滋賀ユナイテッドに最速158キロの豪腕助っ人が新加入!ドミニカンの夢は日本のプロ野球選手

新助っ人のロレンゾ・アキメデス投手(撮影:城 裕一郎)

■ドミニカからやってきた助っ人は158キロ右腕

撮影:城 裕一郎
撮影:城 裕一郎

超強力助っ人がやってきた。最速158キロを誇る豪腕投手だ。その名をロレンゾ・アキメデスという。

上園啓史監督東北楽天ゴールデンイーグルス時代のチームメイトだったホセ・フェルナンデス氏の紹介で、はるばるドミニカ共和国から日本の滋賀にやってきた。

投手の頭数が足りない滋賀ユナイテッドBCにとって、願ってもない補強だ。6月23日に来日すると、同28日の福井ミラクルエレファンツ戦に中継ぎで初登板した。

その後、2度の中継ぎ登板を経て、7月7日の読売ジャイアンツ3軍戦で先発し、5回0/3を投げて1失点と順調に登板を重ねた。

そして同15日の石川ミリオンスターズ戦で2度目の先発をし、初白星を挙げた。

魅力はなんといってもストレートの速さと威力だ。この日も序盤はストレートで押し、四回まで散発の2安打で0を並べた。五回と七回に1点ずつ失ったが、来日最長の7イニングスを投げて6安打2失点という結果だった。

撮影:城 裕一郎
撮影:城 裕一郎

本調子ではなかったという。確かに3ボールになることが6度あった。が、逆に適度な荒れ球が相手に的を絞らせず、要所はしっかりと締めた。

六回にこの日最速の153キロを計時し、七回になっても150キロを超える球を放った。申し分ない投球といっていいだろう。

■高い順応性とハングリー精神

撮影:城 裕一郎
撮影:城 裕一郎

「まだ日本の柔らかいマウンドに全然慣れていない中で、球はかなり強い。探り探りいって四球はあったけど(3コ)、まずは思いきり投げて合わせていけばいいのかな。普通にストライクゾーンに140キロ後半を投げられていたら、そうそう打たれない。打たれてもゴロヒット。試合を作ってくれたし、攻撃のミスが多かったのをズバッと流れを切ってくれた」と、上園監督も手放しで讃える。

マウンドについてはロレンゾ投手も「柔らかいので慣れる必要がある」とうなずく。ボールの違いもあるが、それはさほど気にならないようだ。

大きな違いはプレースタイルだ。ドミニカン・サマーリーグのピッツバーグ・パイレーツでプレーしていたロレンゾ投手にとって、ランナー一塁の場面でバントという作戦には戸惑ったという。「ドミニカではそういうことはあまりないね。日本はチーム重視で規律がしっかりしていると感じたよ」と話す。

撮影:城 裕一郎
撮影:城 裕一郎

そんな中、順応力があることを上園監督は大きく評価する。「こちらが言うことを把握して、やろうというのが伝わってくる。たとえばクイックなんかも、やろうとしたらできる」と言い、「性格的にもいい。日本人選手との共同生活もしっかりやっている。ここをステップにして上(NPB)にいこうというのがあるんだろう」と、ハングリー精神が旺盛なところも買っている。

学ぼうとする姿勢、アドバイスに耳を傾ける素直さ、環境への適応能力など、現時点で日本で成功する要素をいくつも満たしているようだ。

■毎回、新しい収穫

ロレンゾ投手との息も合ってきた山本捕手(撮影:城 裕一郎)
ロレンゾ投手との息も合ってきた山本捕手(撮影:城 裕一郎)

150キロを超える外国人投手の球を受けるのは初めてだという18歳の正捕手・山本祐大選手も大きな手応えを感じている。「インコースに投げきれるのは、(配球を)組み立てる上でデカイですね。バッターが内を意識してくれたんで、外も遠く見えたんだと思う」と投球内容を振り返った。

そして「あとのピッチャーも外で抑えられた」と、その“効果”が最後まで持続したことを明かす。

ブルペンでも発見の連続だ
ブルペンでも発見の連続だ

初回のバッターの反応を見て、まずはストレートで押していこうと考えた。

「一、二巡目はまっすぐを打ち返されなかった。三巡目あたりで打ち返してきたので、変化球を織り交ぜていった。いけるところまではまっすぐでと、試合前にローリー(ロレンゾ投手の愛称)とも話をした」と、組み立てを話す。

試合直前のブルペン
試合直前のブルペン

毎回収穫があるというが、この試合でも新たにあった。実戦で初めて要求したカットボールだ。「追い込んで三振を取るのに使えるなって、試合で使ってみてわかりました」。インサイドを意識づけできたことによって、カットボールがより生きた。

受ける方も探りながらだ。ブルペンで捕りながら、どういうピッチャーなのか考える。そしてバッテリーを組んでゲームを重ねて、ようやく特徴が見えてくる。

■コミュニケーションは・・・?

スペイン語⇔英語⇔日本語で意思疎通(撮影:城 裕一郎)
スペイン語⇔英語⇔日本語で意思疎通(撮影:城 裕一郎)

もっとも大変なのは「コミュニケーション」だ。ロレンゾ投手が使えるのはスペイン語のみ。そこでケビン・モスキート選手がスペイン語から英語に訳し、その英語を球団スタッフの土屋氏が日本語に訳す。

マウンドでは英会話が堪能な上園監督がモスキート選手を介して会話するが、やはり2ステップが必要だ。

山本捕手も「カタコトの英語で喋ったりジェスチャーで伝えたりします」とコミュニケーションをとることに腐心している。(ちなみに山本捕手の高校時代の英語の成績は、5段階評価の3~4だったそうだ)。同じ目標に向かう者同士、きっと日を追うごとに通じ合えるようになるのだろう。

■ジャパニーズドリームを掴む!

ジャパニーズドリームを掴む(撮影:城 裕一郎)
ジャパニーズドリームを掴む(撮影:城 裕一郎)

大きな決意を持ってやってきた。「ドミニカは経済的にまだまだ発展途上なので、家族にもっといい生活をさせてあげるために日本に来たんだ」。

来日してみて「日本のみなさんはすごく丁寧だし、謙虚だ」と驚き、居心地はいいようだ。食事に関しても「サンドイッチや米、鶏肉…どんな日本食もおいしく食べられている」と不自由はない。なにより「楽しく野球ができている」と、チームメイトに感謝している。

家族のためにも、なんとしてもNPB入りを実現する。ウリは「平均94マイル(151キロ)のストレートとチェンジアップ、カットボール」だが、変化球の質はもっと上げていきたいと意気込む。「ストライクを取るカット、三振を取りにいくカットの使い分けができるよう磨いていきたい」と鼻息も荒い。

ジャパニーズドリームを掴むために―。まずは滋賀ユナイテッドの勝利に貢献していく。

【ロレンゾ・アキメデスLorenzo Arquimedes

背番号33

投/打右/右

生年月日1991年5月29日(26歳)

身長/体重189cm/93kg

出身地ドミニカ共和国

経歴ピッツバーグ・パイレーツ(ドミニカン・サマーリーグ)

愛称ローリー

(撮影:城 裕一郎)
(撮影:城 裕一郎)

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