緊急事態宣言緩和へ3月並み抑制は連休明けか

 新型コロナウイルス感染症への緊急事態宣言を緩和するには現状の患者発生抑制は不十分で、3月並みの新規1日百例割れ実現に大型連休明けまでかかりそうです。強制措置無しで驚くべき成果ながら、もう一息でしょう。日々の新規感染者発生にある1週間サイクルの癖を除くために当日から1週間分を合計して「7」で割る移動平均手法を20日付第633回「緊急事態宣言1週間で新型コロナは頂点、減少へ」で採用してグラフ化した際には、4月末にも新規1日百例割れが見えそうでしたが、それから院内感染多発などで新規発生が膨らみました。改めて全国と東京、大阪をグラフにしてみます。(各種BCG接種が新型コロナウイルス感染にどれほど効果があったか、世界的な感染拡大でデータが出そろってきました。拙稿、第638回「BCGは対コロナ抑制大、日本株は最強の守護神」(6/25)で詳しく分析しています)

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 27日は東京の新規患者が3月末以来初めて「50」を切り、全国でも同様に3月末以来で「200」を切りました。しかし、全国の7日移動平均が「100」にまで下がるには今後1週間から10日が必要そうです。対応する曜日を細線で結んでみれば減り方が加速している感じはします。また、東京は全体としては下げ渋っている印象であり、大阪は緊急事態宣言3週目に入ってからは大きく患者発生が抑えられています。患者発生は2週間前の動きが反映されているとする政府の専門家会議が期待したのは大阪のような動きだったのでしょうが、あちこちのクラスター発生や感染経路不明者増加で思うようになっていません。

 文字通り世界中で新型コロナウイルスが蔓延している中で強制力を伴う都市封鎖で対応する国が多数派です。それでも欧米諸国は爆発的な感染、万単位になる死者多発が抑えられていません。日本のように国民にお願いして自主的に自粛してもらうだけで明確で急な患者発生抑制を実現してしまうのは、世界的に特異と言ってよいでしょう。自分を守ること以外に他人に迷惑を掛けないしつけと教育が国民にしみ込んでいる要因ははっきり指摘できます。超長期になると分かりませんが、この程度の自粛は消化できるようです。ただし、閉店要請無視のパチンコ店に客満員など例外的な動きはもちろんあります。

 日本と同じように国民の自発性に依存して新型コロナに対処している変わった国の一つがスウェーデンです。感染すると危うい高齢者の自宅待機を要請しているだけで、街のカフェやレストランも開いて市民が楽しんでいます。人口1000万人のスウェーデンは現在、感染者「18,649」、死者「2,194」です。これに対して人口1億2600万人の日本は横浜港のクルーズ船を合わせても感染者「14,325」、死者「407」でしかありません。世界でも数少ない強いタイプのBCG接種を続けているために免疫力が高い可能性があります。感染者はPCR検査の実施状況でばらつきますが、日本の人口当たりの死亡者が少ない点は際立っています。札幌医大の《人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】》をご覧ください。