行しています。

TikTok公式でも盛り上げているタグで、TikTok内で豪華商品が当たる動画コンテストなどのイベントも開催されています。

地味ハロウィン自体は『デイリーポータルZ』が2014年に企画したことで始まったイベントです。

年々盛り上がりを見せ、昨年もTwitter上で話題となり「あぁー、いるいるそういう人!」といった仮装がZ世代より上の世代の間で流行していました。

それがTikTokで話題になり、上の世代からZ世代へと流行が降りてきたのだと考えます。

Z世代の場合もあるある系(例:絶対に日焼けしたくないお母さん、運営にキレるオタク など)や、TikTok公式の地味ハロウィンのフィルター(ランダムに出されるお題に沿った物真似をするフィルター)を使って「あぁー、いるいるそういう人!」という人物になりきっています。

TikTokの『#地味ハロウィン』というタグは約1億7240万回(2020年10月30日現在)も視聴されています。

ハロウィン当日が近づくにつれ、こちらのタグも投稿数がより増えていくことでしょう。

他にも『#おうちハロウィン』などがあり、新型コロナウイルスの感染拡大により自粛を求められる中で、自粛しつつもイベントはしっかり楽しみたいというZ世代の工夫が見て取れます。

Z世代のハロウィンはどうなっていくのか

Z世代はクリエイティブな世代です。

最近では、ハロウィンの仮装衣装も既製品の仮装アイテムやコスプレを買うことが少なくなり、身の回りのものや安価なもので工夫して楽しんでいるZ世代が増えてきています。

特に、今回紹介したゴーストフォトはその象徴ではないでしょうか。

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今年のハロウィンは今までのハロウィンと同じ過ごし方はできません。

自治体からは外出自粛の呼びかけがあり、オンラインのハロウィンイベントの開催も予定されていますが、どのようなハロウィン当日を迎えるのか予想がつかない状況です。

そのような状況下でも、Z世代は工夫を凝らして今年らしい新たなハロウィンの過ごし方を見つけ、楽しんでいます。

どんな状況でも楽しいものを作り出し、トレンドを生み出していくZ世代の創造力・適応能力にはいつも驚かされます。

※写真はすべて、Zラボ編集部のものです。

Z世代のメディア「Z総研」アナリスト

兵庫県出身。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立し、プロデューサーを務める。大学卒業後はリクルートグループに入社。その後、スタートアップ数社でZ世代を対象としたPRやプロモーションを行い、数々のメディアに取り上げられるなど若者向けのアプリがブレイク。その後、Z世代のプロモーションやインフルエンサーのキャスティングを行う株式会社N.D.Promotonで取締役に就任。Z世代の研究メディア「Z総研」ではアナリストとして、ジェネレーションギャップが生まれるZ世代の「今」を取材している。

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