中国が男女比異常をごまかす国勢調査書き換え

 中国の国勢調査には意図的に大幅な書き換えがあるとインドの研究者が指摘したのを受けて実際のデータにあたって検証すると、一人っ子政策で男が女よりずっと多い異常を無いことにする大修正が見つかりました。中国政府の国家統計局が公開しているウェブのデータをエクセルにコピーして計算すればだれにでも分かります。中国の公式統計はGDPなど信用できないとの声は色々な分野の専門家から聞きますが、ここまで露骨、恥知らずとは思っていませんでした。国家運営の基盤になる国勢調査の年齢別人口が2000年と2010年で食い違っており、鉛筆をなめながら修正したとしか思えない状況を知ると国家の体をなしていないと断ぜざるを得ません。

 中国の国勢調査は10年ごとに実施され、中間の5年ごとには全体から1%を抽出しての調査です。ごまかしを指摘したのはインディアンエクスプレスの《China’s Communist Party has sought to cover up population crisis by obfuscating census data》です。抽出調査は誤差が大きくなりますから、2000年と2010年の全体調査に的をしぼって検証しました。調査間隔が10年ですから同一の世代は年齢が10歳上がり、事故や病気による死亡で人口が減るはずです。ところが、大幅に人口が増えた世代が多く見られます。

 5歳階級でなら2010年の15-19歳が最も増えており、2000年には9015万人だったのに9988万人になっています。次いで10-14歳が6897万人から7490万人に増えました。40歳以上は10年経過して順当に人口減になっています。2000年から2010年で若い層の人口増減が男女でいびつであると気付き、以下にグラフにしてみました。

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 男女差を少なくする操作がされており、10年前は男女比が「1.08」もあった22歳から24歳がほぼ「1」にされています。1月に書いた第624回「14億人中国の暗雲:男女人口大差と年金使い込み」は2010年国勢調査に依拠しており、男余りの実態ははるかに深刻だったのです。統計をいじった意図は結婚適齢期を迎えた若い男女の不安、危機意識を抑えるものだったかも知れません。結婚相手がいないため嫁を貰えぬ独身男性大量発生は社会不安につながるとの指摘があります。5歳階級で男女比が「1.20」と最も大きかった10-14歳は操作によって「1.16」まで下げられています。今後の国勢調査発表でさらに数字だけ下げても無意味であり、恣意的に実態を覆い隠す政府に国民は怒るべきです。

 昨年、第602回「中国の労働人口、今後は1億、2億と減る衝撃」で中国の生産年齢人口減少を論じました。2010年国勢調査で同一世代人口を大幅に増やす操作をしているのはこれと関係していると考えられます。実際には人口減少しているのに統計で隠蔽するのです。インドの研究者は2015年の中間抽出調査で大量の人口増加があり、億に達する大規模な統計改ざんの可能性を指摘しています。

 【参考】データはいずれも表「3-1 全国分年齢、性別的人口」から。

   中国2000年国勢調査

   中国2010年国勢調査